魔術師達と彼方

本和 奏

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第1章 青年と少年

青年と少年 15(完)

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「セオさん!師匠!」
 目を覚ましてみれば、目の前に居たのはクライストではなく入院していたはずのラピスちゃんだった。
「うわぁお!ラピスちゃん、どうしたの?」
「師匠から某に連絡が来まして、『俺の代わりにクライストを捕まえておいてくれ』と書いてあったので縛り上げておきました」
 女の子一人であの男を縛り上げるなんて、一体どんな魔術を使ったのだろうか。あまりにすごすぎて、ちょっと信じられない。
 いや、筋肉強化の魔術があればいけるか?先生の護衛を任されるくらいなんだから、その手の魔術が一流の可能性は高いし……。
「ありがとう、ラピス。もう全快か?」
「お陰様で。こちらこそありがとうございます、師匠」
 先生とラピスちゃんの間に何があるのかはわからないけれど何故か、ほんの少しだけ遠いものに感じた。
 寂しい気がするのは気のせいか。気のせいでなければ、だいぶ傲慢な話である。
「さて!こいつはそのままここの近くの魔術師に預けてしまおう。俺達は撤退だ。この子達もついでに帰してな」
 そうだった。すっかり忘れかけていたが、若者が大量失踪していたんだった。
 それがあの魔術の生贄だと思うと、案外軽いものだったかもしれない。
「さて、帰りましょうか。ウィル先生」
「ああ。勿論帰るとも。久しぶりにゆっくり寝るんだ」
 僕達は、そのまま工房を後にした。
ウィル先生は一度だけ立ち止まって、何かを呟いていた。
内容は、多分

『また、俺が死んだ後に。それまでさようなら、アレク』

そんなんだった気がする。
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