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しおりを挟む「でも、経済学部ならこの講義取れないはずじゃ…」
「ごめんね、ちぃと一緒にいたかったから着いてきちゃった」
そんな可愛い笑顔で言われたら、僕も注意するにも出来なくなってしまう
とりあえず講師にバレなきゃ大丈夫だよね…??
りっくんは目立つような存在だからバレてもおかしくないようにも感じるけど…
「それとあと!」
「さっきからそこうるさい!」
講師に突然、指を指されて固まってしまう
それに明らかにりっくんではなく、僕を指差している
恥ずかしさからどんどん顔に熱が集まっていく
大教室に遅刻して入るより、恥ずかしいじゃないか…
りっくんは僕の耳元に顔を近づける
「ちぃ、ごめん」
「いや、大丈夫!
僕の声がでかかっただけだから、りっくんは悪くないよ!」
「ちぃは優しいね」
その後、りっくんは僕に気を遣ってか、僕に話しかけずに机の下で携帯を隠しながら、何やらやり取りをしているようだった
全て英語で書かれているから、英語が不得意な僕には全然解読できない
素早い指の動きでメッセージを打っていくりっくんの細長く白い指の動きが綺麗で思わず見てしまう
りっくんの携帯をこっそり見ながら顔を上げると、目があってしまった
すると、りっくんは口角を上げた
声に出さず、口元の動きだけで何かを伝えようとしている
薄く色気のある唇に目を向ける
何を伝えたいのか、注目して見てみる
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