戦人学園

ゆうむ

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絶望と僅かな希望~2

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 なんと闇喰いはかなりの高位魔法使いしか扱うことが出来ない転移魔法を使ったのであった。

「……なっ、何が、……」

「嘘だろう、こんなことって……」

 麻痺する身体で呆然と立ちつくすメル達。

 彼女達はそのあまりにも不可思議、非常識であり得ない光景に逃げることさえ忘れていた。




 彼らが消えた様子を見届けた闇喰い、まるで知性があるかのように口元を上げ笑っていた。

 残された彼女達。

 強者が弱者をいたぶる時のような笑みを浮かべ、まさに獲物を見定めるように睨み付けていた。

 そしてその視線はその中の1人、彼女に向けられていた。




 ーー瞬間、メルは死を予感した。

 確実な死、回避不可能という現実。

 一瞬、ほんの瞬きほどであったが、恐怖により闇喰いから目をそらしてしまったのだ。

 戦いにおいて、相手から目をそらす行為は命取りである。

 それが格上・勝ち目のないほどの実力差があるならなおさらである。

 そのような初歩的なことさえ、この時の彼女は焦りで思い出せなかった。

 初歩的なミスはさらなる危機を招きいれた。




 動いたことさえ気づかせず、彼女の目の前数センチまで迫まっていた巨体。

 最新の強化繊維で編みこみ、多重防御魔法のかけられた制服がまるで紙切れのように引き裂かれ、その繰り出された爪はメルの胸を刺し貫いていた。

 彼女はゆっくりと背後に、陽の光の当たらない冷たい地面に落ちていった。

 

 その薄れ行く意識の中、最後に彼女は、この場に残された皆に神の奇跡が起きることを願い続けていた。

 

 貫かれた胸に痛みはなかった、しかし後頭部に痛みが走っていた。

 その痛みにより意識を覚醒させることが出来た彼女。

 彼女が意識を失ってから、時間にしてわずかに数秒しか経過していなかった。




「あれっ、私はいったい、------ッ」

 メルは言葉を失った。

 自分自身はどうして生きているのか、貫かれたはずの致命傷の傷は、そして無事であった理由。

 現在、メルが覚醒した場所は先ほどの場所などではなく、少し離れたガードがいたはずの場所であった。




 闇喰いの爪に貫かれ苦悶の表情を浮かべ、すでに腹部の半分以上が黒く腐食し、今にも崩れ落ちそうなガードの姿が彼女の目に映っていた。

 彼女が死を迎えようとした瞬間、麻痺が残っており、まだうまく動けない身体でガードは特殊能力を発動させたのであった。




 特殊能力、大地創造(アースクリエイト) 自分の触れている周囲5Mの地面の形を自由に変えることが出来る。

 ただし金属を含んだ石や鉱石が、ある程度含まれていないと不可能(砂場では出来ない)

 さらに1ヶ月に1回の制限はあるが、近い範囲(最大20M)であれば自分の周囲5Mと指定した範囲5Mを入れ替えることが可能(ただし特殊な強制移動の為、通常ならば24時間は動くことが出来なくなる)

 彼は自分の周囲の地面と、メルの周囲の地面を入れ替え彼女とその周囲にいた生徒を救ったのであった。
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