戦人学園

ゆうむ

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消え逝く命~1

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 ウルが突撃を開始したころ。

 数人の教官に先導された20人ほどの生徒達が、結界のある学園の門内へ飛び込んでいた。

 先導していた教官達は1人の教官に後をまかせると、闇喰い出現の緊急連絡を受け、すでにこの裏門へと移動してきていたガードとともに元来た道を戻るのであった。

「教官方、私の肩に」

 教官達が肩に飛び乗ったのを確認すると、彼はその長いスライドの歩幅で瞬く間に残りの生徒達のいる場所へと向かうのであった。

 彼の身体より遥かに高い木々がものすごい速さで左右に流れていく。

 流石に7Mの巨体、走ると一歩一歩の距離が半端ではなかった。

 通常自分の意思のないゴーレムは巨体で力は非常に強いが、その動きはとても遅く、当然走ることなどは出来ない、だが彼は巨体に似合わず敏捷であった。

 普通の人体で考えると、2、5Mを超えるとその体重と不安定なバランスゆえ、歩行自体が苦労するはずなのだが、やはり彼は特殊・特別なのがわかる。




 同じ頃、街道のメル達5人組みはーー

 突如出現した闇喰いと戦う教官達の指示を受け、怪我人と治療の為移動することの出来ないアテネ達保険医を守っていた。

「ーーくっ、ごめんそっちに一匹行った」

「わかった、私とクリスが対処する」

 実戦直後のあの平手打ちを受ける前とは、まるで別人のような連携で皆を守っている5人。

 まるで弱点を突くかのように、治療中の保険医や怪我人ばかりを狙い、突進してくる闇喰い達。

「おっと、ここから先はいかせないぞ、--くっ、ナナ頼む」

「ん、まかせて」

 闇喰いの突進を丈夫なアイアンナックルで受け止めるクリス、そこをナナが弓で攻撃していく。

 しかしいずれも少しひるませる程度で、致命傷を与えることは出来ないでいた。 

 彼女達は完全に守備に徹し、怯ませる以外の攻撃はすべて教官に任せている。

 止血治療を終えたものを、数が減ったことで多少パニックから回復した生徒達が、数人で担いで移動させていく。

 これでどうやら残っている敵は、この場の7人の教官が戦っている3体と、遥か後方でウルが戦っている1体で最後のようである。

 最後尾から逃げてきた最後の生徒が、幾度もマナ薬で回復しながら怪我人の治療を終え、完全に魔力がなくなりダウンした保険医を担いで走り去っていく。

「アテネ先生、その教官の治療で最後のようです。脇腹のかなり深い傷の治療、私も手伝います……慈愛の女神よこの心正しき行いの……女神の癒し手(ヒーリングオブゴッデス)」

 名称発動魔法では対処しきれないであろうと、すぐに判断した彼女は高速詠唱に切り替えた。

 するとメルの右手から眩い光が発する、深い傷がゆっくりではあるがふさがり始めていた。




 1人最後尾で戦っていたウル教官は、熊型のその巨体が完全に消滅したことを確認する。

 黒く腐食し今まさに消え去っていく右手の剣の柄を放り投げた。

「……詮索は後にするか、今は生徒達の身の安全が最優先だな」

 リストバンドを操作し、新しい剣を取り出すと彼は学園へ続く薄暗い道を駆け出した。
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