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しおりを挟む今の本当にムカつくって…やっぱり僕みたいなやつが彼女を作ろうとするのがムカつくのか。
だったらそれに抵抗して、僕は河田君を断ち切ったということを証明してやるんだ!と心の中で気合を入れる。普段は内気で女の子に自分から話しかけることなんてほとんどないけど、女の子にも積極的に話しかけた。
「ねえ、休みの日ってどんなことするの?」
「俺はね、友達と遊びに行ったりしてる」
今まで見たことないような笑顔で河田くんが僕に話しかけてくる。でも、僕が話しかけているのは女の子だ。その女の子たちは僕より河田君の話題にくいついて話そうとするけど、河田くんは僕に話しかける。会話のキャッチボールは全く成立していない。
雅也は珍しく静かで、1人取り残されているかと思いきや、スマホを眺めてニヤニヤと笑みを浮かべている。
横から画面を覗き見てみると、誰かと連絡を取り合っているようだ。
きっとあの女の子達と連絡を取り合っているのだろう。
1人ライバルが減ったとプラスに捉えて頑張るしかない。
「じゃあ、好きなタイプとかって」
いきなりがっついた質問に女の子達の顔が引き攣り、女の子達同士で顔を見合わせる。
「いきなり好きなタイプ聞くのってどうなんですか?ちなみに先輩の好きなタイプは俺とか?」
河田君は自分の顔を指差す。わかっているくせに聞かないでほしい。
女の子達は河田くんの言葉を冗談だと感じて引き攣っていた顔に笑みを浮かべた。
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