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第25話 スリと石
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セシルの予感は的中した。俺は光ったことを後悔した。
さきほどから建物の影から怪しい黒っぽいフードを被った男がセシルの胸元を見ている。
セシルは気付いてないが、俺はそいつの狙いを定めるような殺気を感じた。
ちょうどセシルが奴のすぐそばを通りそうになった時、奴はセシルの胸元に手を伸ばしてきた。
俺はふざけるな!セシルの胸が目的か?それとも俺か?と思っていると、案の定俺をスル気だったらしい。
俺はなんとなく悪意を浄化するような思いを込めて少しだけ光った。
スリの男は俺に触れ、びくっとし顔を見ると泣きそうになっていた。
スリの男 「ぶつかってしまい申し訳ありません・・・もうしません。」
セシル 「あー大丈夫だよ!あたいは戦士だ!ちょっとぶつかったくらいじゃびくともしないよ!気にすんな。」
とセシルはスリの男を気遣った。セシルはスリの男に気が付いてなかったのだ。
そのあとセシルは男の大げさな態度に首を傾げていた。
俺はどうも悪いことを考えている奴を浄化できるらしい。良い事をしたと自画自賛した。
スリの男は変な顔をしながら遠くに走って逃げた。
セシル 「さっきの男どうしちゃんだろうな?あたいの美貌にビビった?(笑)ガハハ。」
セシルはのんきに笑っていた。その、のんきさはかわいさと危うさを同時に俺は感じるのであった。
しかし、セシルの明るく前向きな考え方は俺も見習わないといけないなと思った。
セシル 「ほら、あそこがスピネル宝石店だよ!」
俺はやっと宝石店に着いたのだと感動した。
マリーとアリシアと離れてからどのくらいの時間がたったのだろうか?1週間?2週間?なんだかわからない。カレンダーも携帯もないのでどれだけ時間が過ぎたのかわからないのだ。
でも色々なことを乗り越え、色々な体験をしてなんだか自分が少し成長したのではないかと思ってしまう。
まだまだ未熟な俺だが、元の世界での俺にしたら、何倍いも人のために動いている気がする。元の世界でも何か人のためにと考えて行動すればよかったと後悔した。
カラン、コロン。宝石店のドアをセシルが開ける。
幸いお店にお客さんはいなかった。
セシル 「爺さん久しぶり!元気にしてた?金払いに来たよ!」
スピネル爺さんはセシルを見ると満面の笑みになり、セシルに「よう来たな!」と言った。
俺は爺さんの顔を見て、自分の孫が遊びに来てうれしいなという顔をしていると思った。
セシル 「これと、これで支払い大丈夫かな?あとこの石買い取ってー。」
スピネル 「これで大丈夫じゃ。この石かどれどれ。そうじゃなーこのくらいではどうじゃ?」
セシル 「こんなにいいの?!いつもありがとうね。助かるよ。」
スピネル 「いいんじゃ、いいんじゃ。これでうまいものを食べるんじゃよ。」
なんだか俺は爺さんと孫の、ほのぼの劇場を見ているようで気持ちがほっこりした。
セシル 「あとなー。相談したいことがあるんだ。時間ある?」
スピネル
「なんじゃ?かしこまって。今日は大きい商談は終わったし、客はたぶんこないと思うぞ。あーさきほど、変な客が来てのー。黒いフードを被った男なんじゃが、なんだかそわそわしておって、震えた声でお金はいらないから、これを引き取ってくれと言って小さな石とか貴金属を置いていったんじゃ。変な男じゃったよ。しかしじゃ、なんだか見覚えのあるものなじゃーと良く見るとここ何週間かで店からなくなったものなんじゃー。あの男は盗んだものを返しにきたのかのー?憲兵に通報しようかとも思ったんじゃが、返してくれたのだから見逃してやろうかのー。勇気を出して持ってきたことじゃし。あまり高価なものでもなかったしの。」
俺は思った。さっきのスリ男だ!もしかして本当に改心したのか?盗んだものを返して回る気なのか?あの男がこれから真面目に生きるといいなーと心から思った。
セシル 「そうなんだ!泥棒されていたなんて大変だな!でも戻ってきたならいいか!でも、あたいならゲンコツくらわすくらいやってたかもなーガハハ。」
セシルは笑っている。セシルーさっき俺を取られそうになってたんだよーその男に・・・
さきほどから建物の影から怪しい黒っぽいフードを被った男がセシルの胸元を見ている。
セシルは気付いてないが、俺はそいつの狙いを定めるような殺気を感じた。
ちょうどセシルが奴のすぐそばを通りそうになった時、奴はセシルの胸元に手を伸ばしてきた。
俺はふざけるな!セシルの胸が目的か?それとも俺か?と思っていると、案の定俺をスル気だったらしい。
俺はなんとなく悪意を浄化するような思いを込めて少しだけ光った。
スリの男は俺に触れ、びくっとし顔を見ると泣きそうになっていた。
スリの男 「ぶつかってしまい申し訳ありません・・・もうしません。」
セシル 「あー大丈夫だよ!あたいは戦士だ!ちょっとぶつかったくらいじゃびくともしないよ!気にすんな。」
とセシルはスリの男を気遣った。セシルはスリの男に気が付いてなかったのだ。
そのあとセシルは男の大げさな態度に首を傾げていた。
俺はどうも悪いことを考えている奴を浄化できるらしい。良い事をしたと自画自賛した。
スリの男は変な顔をしながら遠くに走って逃げた。
セシル 「さっきの男どうしちゃんだろうな?あたいの美貌にビビった?(笑)ガハハ。」
セシルはのんきに笑っていた。その、のんきさはかわいさと危うさを同時に俺は感じるのであった。
しかし、セシルの明るく前向きな考え方は俺も見習わないといけないなと思った。
セシル 「ほら、あそこがスピネル宝石店だよ!」
俺はやっと宝石店に着いたのだと感動した。
マリーとアリシアと離れてからどのくらいの時間がたったのだろうか?1週間?2週間?なんだかわからない。カレンダーも携帯もないのでどれだけ時間が過ぎたのかわからないのだ。
でも色々なことを乗り越え、色々な体験をしてなんだか自分が少し成長したのではないかと思ってしまう。
まだまだ未熟な俺だが、元の世界での俺にしたら、何倍いも人のために動いている気がする。元の世界でも何か人のためにと考えて行動すればよかったと後悔した。
カラン、コロン。宝石店のドアをセシルが開ける。
幸いお店にお客さんはいなかった。
セシル 「爺さん久しぶり!元気にしてた?金払いに来たよ!」
スピネル爺さんはセシルを見ると満面の笑みになり、セシルに「よう来たな!」と言った。
俺は爺さんの顔を見て、自分の孫が遊びに来てうれしいなという顔をしていると思った。
セシル 「これと、これで支払い大丈夫かな?あとこの石買い取ってー。」
スピネル 「これで大丈夫じゃ。この石かどれどれ。そうじゃなーこのくらいではどうじゃ?」
セシル 「こんなにいいの?!いつもありがとうね。助かるよ。」
スピネル 「いいんじゃ、いいんじゃ。これでうまいものを食べるんじゃよ。」
なんだか俺は爺さんと孫の、ほのぼの劇場を見ているようで気持ちがほっこりした。
セシル 「あとなー。相談したいことがあるんだ。時間ある?」
スピネル
「なんじゃ?かしこまって。今日は大きい商談は終わったし、客はたぶんこないと思うぞ。あーさきほど、変な客が来てのー。黒いフードを被った男なんじゃが、なんだかそわそわしておって、震えた声でお金はいらないから、これを引き取ってくれと言って小さな石とか貴金属を置いていったんじゃ。変な男じゃったよ。しかしじゃ、なんだか見覚えのあるものなじゃーと良く見るとここ何週間かで店からなくなったものなんじゃー。あの男は盗んだものを返しにきたのかのー?憲兵に通報しようかとも思ったんじゃが、返してくれたのだから見逃してやろうかのー。勇気を出して持ってきたことじゃし。あまり高価なものでもなかったしの。」
俺は思った。さっきのスリ男だ!もしかして本当に改心したのか?盗んだものを返して回る気なのか?あの男がこれから真面目に生きるといいなーと心から思った。
セシル 「そうなんだ!泥棒されていたなんて大変だな!でも戻ってきたならいいか!でも、あたいならゲンコツくらわすくらいやってたかもなーガハハ。」
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