フェイサーガ

むねじゅ

文字の大きさ
6 / 10

第06話 謎の女

しおりを挟む
ジル
「誰か助けてーーーーー!」

その時、女の声がする。
「お前達!おやめっ!!」

奴らは怯えた感じで硬直し、振り上げた手を静かに下す。
ロッキは激痛で気絶してしまった。


「。。。。」
「気絶しただけみたいだな。。。」

女はジルに近づいた。
 女
 「お前、大丈夫か?」
ジル
「え…」
ジルは女の姿があまりにも美しいので見とれていた。
ジル
「あっはっはいっ…こっ腰が抜けて立てないです…」
 女
 「ふふっそうか…お前達っコイツら運んであげてっそっちの奴もっ」
 奴らA
 「…コク。」
 奴らB
 「……コク。」
 奴らD
 「おとこ…ころしていい…?」
 女
 「アッ?オマエ…殺されたいのか?」
 奴らD
 「…」

 不服そうにも奴らは、ロッキとジルを自分達の住んでいる洞窟に運ぶのであった。

女はロッキの折れた腕に枝を当てて自分の服で破った布で巻く。 
ロッキを見て女がつぶやく。
 「懐かしい感じ…」

ジル
「あっあの助けてくれてありがとうございます!」
 「ロッキに治療まで…」
 女
 「あぁ…」

ロッキが目を覚ます。
「う~ん…」
ジル
「ロッキ!よかった。。。」
ロッキ
「ここは…痛っ!!!」
ジル
「無理しちゃダメだよ!骨折れているんだから!」
ロッキは奴らが目に入り。怒りに震えた
 ロッキ
「この野郎ー!!!ぶっ殺してやるっ!!!」
ジル
「やめてロッキ!!」
 女
 「おい、無理するな。」
ロッキ
「なんだと!!!!。。。。えっ」
ロッキの前にいる女の顔が、なぜか母サイーダを思わせた。
ロッキ
「…母さん…?」
ジル
「えっ」
 女
 「アタシはフェイだ。母さんじゃない。」
ジル
「えっ!?」
ロッキ
「フェイ!?お前フェイって言うのか!?」
フェイ
「そうだ…それがどうした?」
ロッキ
「嘘をつくな!なんで俺の妹と同じ名前なんだよ!!!」
 女は少し考えたかと思うとこう口にした。

フェイ
「もしかしたら…たぶん私を生んだのがアンタの妹かもしれない…」
「分かるんだお前から懐かしい感じがする。」
ロッキ
「えっ!?なんだって!そんな馬鹿な!」
 「そんな・・・じゃあフェイはまだ生きてるのか!?」
フェイ
「アイツは死んだ…アタシを生んで…」
ロッキ
「嘘だぁああうああああああああああああ!!!!」
フェイ
「・・・」
ジル
「・・・」
ロッキ
「ごめんっゴメンよフェイ。。。助けられなかった兄を許しておくれ。。。」
ジル
「ロッキ。。。」
フェイ
「悲しむな人間。私はそのフェイの生まれ変わりみたいなものだ!」
ロッキ
「なっ何言ってんだっお前なんかフェイじゃないっ!!」

フェイ
「・・・」
ロッキ
「くっ…!こんな所にもう居たくない…行くぞジル!」
ジル
「でも。。。村に戻っても大丈夫なのかな?私?」
ロッキ
「あんな村はもうどうでもいい!村なんて出ていこう!
二人でどこか遠くへ行けばいい!!」

ジル
「そうだね…分かった…」
ロッキ
「お前らは約束を破った村人を皆殺しにするのか…?」

ジルは不安そうにフェイを見つめる。

フェイ
「まさか、こんな事になるなんて知らなかったんだ。スマン…」
「大丈夫だ…もう村にはアイツらに酷い事させないから。」

ロッキ
「ふん…信用できるもんか…」
フェイ
「アタシも随分嫌われたね…」
ジル
「ロッキ!フェイさんは私達助けてくれたんだよ?」
 「フェイちゃんの子供なんだよ?ロッキの家族なんだよ?」
ロッキ
「うるさい!うるさい!うるさい!こいつはフェイの仇なんだ!!!こんな奴家族なもんか気持ち悪い。」
 「コイツさえ生まれなければフェイは死ななかったんだ!!!!」
ジル
「ロッキの馬鹿ーーーーー!!!」
ジルは洞窟の外へ出ていってしまった。

ロッキは鋭い目つきで言う
「ジルが許しても俺は…絶対に許さない…」
フェイは真剣な目で答える。
「そうか…分かった…」
ロッキはジルの後を追って洞窟を出た。

フェイの目から、かすかに涙があふれていたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...