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しおりを挟む雅也にやっぱり合コンに行くと告げたところ、嬉しそうな顔をして早急にセッティングをしてくれた。
この男一体どれだけの人脈を持っているのだろうか。
けど、やっぱり決心が固まらない。彼女が欲しいというか河田君を断ち切りたいがために女の子を利用しているようで気が引ける。
もちろん、こんな僕が女の子と付き合えるというのは夢のまた夢かもしれないけど。
やっぱり断ろうかと悩み続けていると、あっという間に当日が来てしまった。
「雅也、僕やっぱり合コンにいかな」
「千秋、お前いくらなんでもそのままだとひどいな。合コンに行くんだから少しくらいオシャレしてこいよ」
もう行かないという言葉も聞いてもらえないようだ。
この言葉を数日前にも出しかけたが、別の話題を持ち込まれてうまく流されてしまった。
放課後になり学校から出る直前、昇降口から近い男子トイレに連れて行かれると鏡の前に立たされて、雅也の持ってきたワックスで髪をセットされる。
「お前の髪細いから全然動きでないな。
女みたいにサラサラ」
雅也は僕の髪を指で摘んで持ち上げる。
「昔からそうなんだよ
髪の毛セットなんて今までした事ないし」
結局、全体的にはあまり変わらなかったものの、長い前髪を横に流しただけでもだいぶ印象が変わった。普段、こんなに顔を出すことがないから違和感しかない。
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