143 / 256
19
しおりを挟むあれからりっくんと連絡を取り合い、次の日のお昼一緒に学食を食べることになった
食堂の前で待ち合わせをしたけど、りっくんの姿はまだない
それにしても、なんだか緊張するな…
大人の姿のりっくんとご飯を食べるなんてつい昨日まで想像もつかなかった
両手をお腹あたりの前で組んで、緊張を紛らわすように両方の親指をクルクルと回す
すると、遠くから見ていてもわかるような美青年がこっちに向かって歩いてきた
歩くだけでサマになってるな…
向こうは僕に気がついて、大きく手を振る
それに合わせて、周りの人たちが手を振られている主が誰なのかとキョロキョロと探し始めた
"ねえ、あの人誰に手振ってるのかな?
ほら、あのイケメン!彼女に手振ってるのかな??"
"え?!まじ?
じゃあ彼女もだいぶ可愛いんじゃない??"
周りで勝手に手を振られている人は女だと決めつけられてしまったよう
違うよ!可愛い女の子じゃなくて、こんなに地味で平凡な男だ!!変な期待はしないでくださいと大きな声で言いたいところだけど、そんなこと言える僕ではない
モジモジとしながら、こちらに向かってくるりっくんへと小さく手を振ると、はじける笑顔を僕に向けた
眩しすぎる…
周りの人がどんな彼女だとざわついているなか、りっくんは僕の元に来た
「ちぃ、おまたせ」
それを見た瞬間、周りの人は何でお前が?とでも言いたいような表情を僕に向けて去っていく
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
647
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる