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第22話 解毒と石
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近道といったってまだまだ町まではかかるらしい、長い距離を徒歩で移動してるのだから当たり前だ。
昔の人は、東京から三重までお伊勢参りと言って歩いて旅をしていたそうだが、自分がそんな昔の人達と同じ経験ができるなんて思っても見なかった。
足腰が丈夫!素晴らしいことだ!と本当に思う。電車も車もない時代じゃ、それが一番重要なスキルだったのかもしれないと思いを馳せた。
実際セシルはものすごいしっかりとした足取りで地面を蹴り歩いている。しかも早足だ。自分自身だけが頼りだという証が歩き方ひとつにまで現れている。
セシル 「あれからけっこう歩いたけどさーもうすぐだと思うんだよなーさっきから、あたいそればっか言ってるかもな(笑)」
セシルがもうすぐだけど正確にはわからないのもしょうがない。だって俺がいた元の世界の様に道路や標識なんてものはないのだ。ただひたすらにこっちの方に行く、目印の岩や木や川などを頼りに歩くだけなのだ。目的地に着くだけでも尊敬できるのような状態だ。俺は焦らなくても大丈夫の意味を込めて光った。
セシル 「あっ!ちょっといいか?足がなんか変なんだ。ちょっと止まって確認してもいいか?」
俺はちょっと心配になった。早く見た方がいいという意味を込めて光った。
セシルは地面にある少し大きめの石に腰掛け足首の辺りを確かめている。確かに踝の辺りが腫れている、どうしたのだろうか?
セシル 「あっ!いてっ!なんかヤバイ虫かヒルにでも食われたかも?」
セシルは自分の荷物の中から軟膏のようなものを取り出し丹念に塗りこんだ。
セシル 「これで大丈夫だと思う!でも無理も良くないから少し休んでいいか?」
俺はセシルが心配なので、十分休もうという意味を込めて光った。
セシルはふうっと息を付きながら少し水を飲んだ。しかし、だんだん体が熱くなってきたような気がしてきた。俺はいつも胸元にいるが、いつもの温かさとは違うチリチリとした熱を感じる。大変だ、熱が出ているんだ。何か悪いものに刺されたり、咬まれたりしたのかもしれない。今度は大量の汗をかき始めている、俺の上を玉のような汗が流れ始めた。
セシル 「ヤベー。スピネルの爺さんに言われてたんだった。ここの草原に質の悪い虫がいると言っていたんだよ。すっかり忘れていた・・・」
セシルは息が荒くなって座っているのもやっとだった。俺はどうしていいのかわからずオロオロした、俺はそういった医療的な対処の仕方が全然わからないのだ。
しかしセシルはどんどん体調が悪くなっているようだ。あーなんて俺は役立たずなんだ!自分で自分にイライラするばかりだった。
セシル 「ヤベーけどなんかおまえのいる胸元だけ少し楽なような気がする。不安だからそう思うだけかな?でも一人だけじゃないだけ心強い気がする(笑)」
俺は焦った。セシルに何かしてあげたいけど、何もできない。話もできない。手当てもできない。本当に何もできないじゃないか!
俺は自分自身に怒りを感じた。
でも待てよ。今セシルが胸だけ楽だと言わなかったか?そうだ、俺の光でなんとかできるかも?そうだスキルがあった!スキルと思った瞬間に
回復☆
解毒☆
身体強化☆
浄化☆
伝心☆
アイテムボックス☆
と出てきた。
あっ!解毒があるじゃないか!そうだこれを念じながら、光れば効くのではないか?
俺は解毒を渾身の力を込めて光った。
すると
セシル 「あー。なんだか段々体が楽になってきたぞ。おまえが何かしてくれているのか?ありがとうな。」
とセシルは言って座っていた石から崩れるように落ち眠りに就いたように見えた。
俺は大丈夫なのかと心配でしょうがなかった。しかし、さきほどまで荒かった息が安らかに息をしているように感じたので疲労によって寝てしまったのだと思うしかなかった。
それから長時間セシルは眠りつづけた。起きないので俺が焦るくらいに・・・
俺のスキルはやはり飲み込まなくては効かないのか?と考えるようになった。しかし、口に入るすべがない。セシルは口を閉じているし、よしんば口が開いていたとしても俺は動けないので、口に入ることができない。暫くの間どうにかして口に入れるような方法はないものかと思案している間に夜が明けていた。
セシル 「うーん。お腹が空いて起きたー!」
と腰が抜けそうな理由でセシルが起きてきた。
あーよかった。俺の光が効いたんだーと安堵した。体内に入らなくても光を浴びればどうにかなるのだと思った。
昔の人は、東京から三重までお伊勢参りと言って歩いて旅をしていたそうだが、自分がそんな昔の人達と同じ経験ができるなんて思っても見なかった。
足腰が丈夫!素晴らしいことだ!と本当に思う。電車も車もない時代じゃ、それが一番重要なスキルだったのかもしれないと思いを馳せた。
実際セシルはものすごいしっかりとした足取りで地面を蹴り歩いている。しかも早足だ。自分自身だけが頼りだという証が歩き方ひとつにまで現れている。
セシル 「あれからけっこう歩いたけどさーもうすぐだと思うんだよなーさっきから、あたいそればっか言ってるかもな(笑)」
セシルがもうすぐだけど正確にはわからないのもしょうがない。だって俺がいた元の世界の様に道路や標識なんてものはないのだ。ただひたすらにこっちの方に行く、目印の岩や木や川などを頼りに歩くだけなのだ。目的地に着くだけでも尊敬できるのような状態だ。俺は焦らなくても大丈夫の意味を込めて光った。
セシル 「あっ!ちょっといいか?足がなんか変なんだ。ちょっと止まって確認してもいいか?」
俺はちょっと心配になった。早く見た方がいいという意味を込めて光った。
セシルは地面にある少し大きめの石に腰掛け足首の辺りを確かめている。確かに踝の辺りが腫れている、どうしたのだろうか?
セシル 「あっ!いてっ!なんかヤバイ虫かヒルにでも食われたかも?」
セシルは自分の荷物の中から軟膏のようなものを取り出し丹念に塗りこんだ。
セシル 「これで大丈夫だと思う!でも無理も良くないから少し休んでいいか?」
俺はセシルが心配なので、十分休もうという意味を込めて光った。
セシルはふうっと息を付きながら少し水を飲んだ。しかし、だんだん体が熱くなってきたような気がしてきた。俺はいつも胸元にいるが、いつもの温かさとは違うチリチリとした熱を感じる。大変だ、熱が出ているんだ。何か悪いものに刺されたり、咬まれたりしたのかもしれない。今度は大量の汗をかき始めている、俺の上を玉のような汗が流れ始めた。
セシル 「ヤベー。スピネルの爺さんに言われてたんだった。ここの草原に質の悪い虫がいると言っていたんだよ。すっかり忘れていた・・・」
セシルは息が荒くなって座っているのもやっとだった。俺はどうしていいのかわからずオロオロした、俺はそういった医療的な対処の仕方が全然わからないのだ。
しかしセシルはどんどん体調が悪くなっているようだ。あーなんて俺は役立たずなんだ!自分で自分にイライラするばかりだった。
セシル 「ヤベーけどなんかおまえのいる胸元だけ少し楽なような気がする。不安だからそう思うだけかな?でも一人だけじゃないだけ心強い気がする(笑)」
俺は焦った。セシルに何かしてあげたいけど、何もできない。話もできない。手当てもできない。本当に何もできないじゃないか!
俺は自分自身に怒りを感じた。
でも待てよ。今セシルが胸だけ楽だと言わなかったか?そうだ、俺の光でなんとかできるかも?そうだスキルがあった!スキルと思った瞬間に
回復☆
解毒☆
身体強化☆
浄化☆
伝心☆
アイテムボックス☆
と出てきた。
あっ!解毒があるじゃないか!そうだこれを念じながら、光れば効くのではないか?
俺は解毒を渾身の力を込めて光った。
すると
セシル 「あー。なんだか段々体が楽になってきたぞ。おまえが何かしてくれているのか?ありがとうな。」
とセシルは言って座っていた石から崩れるように落ち眠りに就いたように見えた。
俺は大丈夫なのかと心配でしょうがなかった。しかし、さきほどまで荒かった息が安らかに息をしているように感じたので疲労によって寝てしまったのだと思うしかなかった。
それから長時間セシルは眠りつづけた。起きないので俺が焦るくらいに・・・
俺のスキルはやはり飲み込まなくては効かないのか?と考えるようになった。しかし、口に入るすべがない。セシルは口を閉じているし、よしんば口が開いていたとしても俺は動けないので、口に入ることができない。暫くの間どうにかして口に入れるような方法はないものかと思案している間に夜が明けていた。
セシル 「うーん。お腹が空いて起きたー!」
と腰が抜けそうな理由でセシルが起きてきた。
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