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十四
再会
(間違いない、あの人だ)
胸の奥から込み上げてくるものがあった。目がうるむのを感じた。
なぜかはわからない。初めて会った後の九年という歳月が、雲晧と自分それぞれにもたらしたものを思ったからかもしれない。
(感傷にひたってる場合じゃない)
呼びかけたが全く反応はない。ありったけの灯りを持ってきて、藤露堂で教えられた通りに調べたところ、どうやら動かしても問題はなさそうだった。
家の中に戻って納戸の戸板をはずし、そっと雲晧を載せて土間に引き入れた。もう一度よく見ると、傷跡はいくつもあったが全て癒えている。前よりも一段とやつれ白髪も混じっているが、逆に病んだような気配は消えていた。
(呼吸は浅いけど苦しそうじゃない。脈もすごく安定してる。それに気の動きがない......もしかして沈睡?)
修仙者が霊力と体力を使い果たすと、何日も、場合によっては何か月、何年も続く深い眠りに落ちることがあり、これを沈睡という。消耗をできる限り抑えて生命を保つためのもので、ある程度回復すると自然に目覚める。
剣尊に何があったかはわからないが、この辺りまで来たところで体力と霊力が限界に達して、沈睡に入ってしまったのではないか。
(葛先生に確かめてもらおう)
そう思って戸を開けたが、雲晧を置いて出たものかどうか迷っていると、山の方から猟師の石が歩いてくるのが見えた。ひと仕事してきたらしい。帰宅するところなら医者の家の近くを通るはずだ。
「石さん!」
思い切って声を張ると、いかつい顔がこちらを見た。
「…知り合いが来てるんですが、具合が悪いみたいで。葛先生に来てくれるよう声をかけてもらえませんか」
猟師は無表情のままうなずくと走り出した。
「急がなくて大丈夫です!」
あわてて声をかけたが、石は勢いを緩めず走って行く。
初めて彼に会ったとき、見た目のいかつさとしゃべらないのとで、雨は気後れしてしまった。なにしろぎろりと睨むようにこちらを見るし、話しかけてもたいてい「うおう」とうなるような声を上げるだけなのだ。
だがこの半年で、彼がどんなに親切な人物かよくわかっている。
おかげであっというまに医者がやってきた。雨は患者が顔見知りの修仙者だと説明した。
「もしかして紫霞山荘のお方かい?」葛寧は雨が藤家の縁者であると知っている。
「いいえ、でも昔藤家に来たことがあるんです。目が覚めたらなぜかうちの前に倒れていて、沈睡じゃないかと」
「今診たかぎりではそのようだが、修仙者のことは医修に確認したほうがいい。どなたか来ていただくことはできるかい?」
「藤翼に頼んでみます」
翼は何度も村へ来ているから、葛寧とも顔見知りだ。医者はうなずくと雲晧を土間から部屋に運ぶのを手伝ってくれた。
「うちの仕事は大体一段落ついたから、気にしないでくれ。何か必要な物があったら知らせるんだよ」
雨が礼金を渡すと「こんなにいらんよ、半分でいい」と帰って行った。
雨は翼に手紙をしたためた。簡単に事情を説明し医修が必要だと書いた。小さくたたんで上からさらに「至急」と記す。こうしておけば、翼が外出していても夏葵がどうにかしてくれる。
ここに住むようになったとき、急を要する場合にと翼から鳩をもらっていた。使うのは初めてだが、脚に手紙を結んで空に放ると、ちゃんと藤家の方に向かって飛んで行った。
その後は予備の布団や夜着を出したり、雲晧の身体を清めて着替えさせたりと忙しかった。
夕方、意外な人物が訪れた。
藤露堂の首医、宋遠である。
洗濯物を取り入れようと開け放した戸口に、音もなく現れた人物を見て、雨は驚いた。四十にも満たない若さで治療所の長に任じられた大先輩だ。鷹を思わせる目は何ひとつ見逃さないと言われている。彼が来るとは思わなかった。
「首医様」
あわてて挨拶しようとする雨を手振りで止めると、首医は流れるような動作で雲晧の元へ歩み寄り、脈を取った。
「沈睡だろう。このまま三日ほど変化がなければ間違いない。清潔にして補薬と流動食を与え、寝かせておけば七か月ほどで目覚めるはずだ。当座の薬を持って来たが、与え方は覚えているか?」
「覚えていますが、あの、これからどうすればいいのでしょうか」包みを受け取って雨は尋ねた。
「君はどうしたいんだ?剣尊を見つけたのは君だろう」
たしかにそうだ。自分が見つけて家に運び込んだ以上、どうするか考えるのも自分のするべきことだ。雨は少し恥ずかしくなった。
だが問われて気づいた。雲晧が目覚めるまでは自分で世話をしたい。
九年前に何もしてやれなかった相手が、理由はわからないが家の前に倒れていたのだ。せめて今度はできることをしたいと思う。だが勝手にそんなことをしてもいいのだろうか。
「修仙者の行き倒れには、通常その地の仙門が対応する。そう手はかからないはずだが、君が面倒を見るのが無理なら藤家に任せてもいいだろう」
「私がお世話します、できます」雨は言った。基本的に寝かせておけばいいのだから、仕事をしながらでも可能なはずだ。
首医はちょっと黙って雨の顔を見ていたが「それも参考にしなさい」と言って立ち上がり、戸口に向かった。見ると表紙に「沈睡安養録」と書かれた本が置いてあった。
「ありがとうございます。首医様、あの、些少ですが」
追いかけて礼金を差し出すと、
「今回は藤家の医修としての義務だから気にしなくていい。何か困ることがあったら知らせなさい。家にあるものは何でも使ってかまわない」
ゆっくりと落ち着いた足取りに見えるのに、なぜかどんどん小さくなっていく後ろ姿を見送り、雨は気を引き締めた。
「さて」雨は家の中を見回した。これから七か月、剣尊をこの家で世話するのだ。いろいろと整えなくてはならない。
幸い大抵のものは揃っている。納戸には薬を細かく砕くための薬研、煎じるための薬炉まであるのだ。医者が住んでいたことがあるのではないかと雨は思っている。
問題は夜着だ。毎日着替えさせて清潔にしなくてはならない。
数は十分ある。謝家で着ていた衣服はほぼ全て持って来たからだ。だが雨の夜着は剣尊には小さすぎた。これから寒くなるというのに身体を覆えていない。
雨は他の衣装を眺めた。薄紫や若草色、翡翠色、薄紅色......美しい長衣はもう、着ることはないだろう。布地は貴重だから、いざというとき町で売るために取ってあるのだ。
(僕だって女性に比べれば背丈はあるから、ちょっとだけ裾と袖を切っても、女物として売れるはずだ)
剣尊は当分目を覚まさない。少しくらい継ぎを当てた夜着で凌いでもかまわないだろう。
胸の奥から込み上げてくるものがあった。目がうるむのを感じた。
なぜかはわからない。初めて会った後の九年という歳月が、雲晧と自分それぞれにもたらしたものを思ったからかもしれない。
(感傷にひたってる場合じゃない)
呼びかけたが全く反応はない。ありったけの灯りを持ってきて、藤露堂で教えられた通りに調べたところ、どうやら動かしても問題はなさそうだった。
家の中に戻って納戸の戸板をはずし、そっと雲晧を載せて土間に引き入れた。もう一度よく見ると、傷跡はいくつもあったが全て癒えている。前よりも一段とやつれ白髪も混じっているが、逆に病んだような気配は消えていた。
(呼吸は浅いけど苦しそうじゃない。脈もすごく安定してる。それに気の動きがない......もしかして沈睡?)
修仙者が霊力と体力を使い果たすと、何日も、場合によっては何か月、何年も続く深い眠りに落ちることがあり、これを沈睡という。消耗をできる限り抑えて生命を保つためのもので、ある程度回復すると自然に目覚める。
剣尊に何があったかはわからないが、この辺りまで来たところで体力と霊力が限界に達して、沈睡に入ってしまったのではないか。
(葛先生に確かめてもらおう)
そう思って戸を開けたが、雲晧を置いて出たものかどうか迷っていると、山の方から猟師の石が歩いてくるのが見えた。ひと仕事してきたらしい。帰宅するところなら医者の家の近くを通るはずだ。
「石さん!」
思い切って声を張ると、いかつい顔がこちらを見た。
「…知り合いが来てるんですが、具合が悪いみたいで。葛先生に来てくれるよう声をかけてもらえませんか」
猟師は無表情のままうなずくと走り出した。
「急がなくて大丈夫です!」
あわてて声をかけたが、石は勢いを緩めず走って行く。
初めて彼に会ったとき、見た目のいかつさとしゃべらないのとで、雨は気後れしてしまった。なにしろぎろりと睨むようにこちらを見るし、話しかけてもたいてい「うおう」とうなるような声を上げるだけなのだ。
だがこの半年で、彼がどんなに親切な人物かよくわかっている。
おかげであっというまに医者がやってきた。雨は患者が顔見知りの修仙者だと説明した。
「もしかして紫霞山荘のお方かい?」葛寧は雨が藤家の縁者であると知っている。
「いいえ、でも昔藤家に来たことがあるんです。目が覚めたらなぜかうちの前に倒れていて、沈睡じゃないかと」
「今診たかぎりではそのようだが、修仙者のことは医修に確認したほうがいい。どなたか来ていただくことはできるかい?」
「藤翼に頼んでみます」
翼は何度も村へ来ているから、葛寧とも顔見知りだ。医者はうなずくと雲晧を土間から部屋に運ぶのを手伝ってくれた。
「うちの仕事は大体一段落ついたから、気にしないでくれ。何か必要な物があったら知らせるんだよ」
雨が礼金を渡すと「こんなにいらんよ、半分でいい」と帰って行った。
雨は翼に手紙をしたためた。簡単に事情を説明し医修が必要だと書いた。小さくたたんで上からさらに「至急」と記す。こうしておけば、翼が外出していても夏葵がどうにかしてくれる。
ここに住むようになったとき、急を要する場合にと翼から鳩をもらっていた。使うのは初めてだが、脚に手紙を結んで空に放ると、ちゃんと藤家の方に向かって飛んで行った。
その後は予備の布団や夜着を出したり、雲晧の身体を清めて着替えさせたりと忙しかった。
夕方、意外な人物が訪れた。
藤露堂の首医、宋遠である。
洗濯物を取り入れようと開け放した戸口に、音もなく現れた人物を見て、雨は驚いた。四十にも満たない若さで治療所の長に任じられた大先輩だ。鷹を思わせる目は何ひとつ見逃さないと言われている。彼が来るとは思わなかった。
「首医様」
あわてて挨拶しようとする雨を手振りで止めると、首医は流れるような動作で雲晧の元へ歩み寄り、脈を取った。
「沈睡だろう。このまま三日ほど変化がなければ間違いない。清潔にして補薬と流動食を与え、寝かせておけば七か月ほどで目覚めるはずだ。当座の薬を持って来たが、与え方は覚えているか?」
「覚えていますが、あの、これからどうすればいいのでしょうか」包みを受け取って雨は尋ねた。
「君はどうしたいんだ?剣尊を見つけたのは君だろう」
たしかにそうだ。自分が見つけて家に運び込んだ以上、どうするか考えるのも自分のするべきことだ。雨は少し恥ずかしくなった。
だが問われて気づいた。雲晧が目覚めるまでは自分で世話をしたい。
九年前に何もしてやれなかった相手が、理由はわからないが家の前に倒れていたのだ。せめて今度はできることをしたいと思う。だが勝手にそんなことをしてもいいのだろうか。
「修仙者の行き倒れには、通常その地の仙門が対応する。そう手はかからないはずだが、君が面倒を見るのが無理なら藤家に任せてもいいだろう」
「私がお世話します、できます」雨は言った。基本的に寝かせておけばいいのだから、仕事をしながらでも可能なはずだ。
首医はちょっと黙って雨の顔を見ていたが「それも参考にしなさい」と言って立ち上がり、戸口に向かった。見ると表紙に「沈睡安養録」と書かれた本が置いてあった。
「ありがとうございます。首医様、あの、些少ですが」
追いかけて礼金を差し出すと、
「今回は藤家の医修としての義務だから気にしなくていい。何か困ることがあったら知らせなさい。家にあるものは何でも使ってかまわない」
ゆっくりと落ち着いた足取りに見えるのに、なぜかどんどん小さくなっていく後ろ姿を見送り、雨は気を引き締めた。
「さて」雨は家の中を見回した。これから七か月、剣尊をこの家で世話するのだ。いろいろと整えなくてはならない。
幸い大抵のものは揃っている。納戸には薬を細かく砕くための薬研、煎じるための薬炉まであるのだ。医者が住んでいたことがあるのではないかと雨は思っている。
問題は夜着だ。毎日着替えさせて清潔にしなくてはならない。
数は十分ある。謝家で着ていた衣服はほぼ全て持って来たからだ。だが雨の夜着は剣尊には小さすぎた。これから寒くなるというのに身体を覆えていない。
雨は他の衣装を眺めた。薄紫や若草色、翡翠色、薄紅色......美しい長衣はもう、着ることはないだろう。布地は貴重だから、いざというとき町で売るために取ってあるのだ。
(僕だって女性に比べれば背丈はあるから、ちょっとだけ裾と袖を切っても、女物として売れるはずだ)
剣尊は当分目を覚まさない。少しくらい継ぎを当てた夜着で凌いでもかまわないだろう。
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