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────2章『宝船と戦艦』
■8「苦悩と快楽」【R】
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****♡Side・久隆
「期待してるの?」
久隆は、咲夜の耳元で甘く囁くと焦らすようにゆっくりと彼のシャツのボタンに手を掛ける。
自分はどこまで君を穢すのだろう?
小さな箱庭の王は
美しき妃を快楽の虜として
どこまでも落としてゆく
望んだはずの日常は
罪悪感で溢れ返り
こんなにも俺を蝕んでゆく
救ってくれよ、愛しい君が
頬を赤らめ潤んだ瞳を揺らす咲夜は、久隆に興奮という名の楔を打ち込んでゆく。逃れることも、拒否することもできない。それはただ、久隆を虜にして『愛しい君を、犯したい』という気持ちでいっぱいにするのだ。理性を美徳とする自分は、この抗えない衝動に苦悩している。かつては虜にして彼を自分のものにしたいとさえ願ったのに。
「んッ」
唇を奪い執拗に口内を犯せば、咲夜が切なそうにしがみついてくる。
「咲夜、可愛いよ」
片腕で抱きしめ、胸の果実を指先で愛撫すれば、
「ああッ..んッ」
と喘ぎ声を漏らす。
「いっぱい愛してあげる」
ただ、真の苦悩はそこではなかった。彼に対する性衝動と戦い続ける自分は、咲夜を分かってあげる余裕がなく、自分から欲しいとなかなか言えない彼を苦しめている自覚はあるものの、間違った判断で彼が望まないのに手を出して嫌われるのが怖い。彼が求めるなら与えたいとは思っていても。
「久隆ッ..焦らさないで」
「我慢してたの?可哀想なことしちゃったね」
咲夜の髪をなで、首筋に舌を這わせた。
「うんッ...」
「欲しかったら欲しいって言ってよ、咲夜」
君が求めるならば
いつだってあげるのに
君が望むなら
一緒に落ちることも出来るのに
愚かで臆病な俺を
どうか、救ってくれよ
君が愛しくて堪らないんだ
脇腹に手を這わせ、快感の入り口に導いてゆく、ゆっくりと。
「もっとね、久隆に愛されたいよ」
小さな声で願いを告げる咲夜にハッとする。
「どうして久隆は求めてくれないの?」
寂しいと言うように見つめてくる咲夜を、じっと見つめていた。
求めてもいいのだろうか?
一緒に君は落ちてくれるだろうか?
快楽という名の奈落へ
愚かな俺を救ってくれるだろうか?
「咲夜には、俺がどんなヤツに見えるの?」
久隆は自嘲気味に笑みを溢す。
「俺は、臆病なんだよ。咲夜に嫌われるのが怖くて怯えてる」
そう言うと咲夜が、久隆の唇に曲げた人差し指を充てた。彼の熱の籠った人差し指の第二間接が唇にそっと当たる。
「久隆はカッコいいよ?そばに居るとね、ドキドキする」
久隆は、咲夜の言葉に目を見開いた。
「嫌いになんて、なるわけない。久隆に求めて欲しくて頭おかしくなりそうなのッ」
久隆の手の動きにいよいよ冷静さを失った咲夜が身を捩る。
「咲夜、俺」
「うん?」
「駄目なんだよ、求めすぎて君を壊してしまいそうなんだ 」
「いいよ、大丈夫だよ」
「咲夜…」
「久隆にいっぱい愛されたいの」
可愛いことを言う咲夜に久隆は微笑んだ。
「期待してるの?」
久隆は、咲夜の耳元で甘く囁くと焦らすようにゆっくりと彼のシャツのボタンに手を掛ける。
自分はどこまで君を穢すのだろう?
小さな箱庭の王は
美しき妃を快楽の虜として
どこまでも落としてゆく
望んだはずの日常は
罪悪感で溢れ返り
こんなにも俺を蝕んでゆく
救ってくれよ、愛しい君が
頬を赤らめ潤んだ瞳を揺らす咲夜は、久隆に興奮という名の楔を打ち込んでゆく。逃れることも、拒否することもできない。それはただ、久隆を虜にして『愛しい君を、犯したい』という気持ちでいっぱいにするのだ。理性を美徳とする自分は、この抗えない衝動に苦悩している。かつては虜にして彼を自分のものにしたいとさえ願ったのに。
「んッ」
唇を奪い執拗に口内を犯せば、咲夜が切なそうにしがみついてくる。
「咲夜、可愛いよ」
片腕で抱きしめ、胸の果実を指先で愛撫すれば、
「ああッ..んッ」
と喘ぎ声を漏らす。
「いっぱい愛してあげる」
ただ、真の苦悩はそこではなかった。彼に対する性衝動と戦い続ける自分は、咲夜を分かってあげる余裕がなく、自分から欲しいとなかなか言えない彼を苦しめている自覚はあるものの、間違った判断で彼が望まないのに手を出して嫌われるのが怖い。彼が求めるなら与えたいとは思っていても。
「久隆ッ..焦らさないで」
「我慢してたの?可哀想なことしちゃったね」
咲夜の髪をなで、首筋に舌を這わせた。
「うんッ...」
「欲しかったら欲しいって言ってよ、咲夜」
君が求めるならば
いつだってあげるのに
君が望むなら
一緒に落ちることも出来るのに
愚かで臆病な俺を
どうか、救ってくれよ
君が愛しくて堪らないんだ
脇腹に手を這わせ、快感の入り口に導いてゆく、ゆっくりと。
「もっとね、久隆に愛されたいよ」
小さな声で願いを告げる咲夜にハッとする。
「どうして久隆は求めてくれないの?」
寂しいと言うように見つめてくる咲夜を、じっと見つめていた。
求めてもいいのだろうか?
一緒に君は落ちてくれるだろうか?
快楽という名の奈落へ
愚かな俺を救ってくれるだろうか?
「咲夜には、俺がどんなヤツに見えるの?」
久隆は自嘲気味に笑みを溢す。
「俺は、臆病なんだよ。咲夜に嫌われるのが怖くて怯えてる」
そう言うと咲夜が、久隆の唇に曲げた人差し指を充てた。彼の熱の籠った人差し指の第二間接が唇にそっと当たる。
「久隆はカッコいいよ?そばに居るとね、ドキドキする」
久隆は、咲夜の言葉に目を見開いた。
「嫌いになんて、なるわけない。久隆に求めて欲しくて頭おかしくなりそうなのッ」
久隆の手の動きにいよいよ冷静さを失った咲夜が身を捩る。
「咲夜、俺」
「うん?」
「駄目なんだよ、求めすぎて君を壊してしまいそうなんだ 」
「いいよ、大丈夫だよ」
「咲夜…」
「久隆にいっぱい愛されたいの」
可愛いことを言う咲夜に久隆は微笑んだ。
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