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しおりを挟む「顔は触んな」
「わ、わかった…」
これは俺が今から殴るからその顔に先に傷付けるのは許さないとかいうヤクザみたいな思考を持った人ではないのか…
尚更恐怖が湧いてくる
突然、白金さんは椅子から立ち上がった
何だこの人…
僕はその人の脚を思わずじっと見つめてしまった
座っていて周りの人と座高がほぼ一緒だからわからなかったけど身長がでかいし、威圧感を感じる
今から殴られそうだという白金さんの手を見ると、ゴツゴツしていて男の人らしい手をしている
せめて……せめて、その細長い指にはめられた指輪を外してほしい
あんなので殴ったら凶器じゃないか…!!頬に食い込んで血が出てきそうだ
「こ、こっ…ここ」
こんな状況でありながら怖いなんて言いそうになっている僕は全くといっていいほど男らしくない
それに恐怖からかうまく声も出なくて恥ずかしい姿をこれでもかと晒してしまっている
「ガハハっ、こいつ鶏かよ!!」
連中の下品な笑い声が耳元に響いてくる
白金さんはその笑い声を聞いて、深いため息をついた
「うるさ」
「…悪い」
笑っていた連中はすぐに黙り込む
白金さんはよっぽど音に敏感なんだ
僕も殴られた衝撃で大声なんて上げたからには続いて2発も3発も待っているかもしれない
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