転生したら石でした!

むねじゅ

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第27話 石と質問

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カーテンを閉め切った部屋でロウソクの火がゆらゆらとれている。
なんだか三人が集中しすぎて空気が重たいような気になる。

スピネル 
「あーダメじゃ。爺は少し疲れてしもうた。色々なことが起きすぎて頭を整理したいのー。そうじゃ。お茶の時間にしようかのー休憩きゅうけいじゃ。昨日、老舗しにせのおいしい菓子を買ってのーお茶とものすごく合うんじゃ。どうじゃセシル。」

セシル 「うまそー!いただきまーす!」

スピネル 「ふぉふぉふぉ。食べ物に目がないのー。」

爺さんは奥に引っ込んでしまった。たぶんお茶の用意をしているようだ。
戻ってきた爺さんはお茶の良い香りをただよわせて、菓子からは甘く優しい香りがしている。

セシル 「おいしそう!全部食べてもいいの?」

スピネル 「遠慮えんりょしないで、沢山お食べ。」

セシルの皿には大量のケーキやらクッキーやらが山盛りに乗っている。セシルはうれしそうに色々な菓子をほおばり始めた。

スピネル 「ゆっくりお食べ、菓子は逃げはせんぞ。ふぉふぉふぉ。」

爺さんはセシルの口の周りについた菓子をハンカチで取ってやっている。セシルは爺さんといると子供に戻ってしまうようだ。そんなセシルももちろんかわいいが。
二人は本当の家族ではないけれど、お互いになくてはならない存在なのだと思った。きっとセシルは家族を亡くしているので、家族のような存在はとても貴重きちょうで大事にしなければいけないとわかっているのだ。俺は元の世界に残してきた家族のことを思い出した。俺は本当に薄情はくじょうだ。今頃両親はどうしているだろう?俺の事心配してるかな?元の世界で俺は死んだのかな?どちらにしても親不孝おやふこうものだなと落ち込んだ。でも、今両親に何もしてあげられない。俺が落ち込んでもしょうがない、今は前向きに俺自身をどうにかする事を考えようと自分に言い聞かせた。

そうこうしている内に二人の休憩は終わったようだ。
セシルはしたたかにゲップをしている。完全に食べすぎだ。そんなセシルを見て少し気分が明るくなった。

スピネル 「セシルの話によると男性で人間のようじゃが、名前とかあるのかのー?」

俺はYESの意味を込めて光った。うー俺の名前を覚えてもらいたい!今は石だもんなー。でも伝えるすべがない・・・

スピネル 「そうなのじゃなー。おっ!わし、いいものをもっているんじゃ!待ってておくれ。」

爺さんは奥に走っていった。走っている!ひざの痛み本当に治ったのかも?と思っていると
なんだか少し大きい装飾そうしょくのある板を持ってきた。

スピネル 「これを見ておくれ。これはウィジャボードと言って交霊術こうれいじゅつなどにつかう板なんじゃ!ここにアルファベットと数字が書いてあるじゃろ?」

爺さんの持ってきた板にはYESとNO、アルファベット、数字の順に装飾文字で書かれている。
女子が好きそうなきれいな板だ。交霊術と言っていたな?もしかして俺の知っているこっくりさんみたいなものかな?

スピネル 
「これはな霊に聞きたいことを答えてもらう様につくられたもので、この付属ふぞくのパーツを霊に動かしてもらって答えを聞くんじゃが、今回はわしが指をさすから光って教えてくれんかのー?早速名前を教えてもらうとするかね?」

俺はおー!と思った爺さんは大変かも知れないがこれで自分の名前を覚えてもらえるー!と喜びでいっぱいになった!

スピネル「じゃーここからいくぞよー。」

爺さんがアルファベットを順番に指し示す。俺はなんて答えるか少し考えた。いしだ、ようへい、よっくん、うーん。いしだは石とあんまかわりないし、フルネームだと爺さんが大変だし、あだな風だと本名じゃないからややこしいかな?やはり、ようへいがいいな!と俺は心に決めた。
ボードを使った会話はけっこう大変でY・O・U・H・E・I と伝えるだけでもかなり時間がかかった。でも名前は覚えてもらえた。
二人とも大変そうだった。爺さんがアルファベットを指で指し、その答えをセシルが紙に書きうつすといった手順で行われる。
そのおかげで、俺は初めてセシルに名前を呼んでもらえた。

セシル 「ようへい!ようへいって言うんだな!いい!石って呼んでたけどこっちのほうがいいよ!ようへい!」

セシルに名前を呼んでもらえて本当にうれしかった。うれしすぎてふるえた。そして光った。

スピネル 「あーもうこんな時間じゃー。夜になってしもうた。今日はこのぐらいにするかのー。もう遅いからセシルとようへいくんはとまっていきなされ。食事も用意するでな。」

爺さんは店じまいの支度したくを始めた。セシルもそれを手伝っている。

セシル 「泊めてくれて、ありがとう!でも明日は店大丈夫なの?」

スピネル 「大丈夫じゃ。明日は定休日なんでのー。ようへいくんに質問し放題ほうだいじゃ!」

そう言って二人は楽しそうに笑った。

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