転生したら石でした!

むねじゅ

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第30話 会話と石

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セシルらしい答えだ。きっと俺に助けられたから俺に対して危機感ききかんがないのだ。
俺を飲んでどんな影響えいきょうがあるかきっと考えていない・・・おれは危険きけんだと思った。

セシル 「万事ばんじオッケーじゃねーか!」

スピネル 「ようへいくん、本当に飲んで大丈夫なのかの?けっこう大きい石じゃし・・・」

爺さんは冷静れいせいだ。あとセシルの事を大事に思っているので、危険な事はさせたくないのだ。
俺は自分でもわからないと答えた。

スピネル 
「ようへいくんでもわからないのに危険じゃないかのーセシル。ようへいくんの成分せいぶんもわからないし、鉱物こうぶつにも危険な成分や毒になるものもいっぱいあるんじゃ!わしは石の研究をしてきたので見た目にはきれいでも、毒のある鉱物を沢山たくさん見てきた。さわっただけで病気になるもの、最悪さいあく場合ばあい、死にいたることもあるじゃよ・・・」

セシル 「えー!そうなのか?でもよーマリーはきずなおったし、前より元気になったっていってたよー!それでもダメ?」

スピネル 「そうじゃなー。鉱物は怖いものもあるんじゃ。セシルの言っているマリーちゃんのことも、まぐれかもしれんしの。」

爺さんの言っている事はもっともだ。俺は石に毒があるものがあるなんて知らなかった・・・今更いまさらマリーが心配になってきた、マリー体は大丈夫かな?俺を飲んで変な事になったりしてないかな?ものすごく不安になった。

セシル 「ようへいは大丈夫だよ!あたいを治してくれたし、あたいを元気にしてくれるんだ!あたいはようへいを飲むぞ!!!」

セシルはなんだか意地いじっているように見えた。俺の事を信頼しんらいしてくれるのはうれしいが俺自身、不安だらけなのに賛成さんせいできるわけがない。

スピネル 
「セシルの意思いしは石のようにかたい・・・駄洒落だじゃれじゃないぞよ。それではこうしよう。わしの息子むすこが王宮で石の研究をしておるんじゃが、そこでようへいくんを毒の検査けんさけよう!そうすれば、体に悪いかどうかがわかるしのーここの設備せつびじゃ検査はできないんじゃ。どうかのセシル。」

セシル 「検査ってけずったりしないよな?」

スピネル 「大丈夫じゃ。試薬しやくを少しらしたりするだけじゃ。あとは、そうじゃ!ついでに色々と成分の分析ぶんせきもしてみようかの!ようへいくん!痛くないし大丈夫じゃよ!」

俺は削ると言われてぞっとしたが、痛くないのならいいか。と思った。自分でもなんの石か知りたかったし一石二鳥いっせきにちょうだ!
爺さんの顔を見ると、研究者魂けんきゅうしゃだましいに火が付いたのか目をギラギラさせて俺を見てくる。なんだかモルモットになった気分だ・・・

スピネル 「そしたら、ぜんいそげじゃ!息子に連絡れんらくを取ってみるからのー待ってておくれ。そうそう、こちらばかり質問してばかりじゃった。ようへいくは何かないかのー?」

俺はすっかり忘れていた!爺さんに宝石やら金属きんぞくやら買い取って欲しかったのだ!
俺はある!の意味を込めて光った。

スピネル 「なにかのー?んーふむふむ石を買い取って欲しい?自分を売ってしまうのかの?!!!」

俺は爺さんが誤解ごかいしているのでとりあえずアイテムリストの一番上にあるルビーのかたまりを出す事にした。
ドンッ!!!という音とともにバカでかいとおったルビーがテーブルにあらわれた。

スピネル 
「ひぇっ!!!なんじゃ?どこから現れたんじゃ!!!しかもこんな素晴すばらしくきれいで、この大きさ!わしでも初めて見る石じゃ!たぶんルビーかの?これを買い取って欲しいとなー!!!物凄ものすごいお宝じゃ!わしの店で買取きれるかのー?そうじゃこれも王宮で買い取ってもらうとしよう!このルビーなら王宮でものどから手が出るくらい欲しがるじゃろうしなーふぉふぉふぉ。」

爺さんが買い取れないくらいの価値かちがあるものなのかー。すげー物を拾ったなー!ラッキー!あっ、でも俺のアイテムボックスの中で大きくなったものだけど大丈夫かな?まぁいいかそこそこの金になればセシルに馬を買ってあげるだろうし。

スピネル 「ようへいくんは色々出せるようじゃのー。不思議な石じゃのー。爺は度肝どぎもかれてばかりじゃ。ふぉふぉふぉ」

セシル 「この間、買い取って欲しいっていってたの、この宝石かよ!すげーものもってんじゃん!やっぱ世界一の石だな!!!!」

そう言って二人はしばらく笑っていた。

スピネル 「そうじゃ!息子に連絡しないといけないのー。」

爺さんは執事しつじに何やらゴニョゴニョ話すと、執事は見たこともないきれいな青い鳥が入ったかごを持ってきた。
爺さんはサラサラときれいな紙に文字を書き、鳥の足にあるつつにその紙を入れた。
俺は伝書鳩でんしょばとを思い出した。きっとこの青い鳥がはこんでくれるのだ。
爺さんはまどから鳥をはなした。

スピネル 「今放ったから小一時間こいちじかんぐらいでもどってくるじゃろ。それまで昼食にするとしようかの。」

俺たちは昼食の時間をごした、あんじょうセシルは昼飯をがっついている。それを爺さんが満足そうにながめながら食事をしている。
まぁ、当り前か物凄ものすごいご馳走ちそうだもんな!俺も食えたらセシルのようにがっついてるな!

スピネル 「そろそろ鳥が戻ってくるころじゃ。はてこまったのー。この素晴らしいルビーどうやって運ぶかのー?」

俺はルビーをアイテムボックスに入れた。

スピネル 「ひょえ!ようへいくんはすごいのー!魔法使まほうつかいのようじゃ。ふぉふぉふぉ」

なんだか段々だんだん俺は石であることに、スキルがあることに、れてきたようだった。
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