貴方のことは好きだけど…

ぽぽ

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本当の愛

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「えっと…そのよく状況が…」

未だに伊織の言葉が信じ切れず恵麻は狼狽えながら、伊織の顔を伺う。


「恵麻ちゃんはアホやからわからん?
じゃあ簡単に話すわ
恵麻ちゃんのことめちゃくちゃ好きやけど強引に手出したら嫌われるから、他の女抱いてたってこと
本命の女に嫌われるなんて絶対嫌やん」

「じゃ、じゃあ伊織様は私に少しは気持ちがあったと言うことですか?」

「あ?少しどころじゃないから困ってるんやろ
常に嫁に欲情してるのに抑えてる男の気持ち考えたことあるん??」

「いえ、ないです…」

伊織の責任であるのにまるで名前が悪いように責め立ててくる。
伊織は大きな息をついて、恵麻を広い胸の中に閉じ込める。

「恵麻ちゃんは俺に抱かれてもええって思う?」

「え?そ、それはその…
展開が早すぎて…その私も経験がないので…」

「恵麻ちゃんが処女なことなんて当たり前やろ?恵麻ちゃんを抱いた男なんていたら今頃この世にいないはずやし
俺は恵麻ちゃんがいいなら抱く、容赦なく抱く
でも、恵麻ちゃんが嫌がるなら抱かん
別の女抱くのも嫌がるならもうしない
ガキがどうかなんて関係ないねん、俺は恵麻ちゃんがいたらそれでええねん
だからずっと俺と一緒におって」

伊織はもう覚悟を決めたように自身の溜め込んでいた思いを一気に吐き出した。

「はい…」

恵麻は恥ずかしさから俯きがちに言葉を聞くも、返事と共に顔を上げて伊織と視線を合わせる。
結婚してからも一度もつげてこなかったプロポーズの言葉を恵麻につげて、頬を包み込み艶やかなピンク色に染まる唇に伊織が顔を近づけると、恵麻は顔を逸らした。

「は?恵麻ちゃん
嫌なん?」

そんなこと許さんと言わんばかりに背けられた恵麻の顎を掴み無理やり顔を向き合わせる。

「嫌ではないです!!
けど、なんだか恥ずか」

恵麻の言葉は全て言い切ることなく、伊織は唇に口づけを落とした。

伊織は顔を両手で塞ぎ天井を見上げ、背中をむけるも恵麻はその背中に抱きついて顔をすり寄せる。

「あーーー!!
クッソ恥ずい
もう一生言わん」

「伊織様、大好きです
一生お仕えいたします」
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