戦人学園

ゆうむ

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消え逝く命~3

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「くそっ、ほとんど体が動かない。おいメル起きろ」

「……うぅ、……何よクリス、頭がぼ~~とするって、何よこの叫びは、うるさっ!」

「--!!、よし起きたかメル。いいかよく聞け……」

 激しい咆哮の中、メルはクリスの背中で隣にいたモー君の毛をむしり取ると、すばやく耳に詰め込み、ナナのポケットからあのマナ薬を取り出し一気に飲み干した。

 瞬く間に自分の体が熱を持つのを感じた。

 すぐさま、全快したであろう魔力(精神力)をすべてつぎ込み、全員の麻痺の解除を試みた。

 彼女は記憶の奥深くから、このような魔法・特殊能力の解除方法か対処方法を考えていた。

 そして現在の自分に出来ることを脳内PCをフル回転し導き出した。

「親愛なる女神、その使徒メルの名の下、我等の……聖なる息吹(ゴッドブレス)」




 聖なる息吹、神聖魔法の高位ランク、対象1人~魔力次第で変動。

 状態(毒・麻痺)を回復させる、現在の使用者の最大魔力をすべて使い切る(魔力が最大でない場合発動確立は激減する)

 熟練者が使えばほとんどの状態を回復させることが出来るが、恐ろしいほど精神に負担がかかる為1ヶ月に1回の使用制限(失敗しても同じ)がかけられている。




 これはこの場全員の命がかかった、とても大きな賭けであった。

 特殊能力を喰らった者に耳栓をしても、すぐに効果は期待できない。自分自身は気を失っていたので助かったが、彼女の今の能力では立ち向かっても勝ち目はない。

 アテネが唱えれば成功するであろうが、現在完全魔力切れでダウン中。

 強力な魔法を使えば倒せるかもしれない、しかしこの場にいる教官達は全員戦士系、使えても初級魔法のみなので対処は期待できない、自分自身も神官なので強力な攻撃魔法は使えない、よってこの案は不可。

 結果、これまでの平和な状況で、能力にかなりの制限を受けているが、国で最強と呼ばれるウル教官の麻痺を回復しないと全滅は必須。

 彼女自身契約はなんとか成功させたが、過去1度も唱えたことのない魔法(契約時、魔力総量が足りていなかった)にかけたのであった。

 

 メルの母は高位神官である、そのずばぬけて高い能力引き継いだ彼女。

 しかし自分自身、この魔法の成功確率は2割以下であろうことはわかっていた。 しかも疲弊した今、さらに成功する確立は低くなっている。

(くっ、こんなことなら、寮でも真面目にお祈りしてればよかった)

 中等部までは自宅からの通学であった為、本当に真面目……だったかどうかは不明だが、外観ではそうやっていたらしい。

 しかし彼女の本質は、弱者が傷つくのは許せない性格なのである。

 無謀とわかっていても、立ち向かう本当の強さを彼女はもっていた。

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