魔術師達と彼方

本和 奏

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第2章 少年と友人

少年と友人 2

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「はじめまして。僕は、ローラン・スタッフォードという者だ。ウィルとは学生時代からの友人でね、今日会いに来たら『会議があるから留守を頼みたい』って言われちゃって。親友の頼みとあらば、断るわけにもいかないからさ。こうしてここで紅茶を飲みつつ君を待っていた訳だ」
 そう言って、彼は微笑んだ。
 どうやらウィルの友人らしい。それも、かなり信頼され、信用されている人物のようだ。そうでなければ、ウィルが留守を任せる事なんて有り得ない。内弟子のラピスで漸く、誰もいない研究室に入ることが許されるレベルなのだから。
 「あの、先生の友人ってことは、昔の先生を知っているってことですよね」
 もしかしたら、この人に聞けば先生の事が少しだけわかるかもしれない。先生の事を何一つ知らないなんていう現状から脱することが出来るかもしれない。
 勿論、話してくれたとしても、全てを教えてくれることはないと思うけれど。
「勿論、ほんの少しだけなら知っているよ。でも、ウィルは昔のことを話したがらないからね。君が知らないのも無理は無いさ。別に隠している訳では無いみたいだけど」
「えっ。隠してないんですか?」
「うん。ただ、彼の中で昔のことは多少黒歴史だと思っているみたいでさ。恥ずかしがってるんだよ」
 その言葉は、意外なようでよく良く考えれば意外でもなんでも無かった。隠そうとしているなら、あの時ウィルは予防線にセオを使おうとせず、ラピスをすぐに寄越しただろう。
「とはいえ、僕が知っているのは、彼が転入してきた十六歳以降の事だよ。僕達はその時出会ったんだ」
「是非、聞きたいです」
「そうか。じゃあ、まずは僕が彼を初めて見た日。彼がこの場所に転入して来たところから話そう」
 そう言って、彼は紅茶で唇を湿らした。
 それは、内気な少年の元に現れた、不器用で他人を寄せ付けない、無名の転入生の話だった。
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