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しおりを挟む「何言ってるの、河田君。
それじゃあ僕が男の人好きみたいじゃん」
苦笑いを浮かべながら言うと、手の甲に何かが触れた感触がした。そのあとギュッとつねられる。
「いっ!!」
手元を見てみると、河田君が僕の手の甲をつねっていた。
「どうしたの?千秋君」
「いや、なんでもないっ…」
僕の突然の大きな声に驚いた女の子達にむけて無理に笑みを浮かべる。
「俺、良かったら飲み物注いできますよ
みんな何が飲みたい?」
河田君は席を立ち上がると、空になったコップを持って立ち上がる。ようやく落ち着けると思いきや河田君が僕の腕まで引いてきた。
「1人じゃ持てないんで一緒に来てください」
「え、僕…?」
「女の子に飲み物注がせに行くんですか?
ひどい男ですね」
ひどい男はどっちだ。
僕を惑わせることばかりしてくる。
「じゃあ、雅也も…」
女の子達に向けていた笑顔はなくなり、鋭い目で僕をみる。雅也に助けを求めて視線を送るも、僕の視線には気づかずいまだにニヤニヤと笑みを浮かべている。
このチャラメガネ!!!
これも女の子のポイントを高めるための行動だ。そう割り切って僕はコップを持って河田君の後ろへと着いていった。
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