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しおりを挟む「やっぱ俺ってセンスいいなあ
お前、可愛い弟キャラで押して女の子喜ばせろ」
「なにそれ、僕はそんなのできない」
実際、ちゃんと髪をセットしたわけではないけど雅也は自分の腕を自画自賛している。
「お前の生意気な口調をちょっと可愛くすればいいだけだよ。
あ、でもお前の場合、ちょっとどころじゃ修正足りないからだいぶ可愛くいけ。」
「意味わかんない。巻き込まないで」
2人で並んで歩きながら校門を出ようとすると、付近から数人の男女の話し声が聞こえてきた。
「今日どうするよ?」
「カラオケとかどう?」
「カラオケ?前に行ったばっかじゃん」
「じゃあ、どこがいいんだよ」
雅也はその集団を横目で睨みつけた。
「なんだ、あの集団
可愛い子たちばっか集めて話しやがって
自分達がイケメンだからって調子乗ってんのか」
「雅也
それなんていうか知ってる?負け犬の遠吠えっていうんだよ」
「うるせえ!そんなの俺が1番わかってんだよ!」
雅也が大きな声を出したため、イケイケ集団がこちらを見る。その中の1人に河田君がいた。
僕と目があった瞬間、目を丸くした。
なんでこんなにも偶然が重なるのだろうか。これが運命の赤い糸とかだったらどんなに良かったことか。
「あれ、雅也先輩じゃないすか」
「お、富岡!おひさ!」
どうやらその中に雅也の知り合いがいたようで、集団と僕たちの距離がどんどん近づいていく。僕は河田君の方が見れずに下を俯いた。
「これから帰りっすか?」
「いや、俺たちこれから合コンだから!」
僕は思わず雅也の腕をつねった。
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