蜜葉

夏蜜

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梅雨入り

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 ボンネットを叩く音が次第に激しさを増していく。連日続いた晴天を欺くように突然降り立ったこの雨は、例年より早い梅雨入りを知らせているようだ。
 フロントガラスに打ち付ける雨を排そうとワイパーを早めれば、点滅する歩行者信号を傘も差さずに早足で横切る人の姿がライトに照らされ並んで見える。先ほどまで空には雨雲はかかっていなかったため、傘を持たない人の多くが運悪く土砂降り雨に巻き込まれてしまったのだろう。
 そんな光景から一瞬、信号機が青へと変わる直前にふと視線をバックミラーに移せば、同じく右折車線に車体を寄せ、ウィンカーをちらつかせている見覚えのある車の影があった。

(――もしかして、またあの軽か?)

 高城は徐ろにアクセルを踏み出した。後ろを気にかけながら、対向車が行き交う雨ざらしの交差点を緩やかに曲がっていく。
 高城は舌打ちをした。  
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