戦人学園

ゆうむ

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消え逝く命~2

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「はぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー剣術スキル発動、学園剣技・弐型の太刀・炎舞斬ーーーーーー」

 教官の気合の一撃を受け、最後の小型闇喰いの霧のような体が激しい炎に包まれ燃え尽きた。

 無謀な生徒達をかばい、一番の大怪我であった教官の傷も、ようやく塞ぐことが出来たメルとアテネであったが、強力な魔法をかけ続けた代償として気を失っていた。




 そこに追いついたウルが合流した。

「よし、残された生徒が居ないか確認しつつ学園に戻るぞ。皆ーーーー、私だ、ーーッ、何だと今行くなんとか持たせてくれ」

 言いかけたウルに、最悪の連絡が入ったのであった。

 逃げ遅れた生徒達のほとんどは、教官達と援軍のガードによって結界内の門へ逃げおおすことが出来た。

 しかし先ほどメル達と分かれた、魔力切れの保険医を連れた最後の集団のすぐ後方から、4本腕の3,5Mほどの熊型闇喰いが今まさに出現しようとしていた。

 しかし救世主が現れた、学園よりやってきたガードと教官達であった。

「お前達、立ち止まらずに駆け抜けろ」

 保険医と生徒達がガードの足元を駆け抜けていく、教官達がガードの肩から飛び降り武器を構える。

 巨大ゴーレムのガードを含めた、これだけの戦力なら問題なく対処出来るであろうと、その場の教官達は考えていた。




 戦闘開始よりーー1分後。

 闇喰いは巨大なゴーレムの出現に警戒したのか、襲い掛かっては来ない、不気味な目でじっと彼を見つめているだけであった。

 緊張感が周囲にも伝わっていた、教官達も相手の動きを警戒していた。

 そしてそれは一瞬の出来事であった、闇喰いは目を見開くとガードに向かって爪を出し突進してきた。

 教官達はすばやく左右に分かれ闇喰いを完全に取り囲む。

 自分の半分ほどの、自分からすれば子供サイズである熊型の爪を、その左手でなんなく防御したアイアンゴーレムのガード。

「--ッ、何、まっ、まさか特殊能力なのか」

 防御したはずの左手が、肘から先がウルの剣と同じように黒く腐食し瞬く間に崩れ落ちた。

 これで最大の戦力であったガードを、戦力に加えることが出来なくなったのである。彼の攻撃は頑丈な金属の体を生かした肉弾戦(武器は持たない)がメインなのである。

 しかも特殊能力は持っているものの、かなり強力なので現在封じられ使用不可能。

 さらに非常に最悪の状況がそこにあったのである、4本腕の熊形には背中側の腹にもうひとつ巨大な口があり、その鋭い牙の間から血まみれの生徒の片腕が出ていた。




ウルに連絡した教官、その内心は皆焦っていた。血まみれの生徒を救出する方法を、そしてこの絶望的な状況を打開する手段を。

 運の悪いことに、本日この実戦に参加していた教官は、メインで剣や槍を使う者ばかりを集めて組まれていた。

 金属武器が使えない以上、頼れるのは木刀などの模造品。しかしそれではまったく対抗することが出来ない現実。

 なんの対抗手段も思いつかない中、時間ばかりが過ぎてゆく。

 前面に近くの残った右手で巨木をへし折り、簡易武器として敵の気を自分に引き付けるガード。

 そこに背中側の口元に飛び込み、生徒を救出しようと試みるが4本の腕は背後の教官の動きを軽く封じていた。




 さらに焦るばかりの教官達。

 そこにウルと残りの教官達が駆け込んできた、その後方には気を失ったメルとアテネを背負いながら走る皆の姿も確認できた。 

 その援軍到着に、チャンスとばかりに背後側にいた1人の教官が。彼は低い姿勢で敵の足元へ飛び込んだのであった。

 熊型はその巨体ゆえ足元が弱いとふんだのである、逆に自分の下段攻撃に注意を引き付ければ、ウルや他の教官が生徒を救ってくれると。




「ーーーーーーッ、!!」 

 飛び込んだ彼、そしてその意を瞬時に察し、救出へ飛び出した教官達も己の目を疑った。

 熊型の体がまるで風船のように大きく膨れ上がり、さらに巨大になるつつある体の前後の口から叫び声にも似た獣の咆哮が発せられた。

 周囲の木々に反響してもなお、まったく小さくならない咆哮は、特殊効果でも付いているかのように、その場に居るすべての者達の体の自由を奪ったのであった。

 自由を奪われた教官達、すでに倍以上のサイズになった熊型がゆっくりと反転する。

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