【R18】平凡な男子が女好きのモテ男に告白したら…

20

キッチンに駆け寄って、誠の横をマークする


「何？一緒に作りたいの？
俺作るから大丈夫だよ」

「いや！僕も手伝いたいから！」

「そう？じゃあ一緒に作ろうか」


誠は口角を上げて、僕の頭を撫でる

誤魔化してそんなことを言ったけど、本当はそうじゃない
誠に臣の胃袋まで掴まれるなんてことをされたら、もう勝ち目を感じないから僕も手伝うということにした

誠は手際よく、材料やフライパンなどを出していく

何で閉まってある場所まで知って…
僕が知らない間に何度も、この家に来て料理を披露してるってこと？？

誠の行動をまじまじと見てしまう


「どうしたの？
じゃあ千秋さん野菜洗ってもらっていい？」

「わかった」


近くに置いてあった、レタスを手にして次々にむしっていく

いつから誠は臣のことを狙ってたんだろう…
全然気づかなかった
じゃあ誠と付き合っているあの可愛い彼女は？ただのカモフラージュ？？

「うーん…」

「ちょっと千秋さん
何やってんの？」

「へ？？」

「これむしりすぎ
俺らのこと、うさぎとでも思ってんの？」

誠は僕からレタスを取り上げる
ボウルの中身を見てみるとこれでもかと溢れかえったレタス


「あと袖濡れちゃうから捲ろうね」


誠は僕の背後に回ると、覆いかぶさるようにして両脇の隙間から腕を伸ばして、濡れてしまっていた袖を丁寧に折り曲げてくれる


「…ありがと」

「ん、どういたしまして～」　


やっぱり誠は面倒見がいい

「2人近くね？」

そんな声が聞こえて後ろを振り返ると、不機嫌な顔をした臣が誠を睨みつけていた

「そう？普通でしょ
てか、千秋さんなんかいい匂いすんね」

誠は後ろから覆いかぶさった状態で、僕の頭に鼻を近づけると匂いを嗅いだ