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え???

着いてくんなって同じ場所に行くんじゃないの??


それにりっくんの友達……ではないのか?
先ほどまでの会話を聞く限り、友達とも言い切れない



「一緒に行かなくていいの?」

「うん、気にしなくていい
行こう」


背中に手を添えられた状態で、りっくんは僕の隣を歩く

まるでエスコートされている女性のような気持ちになってしまう


講堂の近くにあった大教室に入ると、話を続ける講師と目があい、一瞬だけ眉を顰めた


頭を下げて教室を見渡し、臣の姿を探す



すると、後ろの方の席で友達と話す臣の姿を見つけた


隣の席は友達らしき女の子が座っていて空いていなかったため、僕は仕方なく前の方で空いていた席にかけようとすると、周りの人の視線に気づいた



周りの人の視線は僕のすぐ後ろに向かっている
きっと皆んなりっくんを見ているのだろう


こんなにカッコいいんだし


りっくんと隣同士で座ると、香水のような香りが鼻を掠める


キツくはない、むしろいい匂いだ
イケメンは香りまでイケメンだとよくいうもんな…


実際、臣もいい香りするし


抱きついた時とか特にいい香りがダイレクトに伝わってくる 


臣の香りを思い出して、ニヤけそうになった顔を隠す
地味な男がニヤけている光景なんて気味悪さしかないため、必死に抑える



「ちぃ、どうしたの?」


「あ、え?何でもないよ!
それにしても、りっくんはいつこっちに帰ってきたの??」


「あれ?泉から何にも聞いてない??」
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