魔王転生日記

むねじゅ

文字の大きさ
18 / 20

第018話 小室先生

しおりを挟む
我とタダシは大分だいぶ、小学校の生活に慣れてきた。
朝、タダシに迎えに来てもらって登校し、学校では授業や休み時間、給食など色々とやらなければならない事が沢山ある。
その生活の一部に担任の小室先生がいた。
先生は我の両親や、犬、学校の先生や生徒から聞こえてくるうわさによると20代後半の独身男性らしい。
しかも、この学校の校長先生の娘と婚約中らしいのだ。
先生の噂は良いものばかりで、我の直感と違うが・・・先生は真面目で子供好きで誠実で誰にでも優しいらしい。
我の勘では危ない奴と出たんじゃが?我は何か間違えたところを見ていたのか、はたまた先生は裏の顔があるのかじゃ。
我は時間はいくらでもあるし、タダシと学校生活を楽しみながら先生を注意深く見ていくことにしたのである。

我は先生を観察すると同時に、あまり目をつけられないように注意しようと考えていた。
だって、観察対象にこっちが注意を向けられていたら偵察どころじゃなくなってしまうからだ・・・
今のところ、上手くいっていると思うが・・・たぶん、先生にとって我は生活態度が大人しい、タダシと仲の良い子供。こんな感じだろう。
きっと、夢にも思ってはいまい!生徒に監視されているとはな!

我は先生の情報を集めるべく、家に帰ると必ず隣の犬に会いに行くことにしていた。

我 「おい!おぬし!今日は我の担任の情報はないか?」

犬 「魔王さーん!そうですね!あるといえば、ありますかねー・・・」

我 「それはなんじゃ!はよ!」

犬 「昨日の夜なんですがねー。その先生が駅前で女性と腕を組んで歩いていたとか・・・散歩中の仲間からの情報です!」

我 「女と歩いていたのかー。たぶんそれは婚約者であろうなー。なんでも校長の娘とか、学校の先生が言っておったからなー。」

犬 「そうなんですかー。あまり、意味ない情報でしたねー・・・すんません・・・」

我 「いいんじゃ!そのままで頼む。当り前の情報も確認のためには大事なんじゃ!いつも頼りにしておるぞ!」

犬 「ありがとうございます!おいら、がんばりますんでー!」

我 「色々頼むぞ!またな!」

犬 「また!お待ちしています!」

我はタダシと公園で待ち合わせしていたので、犬とは別れを告げ公園に走った。

タダシ 「まおくーん!こっちこっち!基地つくろー!」

我 「うん!二人の秘密基地だね!!!」

我はタダシと公園の片隅に秘密基地を作る事にした。
基地といっても、八百屋でもらったでかいダンボールで作った家だ。親にバレたら怒られそうだ・・・
タダシと夢中で基地を作っているとなんだかんだで、すぐ夕方になってしまう。

タダシ 「まおくーん!もう夕方になっちゃったね!帰ろうか?」

我 「そうだね!また明日にしようか!」

我とタダシは公園の雑木林から這い出た。するとそこに小室先生が女の人と歩いてきた。
我とタダシは何故かとっさに先生から見えないように隠れていた。
犬が言っていた通り、先生は女の人と腕を組んであるいていた。かなり親しそうだった。
女の人はうれしそうに先生にしなだれかかっている。

小室 「ほらほら、まだ学校の近くだから、自重して・・・ね。」

先生は女の人をたしなめている、女の人は残念そうに先生から離れた。

我は先生の婚約者が今の女の人なのか?と一応女の人の顔を覚えた。あまり校長に似てないなーと我は思った。
先生たちは公園の奥のほうへ歩いていってしまった。
我とタダシは顔を見合わせて、先生が見えなくなってから公園を二人で出た。

タダシ 「さっき、先生が女の人といたねー。誰だろ?」

我 「うーん。先生今度、結婚するらしいよ。その相手じゃない?」

タダシ 「そうなんだー!僕知らなかったー!まおくんなんでも知ってるんだねー。すごいや。」

我はタダシに褒められて照れてしまった。
この時、我たちが見た光景は重大な事が秘められていたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...