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────0章『王様と彼らの泥舟』
【名前を持つ少年と名前のない国】
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【名前を持つ少年と名前のない国】
あるところに、名前のない人々の暮らす、名前のない国がありました。
彼らはリーダーを据え、平和に暮らしていました。
そこへある時、名前を持つとても可愛らしい少年がやって来ます。彼は名前を持っていたことで、国民から迫害を受けてしまいました。リーダーは、名前を持つ少年を守ろうと声をかけます。
ひとりぼっちで泣いていた少年は、お礼にリーダーに名前をつけてあげました。
すると、どうでしょう?
名前を持ったことで息を吹き込まれたリーダーは、ナイトとなったのです。特別な魔法を持った少年に、いつしか恋心を抱いたナイトは、この特別な力を悪用されないように、少年をこの国の王様にしてしまいました。
王様は、来る日も来る日もただ一人で寂しく城の外を眺めていました。王様は、特別な力を使えば人々に『心』を与えることができることを知ってはいましたが、王様は満たされることはないと思い、国民に力を使うことはしませんでした。
そんなある日、王様は海岸に泥舟に乗った漂流者がいることに気づきます。王様が駆け寄って見てみると、二人の見目麗しい少年が必死に泥舟を沖に流そうとしていました。今にも沈んでしまいそうなその舟を、とても大切にしている二人に、王様は心が打たれます。そこで、王様は二人に特別な力を与えると、方舟に乗るようにと手を差しのべたのでした。
****
■序章編までのあらすじ■
中学時代から仲良しで両想いの霧島 咲夜と片倉 葵は、恋人同士になりたくてもなれないという境遇にあった。片倉の父の会社が傾いていたことにより、葵を資産家と政略結婚をさせようとしていためである。もともとは、大手社長の義理の息子である咲夜には葵と婚約者になるチャンスもあったのだが、親の離婚によりその権利を剥奪されてしまった。
しかしながらそれは噂の範疇であり、片倉の父が本当に政略結婚を葵に望んでいるかはわかっていない。葵は父を 畏怖しているため直接聞いたことはないのである)なすすべもないなまま、二人はK学園に入学することとなる。
一方、セレブである大崎グループの社長の息子である久隆は『片倉の父の会社の立て直し』という課題を父から与えられ奮闘していた。
中学生にして、将来次期社長になることが決定していたため期待も大きく、スパルタとも言える教育方針のためだった。しかし、彼がそれに取り組むのはかつて自分が『大人の都合で好きな人と結ばれることのない理不尽さ』に辟易していたからであった。彼らを幸せにすることで、かつての自分を救おうとしていたのである。自分の持てる全てをかけ、綿密な計画書作り実行に移そうとしていた久隆に残酷な事実が突きつけられた。それは、愛し合う彼らの片割れである“霧島 咲夜”が、結ばれたくとも結ばれることのなかった初恋の相手だったのである。
あるところに、名前のない人々の暮らす、名前のない国がありました。
彼らはリーダーを据え、平和に暮らしていました。
そこへある時、名前を持つとても可愛らしい少年がやって来ます。彼は名前を持っていたことで、国民から迫害を受けてしまいました。リーダーは、名前を持つ少年を守ろうと声をかけます。
ひとりぼっちで泣いていた少年は、お礼にリーダーに名前をつけてあげました。
すると、どうでしょう?
名前を持ったことで息を吹き込まれたリーダーは、ナイトとなったのです。特別な魔法を持った少年に、いつしか恋心を抱いたナイトは、この特別な力を悪用されないように、少年をこの国の王様にしてしまいました。
王様は、来る日も来る日もただ一人で寂しく城の外を眺めていました。王様は、特別な力を使えば人々に『心』を与えることができることを知ってはいましたが、王様は満たされることはないと思い、国民に力を使うことはしませんでした。
そんなある日、王様は海岸に泥舟に乗った漂流者がいることに気づきます。王様が駆け寄って見てみると、二人の見目麗しい少年が必死に泥舟を沖に流そうとしていました。今にも沈んでしまいそうなその舟を、とても大切にしている二人に、王様は心が打たれます。そこで、王様は二人に特別な力を与えると、方舟に乗るようにと手を差しのべたのでした。
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■序章編までのあらすじ■
中学時代から仲良しで両想いの霧島 咲夜と片倉 葵は、恋人同士になりたくてもなれないという境遇にあった。片倉の父の会社が傾いていたことにより、葵を資産家と政略結婚をさせようとしていためである。もともとは、大手社長の義理の息子である咲夜には葵と婚約者になるチャンスもあったのだが、親の離婚によりその権利を剥奪されてしまった。
しかしながらそれは噂の範疇であり、片倉の父が本当に政略結婚を葵に望んでいるかはわかっていない。葵は父を 畏怖しているため直接聞いたことはないのである)なすすべもないなまま、二人はK学園に入学することとなる。
一方、セレブである大崎グループの社長の息子である久隆は『片倉の父の会社の立て直し』という課題を父から与えられ奮闘していた。
中学生にして、将来次期社長になることが決定していたため期待も大きく、スパルタとも言える教育方針のためだった。しかし、彼がそれに取り組むのはかつて自分が『大人の都合で好きな人と結ばれることのない理不尽さ』に辟易していたからであった。彼らを幸せにすることで、かつての自分を救おうとしていたのである。自分の持てる全てをかけ、綿密な計画書作り実行に移そうとしていた久隆に残酷な事実が突きつけられた。それは、愛し合う彼らの片割れである“霧島 咲夜”が、結ばれたくとも結ばれることのなかった初恋の相手だったのである。
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