剣聖の使徒

一条二豆

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エピローグ

これから

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 季節は春。天気は快晴。
 雲一つない晴れ間だが、俺は気分悪く登校していた。

「いつまでふてくされているんですか、日向さん」

 気分が表情として出ていたのか、シーナがあきれたような声を発した。
 俺は自分の中にある不満をシーナへとぶつけた。

「だって……バアルに、悪魔に助けられたんだぞ! んなことがあっていいのかよ!」

 昨日、俺が目を覚ますと、俺は自室のベッドに寝かされていて、周りでシーナたちが心配そうにこちらを見ていた。
 シーナと凛音は俺が意識を取り戻したのに気が付くと、うれしそうに声をあげて喜んでいた。
 状況が呑み込めずに俺が戸惑っていると、シーナが事の経緯を話してくれた。

 あの後どこからか現れたバアルによって、『死誘掌』が解術されたということだった。

 ……ふざけやがって、何のつもりだよ。

 ということで、俺は昨日からずっとこの調子である。

「恩なんて絶対返さねえ」
「はいはい分かりましたよ……全く、いつまでも引きずらないでください」

 シーナは今日何度目か分からないため息を吐いた。

「ところでさ……何でお前ついてきてるんだよ」
「え?」

 シーナはきょとんとしているが、今隣を歩いているのは明らかにおかしい。

「今、俺は学校に向かってるんだぞ、分かってんのか?」
「はい、そうですね」

 笑顔でそう返してくるシーナ。なぜそんな表情ができる。

「学校についてきて何がしたいんだよ、お前は」
「楽しそうじゃないですか! 一緒に行ってみたかったんですよ!」
「急だな、本当に……」

 この気まぐれ少女が……お気楽でいいことだ。
 シーナと話したことで、ある程度気が紛れてきた……気がする。
 仕方なくシーナを連れて歩みを進めていると、後ろから、バシッと背中をたたかれた。

「おはよー、日向! およ? 何で椎名ちゃんがいるの?」
「学校が楽しそうだからついてきたとさ」
「おはようございます! 日向さん、朝からうざいんですよ」

 俺の心は傷ついた。シーナがそんなこと言うなんて思わなかったよ!

「ミジンコみたいなものだから、気にしなくていいよ」

 気にします、マイシスター。女性陣のあたりがなぜかきついです。
 俺の心がイライラからしょんぼりへと変わった。
 シーナがふと思い出したかのように手を合わせた。

「あ、そうだ凛音さん。あの後、ヴァルゴさんの様子はどうなんですか?」
「すこぶる元気だよ。若干気持ち悪いくらいに」
「それはよかったです!」

 楽しそうに、朗らかに笑っている二人はとても仲がよさそうで……俺のことなど気にも留めていなかった。

 ヴァルゴが元気になったのはいい知らせだが……なんか複雑だな。
 俺は気分を一転させ、二人へと近づいた。

「俺が悪かった。もう気にしない」
「分かればよろしい」
「元に戻ってこその日向さんですよ!」

 二人の笑顔が何か腹立つ。
 思い通りに動かされたみたいで嫌だ。

「おっはよ――! ひーなーたー! なーにーしーてーごぶるあっ!」
「うるせえ」

 背後から近付いてきた妖怪――大聖をコンクリートに叩き付けて黙らせる。

 ……あ。

「やっべ、やりすぎた!」
「いいんじゃない、大聖だし」

 凛音の大聖への扱いがひどかった。ま、いいか、自業自得だし。
 一応起き上がらせ、また歩き出す。
 すると、どこからかやつらの気配が。

「!」
「これは!」
「日向さん!」

 悪魔の力を感じ取り、俺はシーナに手を伸ばした。

「よし、行くぞシーナ!」
「はい、日向さん!」

 俺は誓う。
 悪魔を駆逐し、親の仇をとる。
 そして、



 今一緒にいてくれるこいつらを、守っていくことを。


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