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第38話 王様の関心
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セシルは王様の後をついて行く。俺は長い廊下の先に何が起こるのかを心配していた。
王様はセシルを部屋に案内して、執事にお茶の用意をさせている。いわゆるアフタヌーンティーというやつらしい。
部屋にはベッドもないし、とりあえずセシルを今すぐ襲うわけでもないらしい。
王様クリス 「セシル嬢、お茶の味はいかがかな?」
セシル 「陛下、大変おいしゅうございます!」
とセシルは微笑んだ。セシルもこんな風にしゃべれるんだーと変に関心した。いつもの男言葉とは全然ちがう。俺はセシルがピンチだというのに場違いな感心をした。
王様クリス 「ところで、セシル嬢。その素晴らしいネックレスはどうしたんだ?」
あっ!俺のこと聞いてるー!やっぱりセシルじゃなくて俺か!
セシル 「スピネル様に仕立ててもらったもので、スピネル様ご本人のお手製なんですの。」
王様クリス 「そうか!スピネルが。あやつも器用だな。その石は?」
セシル 「この石はある方から、預かったものでして、大事にさせていただいてますの。」
王様クリス 「ほう!美しい石だ。余に触らせてもらえないだろうか?」
セシルは外して見せろと言われたと思って身構えながら言った。
セシル 「申し訳ございません!このネックレスを外すと災いが起こるそうで、私自身はお守りになるのだけれど、決して外さぬようにとスピネル様に言いつけられているのでございます。」
セシル嘘が上手だぞ!!!俺はセシルを応援した。
王様クリス 「そうか残念だ。では余が近くに寄って観察したり、触ったりは?」
セシルは上手い嘘が思いつかなくなったのか、王様の懇願に根負けした。たぶん触るくらいならいいか。と思ったのかもしれない。
セシル 「はい。ぜひ!この石は癒しの効果もございますのよ。」
とセシルが言うと王様はセシルに近づいてきた。王様は俺をじっと観察している。ぐぬぬ!やはりイケメン!俺は惨敗した気分になった。
王様クリス 「では、セシル嬢。失礼して触らせていただくよ。」
俺は触ってみやがれこんちきしょー!と思った。
王様はビクッとして手を引っ込めた。
王様クリス 「いっ今、セシル嬢は何か言ったか?」
セシル 「いいえ。何も?どうかなさいましたか?」
王様クリス 「そうよな・・・そうだ。男の声だったし・・・」
王様はゴニョゴニョ言っている。俺もびっくりした。王様が俺に触った時、伝心が出来た気がしたのだ。
えっ?俺を飲み込まなくても伝心が出来る奴なんているの?と頭が混乱した。
王様クリス 「余がいきなり触ったので。石が怒ってしまったのかもしれんな。ハハハっ。セシル嬢の守り神ゆえ。」
セシルは怪訝な顔をした。何が起きているかわからないからだ。
その後、二人は辺りさわりのない会話を楽しんでお茶会はお開きになった。
王様クリス「今日は大変よい時間を過ごせた。礼を言う。余もたまに話相手が欲しいのだ。また茶会に誘ってもいいか?」
セシル 「はい!私も楽しゅうございました。ぜひ!」
セシルは断れるはずもなく了承した。話してる最中もずっとセシルではなく俺を見ていた。やはり俺に興味があるのだろう・・・
王様クリス 「では、余は政務に戻るとするか」
セシル 「陛下ごきげんよう!」
とセシルは王様を見送った後、いつものセシルに戻って誰もいないのを確かめると
セシル 「あー疲れたー!お嬢さんのふり半端ねー!早く爺さんのところに戻るぞ!ようへい大丈夫か?さっき王様に触られたじゃん?」
俺は光らなかった。
セシル 「何かあった?」
俺はYESの意味を込めて光った。
セシル 「何!何!あー板がないから、詳しいことが聞けないーあとで、店に着いたら教えてくれよな!」
そう言って王宮の長い廊下をセシルはドレスの裾を引きずりながら、爺さんの元へと走るのであった。
王様はセシルを部屋に案内して、執事にお茶の用意をさせている。いわゆるアフタヌーンティーというやつらしい。
部屋にはベッドもないし、とりあえずセシルを今すぐ襲うわけでもないらしい。
王様クリス 「セシル嬢、お茶の味はいかがかな?」
セシル 「陛下、大変おいしゅうございます!」
とセシルは微笑んだ。セシルもこんな風にしゃべれるんだーと変に関心した。いつもの男言葉とは全然ちがう。俺はセシルがピンチだというのに場違いな感心をした。
王様クリス 「ところで、セシル嬢。その素晴らしいネックレスはどうしたんだ?」
あっ!俺のこと聞いてるー!やっぱりセシルじゃなくて俺か!
セシル 「スピネル様に仕立ててもらったもので、スピネル様ご本人のお手製なんですの。」
王様クリス 「そうか!スピネルが。あやつも器用だな。その石は?」
セシル 「この石はある方から、預かったものでして、大事にさせていただいてますの。」
王様クリス 「ほう!美しい石だ。余に触らせてもらえないだろうか?」
セシルは外して見せろと言われたと思って身構えながら言った。
セシル 「申し訳ございません!このネックレスを外すと災いが起こるそうで、私自身はお守りになるのだけれど、決して外さぬようにとスピネル様に言いつけられているのでございます。」
セシル嘘が上手だぞ!!!俺はセシルを応援した。
王様クリス 「そうか残念だ。では余が近くに寄って観察したり、触ったりは?」
セシルは上手い嘘が思いつかなくなったのか、王様の懇願に根負けした。たぶん触るくらいならいいか。と思ったのかもしれない。
セシル 「はい。ぜひ!この石は癒しの効果もございますのよ。」
とセシルが言うと王様はセシルに近づいてきた。王様は俺をじっと観察している。ぐぬぬ!やはりイケメン!俺は惨敗した気分になった。
王様クリス 「では、セシル嬢。失礼して触らせていただくよ。」
俺は触ってみやがれこんちきしょー!と思った。
王様はビクッとして手を引っ込めた。
王様クリス 「いっ今、セシル嬢は何か言ったか?」
セシル 「いいえ。何も?どうかなさいましたか?」
王様クリス 「そうよな・・・そうだ。男の声だったし・・・」
王様はゴニョゴニョ言っている。俺もびっくりした。王様が俺に触った時、伝心が出来た気がしたのだ。
えっ?俺を飲み込まなくても伝心が出来る奴なんているの?と頭が混乱した。
王様クリス 「余がいきなり触ったので。石が怒ってしまったのかもしれんな。ハハハっ。セシル嬢の守り神ゆえ。」
セシルは怪訝な顔をした。何が起きているかわからないからだ。
その後、二人は辺りさわりのない会話を楽しんでお茶会はお開きになった。
王様クリス「今日は大変よい時間を過ごせた。礼を言う。余もたまに話相手が欲しいのだ。また茶会に誘ってもいいか?」
セシル 「はい!私も楽しゅうございました。ぜひ!」
セシルは断れるはずもなく了承した。話してる最中もずっとセシルではなく俺を見ていた。やはり俺に興味があるのだろう・・・
王様クリス 「では、余は政務に戻るとするか」
セシル 「陛下ごきげんよう!」
とセシルは王様を見送った後、いつものセシルに戻って誰もいないのを確かめると
セシル 「あー疲れたー!お嬢さんのふり半端ねー!早く爺さんのところに戻るぞ!ようへい大丈夫か?さっき王様に触られたじゃん?」
俺は光らなかった。
セシル 「何かあった?」
俺はYESの意味を込めて光った。
セシル 「何!何!あー板がないから、詳しいことが聞けないーあとで、店に着いたら教えてくれよな!」
そう言って王宮の長い廊下をセシルはドレスの裾を引きずりながら、爺さんの元へと走るのであった。
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