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扉の向こう(3)
しばらくは、経過した日々を数えていた。
十日経った。ああ、もう二十日を過ぎた。そんな風に。
けれども、いつの間にかそれをしなくなっている。
そのことに気づいたのは、屋外に出る際に、ドレスの上に羽織りものをするようになったとか、暖炉に火を入れる時間が長くなったことなどで知った。
時が過ぎたのだな、と振り返るだけ。
いたずらに過去を思うことも少ない。
忘れた訳ではない。
今ある事ごとに懸命で、それに浸ることが多いのだ。
わたしはこちらに少しずつ慣れていった。
家令(執事のような意味合いだと思う)のヤンが、従僕(彼の部下の男性。複数いる。屋敷内の仕事)が持つ箱の中身を燃しているのを見かけた。
日課の散歩をしている時のことだ。
ヤンが焼却炉に投げ入れるそれに見覚えがあり、声をかけた。
「何を燃やしているのですか?」
二人はわたしの声に、ちょっとお辞儀をした。従僕が抱える箱の中身は、やはり手紙だ。
きっちりと束ねられ、表書きにガイを指す『春告げる伯爵当主』御許、とある。
見た感じ、封も開けられていない。
束になって数あるそれらを、燃やす意味がわからない。
「旦那さまのご指示でございます」
「え」
そういえば、ガイが手紙を読んでいるところをわたしは知らない。
その返事を書いているところも見たことがない。
「処分していいんですか? だって、読んでもいない…」
ヤンはそれに目を伏せ、
「そうご指示を受けましたので、毎回このように」
と答えた。
彼らはガイの命じたとおりにやっているだけで、これ以上は質問の意味がないだろう。
わたしは礼を言って、その場を離れた。
妙な感じがして、ちょっと気持ちがざわめいた。
邸にガイへの手紙はたくさん届けられ、それは、来るごとにヤンの手によって書斎に運ばれる。
ガイがいれば彼に差し出すけれど、不在の場合、書き物机の上に並べられる。
翌日もまた同じで、新たな手紙が同じように書斎にやって来る。
その時、わたしは以前のものがどうなったのかを考えたこともなかった。
いつしか新たな手紙に代わっているから、当然、前のものは適正に処理がなされたのだろう。自然、そう思い込んでいたように思う。
それが普通だから。
そのことが引っ掛かり、夕食の席でたずねてみた。
咀嚼の後で、ガイは「ああ」と応じた。
ここは晩餐用の食堂で、シャンデリアの明かりの下で、大テーブルの燭台のろうそくが揺れている。
わたしは、主人席のガイの斜め隣りに一つ間隔を空けて掛けている。
「勝手に届けられるものを、僕が読む義理もないでしょう」
「お友だちとかからの手紙かも…」
「邸に手紙を届けさせる友人はいません」
「大事な知らせだったりしない? 緊急の」
彼はくすっと笑った。
「急を要する大事な知らせなら、手紙で知らせるなど悠長なことはしない」
確かにそうかもしれない。
「お嬢さんはもういいの?」
「あ」
最後の皿の、一口を急いで口に運んだ。
ガイが口元をぬぐったナプキンをテーブルにふわりと投げた。食事の終了の合図だ。
その後、書斎に移った。
その場には、やはり書き物机の上に並べられた手紙があるのだ。
わたしがそれらを眺めていると、ガイが言った。
「開けて読んだらいい」
「え」
「どうでもいいことばかりが書いてあるだけですよ」
「いいの?」
「どうぞ」
それから、彼はわたしに断ってからたばこに火を点けた。くわえたばこのまま長いすに寝転んだ。
邸の中では、昼を除き、彼は眼帯をしない。
最近知ったが、ガイにはちょっとこんな風に行儀の悪い所がある。いつもきちんとしたスーツ姿で、堅くタイを締めた紳士然とした様子であるのに。
手もたれに足をのせ、テーブルの飾りの銀細工の玉を高く投げては遊んでいる。
私信をわたしが読むことに、本当に頓着した風がないのを確かめてから、ペーパーナイフを手に取った。
上質そうな封筒を開け、中を取り出す。
カードだった。装飾が施されたそれには、晩餐会へ招待する旨が書かれている。差出人は、花の図鑑の子爵夫人、とある。
かたわらに置き、もう一通を開ける。
同じようなカードが現れ、今度は詩の朗読会への招待だ。こちらは、風の調べの伯爵。
別な一つは、雨音の侯爵夫人より再び晩餐会の招待状。
昼食会。
舞踏会。
お茶会。
室内楽鑑賞…。
どんどん開封していき、いずれもこれらは社交の誘いなのだと知った。
最後に開けた手紙には、演劇愛好会への招待がつづられていた。「作り上げる芝居の魅力を共に享受いたしたく」とある。
作り上げる? 観劇ではないのか。
ガイに聞くと、
「それは最悪のやつです」
と言うから気になる。
問えば、参加型の芝居劇の会なのだとか。招かれた客が、割り振られた役柄を演じて、みんなで芝居をするのだという。
「幕の頃には感極まって泣く者まである。いい大人が集って、下手な芝居に興じて騒ぐ。馬鹿みたいでしょう?」
彼はそう言い捨てる。
ガイの趣味ではないのだろうけれど、好みはそれぞれだから。
検めて見て、処分されている手紙のすべては、こういった社交への招待状だとわかった。
日々あまた来るそれらは、わたしの感覚で言えば、興味のないダイレクトメール的なものなのかもしれない。
本当に重要で必要な場合の連絡は、違う確実な形で来るのだろう。
運ばれたお茶を飲む。
ふとガイが聞く。
「あなたはああいった招待に興味があるの?」
「ううん」
すぐにその返しが出た。
こちらの生活に大分慣れた、と思う。
けれど、それはこの邸の中でのことだ。その外へ出て、ガイ以外の人の目にさらされるのが、怖い。
この世界をよく知らないわたしにとって、見えないテストを受けるかのような怯えがある。
そして、それがなくとも、ガイといる二人の空間が好き。
落ち着くし、自分でいられる気がするから。
リンであれ、ドラやヤンなど使用人の人々はよくしてくれる。そんな彼ら対する時でも、本当の自分ではない。
少し背伸びをした自分でいるのがわかる。
だから、
「このままでいい」
気負いなく言える。
「そう」
彼が伴ったこれまでのわたしの仲間には、ああいった催しに興味しんしんの人もあったとか。
「帰るまで、大層楽しんだようですよ」
「ふうん」
「ああいった社交は、僕が苦手でね。やむを得ない義理でも義務でもなければ、決して足が向かない」
時間の無駄以外の何ものでもない、と彼は愚痴を言う。
「誰にも会いたくない」
彼の意見に合わせた訳ではないけれど、その意にに沿っていたことが嬉しかった。
処分されてしまうとはいえ、ガイは日々あれほどの社交の誘いがかかる人物なのだ。
その彼の自由な時間を、わたしは随分と独占しているように思う。
「誰にも会いたくない」。
そう言う彼のそばにわたしはいられる。
それがとても嬉しい。
十日経った。ああ、もう二十日を過ぎた。そんな風に。
けれども、いつの間にかそれをしなくなっている。
そのことに気づいたのは、屋外に出る際に、ドレスの上に羽織りものをするようになったとか、暖炉に火を入れる時間が長くなったことなどで知った。
時が過ぎたのだな、と振り返るだけ。
いたずらに過去を思うことも少ない。
忘れた訳ではない。
今ある事ごとに懸命で、それに浸ることが多いのだ。
わたしはこちらに少しずつ慣れていった。
家令(執事のような意味合いだと思う)のヤンが、従僕(彼の部下の男性。複数いる。屋敷内の仕事)が持つ箱の中身を燃しているのを見かけた。
日課の散歩をしている時のことだ。
ヤンが焼却炉に投げ入れるそれに見覚えがあり、声をかけた。
「何を燃やしているのですか?」
二人はわたしの声に、ちょっとお辞儀をした。従僕が抱える箱の中身は、やはり手紙だ。
きっちりと束ねられ、表書きにガイを指す『春告げる伯爵当主』御許、とある。
見た感じ、封も開けられていない。
束になって数あるそれらを、燃やす意味がわからない。
「旦那さまのご指示でございます」
「え」
そういえば、ガイが手紙を読んでいるところをわたしは知らない。
その返事を書いているところも見たことがない。
「処分していいんですか? だって、読んでもいない…」
ヤンはそれに目を伏せ、
「そうご指示を受けましたので、毎回このように」
と答えた。
彼らはガイの命じたとおりにやっているだけで、これ以上は質問の意味がないだろう。
わたしは礼を言って、その場を離れた。
妙な感じがして、ちょっと気持ちがざわめいた。
邸にガイへの手紙はたくさん届けられ、それは、来るごとにヤンの手によって書斎に運ばれる。
ガイがいれば彼に差し出すけれど、不在の場合、書き物机の上に並べられる。
翌日もまた同じで、新たな手紙が同じように書斎にやって来る。
その時、わたしは以前のものがどうなったのかを考えたこともなかった。
いつしか新たな手紙に代わっているから、当然、前のものは適正に処理がなされたのだろう。自然、そう思い込んでいたように思う。
それが普通だから。
そのことが引っ掛かり、夕食の席でたずねてみた。
咀嚼の後で、ガイは「ああ」と応じた。
ここは晩餐用の食堂で、シャンデリアの明かりの下で、大テーブルの燭台のろうそくが揺れている。
わたしは、主人席のガイの斜め隣りに一つ間隔を空けて掛けている。
「勝手に届けられるものを、僕が読む義理もないでしょう」
「お友だちとかからの手紙かも…」
「邸に手紙を届けさせる友人はいません」
「大事な知らせだったりしない? 緊急の」
彼はくすっと笑った。
「急を要する大事な知らせなら、手紙で知らせるなど悠長なことはしない」
確かにそうかもしれない。
「お嬢さんはもういいの?」
「あ」
最後の皿の、一口を急いで口に運んだ。
ガイが口元をぬぐったナプキンをテーブルにふわりと投げた。食事の終了の合図だ。
その後、書斎に移った。
その場には、やはり書き物机の上に並べられた手紙があるのだ。
わたしがそれらを眺めていると、ガイが言った。
「開けて読んだらいい」
「え」
「どうでもいいことばかりが書いてあるだけですよ」
「いいの?」
「どうぞ」
それから、彼はわたしに断ってからたばこに火を点けた。くわえたばこのまま長いすに寝転んだ。
邸の中では、昼を除き、彼は眼帯をしない。
最近知ったが、ガイにはちょっとこんな風に行儀の悪い所がある。いつもきちんとしたスーツ姿で、堅くタイを締めた紳士然とした様子であるのに。
手もたれに足をのせ、テーブルの飾りの銀細工の玉を高く投げては遊んでいる。
私信をわたしが読むことに、本当に頓着した風がないのを確かめてから、ペーパーナイフを手に取った。
上質そうな封筒を開け、中を取り出す。
カードだった。装飾が施されたそれには、晩餐会へ招待する旨が書かれている。差出人は、花の図鑑の子爵夫人、とある。
かたわらに置き、もう一通を開ける。
同じようなカードが現れ、今度は詩の朗読会への招待だ。こちらは、風の調べの伯爵。
別な一つは、雨音の侯爵夫人より再び晩餐会の招待状。
昼食会。
舞踏会。
お茶会。
室内楽鑑賞…。
どんどん開封していき、いずれもこれらは社交の誘いなのだと知った。
最後に開けた手紙には、演劇愛好会への招待がつづられていた。「作り上げる芝居の魅力を共に享受いたしたく」とある。
作り上げる? 観劇ではないのか。
ガイに聞くと、
「それは最悪のやつです」
と言うから気になる。
問えば、参加型の芝居劇の会なのだとか。招かれた客が、割り振られた役柄を演じて、みんなで芝居をするのだという。
「幕の頃には感極まって泣く者まである。いい大人が集って、下手な芝居に興じて騒ぐ。馬鹿みたいでしょう?」
彼はそう言い捨てる。
ガイの趣味ではないのだろうけれど、好みはそれぞれだから。
検めて見て、処分されている手紙のすべては、こういった社交への招待状だとわかった。
日々あまた来るそれらは、わたしの感覚で言えば、興味のないダイレクトメール的なものなのかもしれない。
本当に重要で必要な場合の連絡は、違う確実な形で来るのだろう。
運ばれたお茶を飲む。
ふとガイが聞く。
「あなたはああいった招待に興味があるの?」
「ううん」
すぐにその返しが出た。
こちらの生活に大分慣れた、と思う。
けれど、それはこの邸の中でのことだ。その外へ出て、ガイ以外の人の目にさらされるのが、怖い。
この世界をよく知らないわたしにとって、見えないテストを受けるかのような怯えがある。
そして、それがなくとも、ガイといる二人の空間が好き。
落ち着くし、自分でいられる気がするから。
リンであれ、ドラやヤンなど使用人の人々はよくしてくれる。そんな彼ら対する時でも、本当の自分ではない。
少し背伸びをした自分でいるのがわかる。
だから、
「このままでいい」
気負いなく言える。
「そう」
彼が伴ったこれまでのわたしの仲間には、ああいった催しに興味しんしんの人もあったとか。
「帰るまで、大層楽しんだようですよ」
「ふうん」
「ああいった社交は、僕が苦手でね。やむを得ない義理でも義務でもなければ、決して足が向かない」
時間の無駄以外の何ものでもない、と彼は愚痴を言う。
「誰にも会いたくない」
彼の意見に合わせた訳ではないけれど、その意にに沿っていたことが嬉しかった。
処分されてしまうとはいえ、ガイは日々あれほどの社交の誘いがかかる人物なのだ。
その彼の自由な時間を、わたしは随分と独占しているように思う。
「誰にも会いたくない」。
そう言う彼のそばにわたしはいられる。
それがとても嬉しい。
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