11 / 43
消え逝く命~1
しおりを挟む
ウルが突撃を開始したころ。
数人の教官に先導された20人ほどの生徒達が、結界のある学園の門内へ飛び込んでいた。
先導していた教官達は1人の教官に後をまかせると、闇喰い出現の緊急連絡を受け、すでにこの裏門へと移動してきていたガードとともに元来た道を戻るのであった。
「教官方、私の肩に」
教官達が肩に飛び乗ったのを確認すると、彼はその長いスライドの歩幅で瞬く間に残りの生徒達のいる場所へと向かうのであった。
彼の身体より遥かに高い木々がものすごい速さで左右に流れていく。
流石に7Mの巨体、走ると一歩一歩の距離が半端ではなかった。
通常自分の意思のないゴーレムは巨体で力は非常に強いが、その動きはとても遅く、当然走ることなどは出来ない、だが彼は巨体に似合わず敏捷であった。
普通の人体で考えると、2、5Mを超えるとその体重と不安定なバランスゆえ、歩行自体が苦労するはずなのだが、やはり彼は特殊・特別なのがわかる。
同じ頃、街道のメル達5人組みはーー
突如出現した闇喰いと戦う教官達の指示を受け、怪我人と治療の為移動することの出来ないアテネ達保険医を守っていた。
「ーーくっ、ごめんそっちに一匹行った」
「わかった、私とクリスが対処する」
実戦直後のあの平手打ちを受ける前とは、まるで別人のような連携で皆を守っている5人。
まるで弱点を突くかのように、治療中の保険医や怪我人ばかりを狙い、突進してくる闇喰い達。
「おっと、ここから先はいかせないぞ、--くっ、ナナ頼む」
「ん、まかせて」
闇喰いの突進を丈夫なアイアンナックルで受け止めるクリス、そこをナナが弓で攻撃していく。
しかしいずれも少しひるませる程度で、致命傷を与えることは出来ないでいた。
彼女達は完全に守備に徹し、怯ませる以外の攻撃はすべて教官に任せている。
止血治療を終えたものを、数が減ったことで多少パニックから回復した生徒達が、数人で担いで移動させていく。
これでどうやら残っている敵は、この場の7人の教官が戦っている3体と、遥か後方でウルが戦っている1体で最後のようである。
最後尾から逃げてきた最後の生徒が、幾度もマナ薬で回復しながら怪我人の治療を終え、完全に魔力がなくなりダウンした保険医を担いで走り去っていく。
「アテネ先生、その教官の治療で最後のようです。脇腹のかなり深い傷の治療、私も手伝います……慈愛の女神よこの心正しき行いの……女神の癒し手(ヒーリングオブゴッデス)」
名称発動魔法では対処しきれないであろうと、すぐに判断した彼女は高速詠唱に切り替えた。
するとメルの右手から眩い光が発する、深い傷がゆっくりではあるがふさがり始めていた。
1人最後尾で戦っていたウル教官は、熊型のその巨体が完全に消滅したことを確認する。
黒く腐食し今まさに消え去っていく右手の剣の柄を放り投げた。
「……詮索は後にするか、今は生徒達の身の安全が最優先だな」
リストバンドを操作し、新しい剣を取り出すと彼は学園へ続く薄暗い道を駆け出した。
数人の教官に先導された20人ほどの生徒達が、結界のある学園の門内へ飛び込んでいた。
先導していた教官達は1人の教官に後をまかせると、闇喰い出現の緊急連絡を受け、すでにこの裏門へと移動してきていたガードとともに元来た道を戻るのであった。
「教官方、私の肩に」
教官達が肩に飛び乗ったのを確認すると、彼はその長いスライドの歩幅で瞬く間に残りの生徒達のいる場所へと向かうのであった。
彼の身体より遥かに高い木々がものすごい速さで左右に流れていく。
流石に7Mの巨体、走ると一歩一歩の距離が半端ではなかった。
通常自分の意思のないゴーレムは巨体で力は非常に強いが、その動きはとても遅く、当然走ることなどは出来ない、だが彼は巨体に似合わず敏捷であった。
普通の人体で考えると、2、5Mを超えるとその体重と不安定なバランスゆえ、歩行自体が苦労するはずなのだが、やはり彼は特殊・特別なのがわかる。
同じ頃、街道のメル達5人組みはーー
突如出現した闇喰いと戦う教官達の指示を受け、怪我人と治療の為移動することの出来ないアテネ達保険医を守っていた。
「ーーくっ、ごめんそっちに一匹行った」
「わかった、私とクリスが対処する」
実戦直後のあの平手打ちを受ける前とは、まるで別人のような連携で皆を守っている5人。
まるで弱点を突くかのように、治療中の保険医や怪我人ばかりを狙い、突進してくる闇喰い達。
「おっと、ここから先はいかせないぞ、--くっ、ナナ頼む」
「ん、まかせて」
闇喰いの突進を丈夫なアイアンナックルで受け止めるクリス、そこをナナが弓で攻撃していく。
しかしいずれも少しひるませる程度で、致命傷を与えることは出来ないでいた。
彼女達は完全に守備に徹し、怯ませる以外の攻撃はすべて教官に任せている。
止血治療を終えたものを、数が減ったことで多少パニックから回復した生徒達が、数人で担いで移動させていく。
これでどうやら残っている敵は、この場の7人の教官が戦っている3体と、遥か後方でウルが戦っている1体で最後のようである。
最後尾から逃げてきた最後の生徒が、幾度もマナ薬で回復しながら怪我人の治療を終え、完全に魔力がなくなりダウンした保険医を担いで走り去っていく。
「アテネ先生、その教官の治療で最後のようです。脇腹のかなり深い傷の治療、私も手伝います……慈愛の女神よこの心正しき行いの……女神の癒し手(ヒーリングオブゴッデス)」
名称発動魔法では対処しきれないであろうと、すぐに判断した彼女は高速詠唱に切り替えた。
するとメルの右手から眩い光が発する、深い傷がゆっくりではあるがふさがり始めていた。
1人最後尾で戦っていたウル教官は、熊型のその巨体が完全に消滅したことを確認する。
黒く腐食し今まさに消え去っていく右手の剣の柄を放り投げた。
「……詮索は後にするか、今は生徒達の身の安全が最優先だな」
リストバンドを操作し、新しい剣を取り出すと彼は学園へ続く薄暗い道を駆け出した。
0
あなたにおすすめの小説
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
道化たちの末路
希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と側室母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。
ペットになった
ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる