R18【同性恋愛】『戻れない僕らの日常』【絆・対・相編】正規ルート編

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────2章『宝船と戦艦』

■13「愛しい君と幼なじみ」【微R】

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 ****♡Side・久隆

 コンビニで購入した飲み物を手に久隆が屋敷に帰ると、咲夜と葵が屋敷のエントランスで持ってくれていた。後日、このエントランスには飛んでもないものが届くのだが。
「久隆くん、おかえりー」
 久隆に気付くと、むぎゅっと葵が抱きついて来た。
「久隆、お帰り」
 咲夜もニコニコしながら、久隆の傍まで歩いてくる。二人がこの家に馴染めば馴染むほど、久隆は幸せを感じられた。大切な彼らに出迎えられることは”こんなに嬉しいことなんだ”と、久隆は何気ないことを、日々宝物のように感じている。

「ただいま。これで良かった?飲み物」
 二人の前でコンビニの袋を開け、中を見せると、
「ありがとーッ」
 と嬉しそうな葵と、
「葵、またオレンジ?」
 ”糖尿病なっちゃうよ?”と、咲夜がその手元を見ながら言う。彼の言葉に葵はぷくッと膨れて、
「明日飲むから、いーのッ」
 と、咲夜に向かって舌を出す。彼は肩を竦めた。

「あ、ねえ久隆くん」
 と、葵が久隆に向き直り声をかけてくる。
「うん?」
「サクにも言ったんだけど明日、CD買いに行きたいの。つきあってくれる?」
 葵の可愛いおねだりだが、久隆は
「CD??ダウンロードじゃダメなの?」
 と、首を傾げた。
「だって、久隆くんの好きなアーティストのCDジャケットお洒落だし、部屋に飾るの」
「え」
 その言葉に久隆はびっくりする。

 葵が大崎邸で咲夜と一緒に暮らしたいと言うので、久隆の隣の部屋は葵専用となり、咲夜は久隆の部屋を一緒に使っている。咲夜は寂しがり屋、本来なら恋人同士である葵と同室なのが望ましいと思われるが、葵は父の教育方針でいろいろ習い事をしていたので、帰宅時間がまちまち。それと遠慮せずに久隆の側にいてもらうためでもあった。自分専用となったことで、葵はいろいろと部屋をコーディネートしたりしていいる。DIYを自分でしており、なかなか器用で、先日も葵はラックをデザインし、庭でペンキを塗っていた。

「大里くんにリベンジしなきゃだし」
 葵はどうやら久隆の好きな歌を覚える気らしい。なんとも健気で可愛らしかった。
「午後でいい?」
 久隆は明日の予定を考え、葵に問いかける。
「うん。午前中は用事?」
「あ、言うの忘れてた。明日は三人で初仕事だよ」
「撮影かぁ。良く寝なきゃだね」
 葵は人差し指を口元にもってゆく。
「いよいよ、計画の本格始動か。わくわくするね」
 久隆と咲夜は返事の代わりに微笑んだ。

 葵ちゃんは何しても可愛いなあ。
 羨ましい。

「俺、そろそろ部屋に行くねッ」
 葵は、そう言うと鼻歌を歌いながら階段に向かって歩いてゆく。

 If you Come Backじゃん!
 ヤバい、鼻血でそうなくらい嬉しい。

 葵の鼻歌が久隆の好きな曲のサビの部分だったので、心の中で悶絶した。
「久隆くん、サク、おやすみッ」
 そういって手を振ると葵は階段を上がって行く。
「おやすみ」
 と、二人は手を振りかえす。葵がこの家で暮らし始めると、咲夜は久隆の部屋と葵の部屋で交互に寝るようになった。それは三人で決めた約束。

「久隆」
「うん?」
 久隆は一人で、一階の奥の大浴場の方に行こうとしていた。この家には何ヵ所か浴室があるが、一階の奥には家族水入らずで入れるような大きな浴室がある。
「一緒に入る?」
 と聞くと、咲夜に後ろから抱きしめられた。
「香水の匂いがする。大里の匂い」
「何もしてないよ?」
 咲夜は疑いの眼差しで久隆を見ている。
「やきもち妬いちゃったの?」
「うん」
「素直だなぁ。ほんと、可愛いんだから咲夜は」
 自分に巻きつく咲夜の手をほどくと、その手を掴んだ。
「一緒に入ろ?」
「うん」

 今日は俺が咲夜を独り占め。
 嬉しい。

 この約束は葵の提案だった。久隆は咲夜のことが好きな癖に、ちっともそういう素振りを見せず遠慮ばかりしている。咲夜もまた、積極的になれない。そんな二人の為に決めごとにしたのだ。

 脱衣所で、咲夜の服を脱がせていると久隆は堪らなくなり、彼を引き寄せ口づけを。
「んッ...んん」
「咲夜、可愛い。襲いたい」
「久隆、ダメだよ」
 咲夜が頬を染めて拒絶する。
「触りたい」
「ダメだって。部屋、戻ってからだよ」
「じゃあ、もっとキスしたい」
「んッ」
 執拗に舌を絡めて口づければ、咲夜は涙目になって、
「風邪引いちゃうよ」
 と抗議した。
「ごめん」

 **

 風呂から上がると手を繋いで部屋へ向かう。部屋につくと、咲夜は飲み物用の小さな冷蔵庫から飲み物を取り出した。家の中で咲夜が遠慮しなくなったことを、久隆はとても嬉し感じ、
「久隆?」
 じっと彼の様子を窺っていたので、咲夜が不思議そうな顔をして近づいてくる。
「早く抱きたい」
「ッ!」
「咲夜を..」
 久隆は、全身真っ赤になった咲夜に手の平で口を塞がれた。

「今日、どうしたの?久隆、なんか変だよ」
 その言葉に久隆は、落ち着こうと深呼吸する。
「カラオケの時から咲夜が可愛すぎるんだよ」
「あれは...」
「“他の人に夢中になっちゃヤダ”なんて言うし」
「だって、久隆。大里に夢中だった」
「いや、歌にね?」
 咲夜を抱きしめようと腕を伸ばすと、机の上にあったスマホに着信があった。
「ふぅ。和かな?」
 時刻は午後9時を差している。久隆は机に近づき、画面を見て驚いた。
「咲夜、ベッドルームに行ってて、すぐいくから」
 咲夜は、仕事の話かな?と思いながら素直に隣の部屋に向かって行く。久隆は、ベッドルームから一番遠い場所に立つと電話を受ける。
「大里?どうしたの?」
 それは滅多に私用では電話して来ない大里からだった。

 ****

 久隆がベッドルームに向かうと、咲夜は大人しくベッドに横になっていた。側まで行って、傍らに腰かけると彼の髪を撫でやる。久隆は、咲夜の髪質がとても好きだ。彼はその様子を、目を細め嬉しそうに久隆を見つめている。

 しかし久隆は、大里のことがとても気になっていた。彼が何を考えているのか、まったくわからない。想定外のことばかり起こる。今まで一度だって“一緒に遊びたい”だなんて言わなかった。大里の誘い方はいつだって“一緒に来る?”と言った風で、要望ではなく希望を問うものだったのに。まるで“嵐の前の静けさ”のようで怖い。ずっと気づかないふりをしてきた大里の自分への想いに、そろそろ向き合う時期なのかもしれないと思っていた。彼の性格なら、墓場まで持っていくのではないかと思ったのだが。

 もし、大里に身体を求められたら?
 きっと、自分は素直に差し出すだろう。
 それでアイツが前に進めるならそれでいい。

 そう、今までなら思えた。
「久隆?どうしたの?」
 けれど、目の前の咲夜を見つめていると、それはダメなんじゃないかと思ってしまう。大里にこの身を差し出し、彼が救われたとして。咲夜以外の人と性交を持った事実しか残らない。彼を救ったところで、それは咲夜を傷つけることにしかならない。だだの自己満足。咲夜がもし、そのことを知ったら?視線の先に他の人がいるだけでやきもちを妬くような咲夜のことだ。発狂してしまうかもしれない。ならば隠し通せるだろうか?そんな自信は、正直ない、と言わざるを得ない。

「咲夜は、俺を抱きたいと思う?」

 それは素朴な疑問。初めて咲夜と身体を重ねた時、彼はどちらでも良いと言った。自分は葵の代わりにされたくなかったから、抱かれることを拒否したのだ、代わりなんて、辛すぎるから。

「それは..」
 彼はムクリと起き上がると、後ろから久隆を包み込むように抱きしめる。
「俺も、一応男なので...」
 久隆は、咲夜のその言葉に心拍数が上がるのを感じ、好きとはこういうことなのかと思った。
「いつか、くれる?」
「うん?」
「久隆の初めて」
「欲しいの?」
「欲しい...」
 耳元で囁くように言われると、久隆の心は揺れる。
「うん、いいよ」

 思えばこの時、そのまま咲夜に抱かれてしまえば良かったのに。
 俺は、選択を間違えてしまったのだ。

「ほんと?」
「嘘なんか言わない」

 俺の選択ミスのせいで彼は狂気に晒されてしまった。
 互いに苦しまなくてはいけなくなってしまったのだ。

「俺の全ては咲夜にあげるよ」
 自分は、優しい彼の体温に酔っていて、冷静な判断ができずに、
「でも今日は、俺にさせてね」
 自身の身体を反転させると、咲夜を押し倒す。
「久隆、いっぱいして欲しいの」
「明日は撮影で早起きしなきゃだから、ほどほどだよ」
「残念」
 啄むようなキスをして、彼のパジャマを脱がしにかかる。

 もどかしい。
 早く、滑らかな手触りのするその肌に触れたい。

「えっ!」
 久隆は咲夜のズボンを引き抜いて驚く。彼の下着がエロ過ぎた。
「葵がデザインしたんだって」
 今にも美味しそうな果実が溢れ落ちそうな、スーパービキニタイプで、とにかく生地が薄い。
「透けちゃう」
「これ、爪引っ掻けると破ける仕様なんだっていってた」
「なに、その破廉恥な下着」
 久隆の目は咲夜の股間に釘付けだ。
「そんなに凝視しないでよ」
「だって、エロい。ヤバい」
「奥手な久隆をその気にさせる、勝負下着って葵が」


 最近、葵が大崎グループ本社の下着部門にちょいちょい遊びに行ってるのは知ってはいたが、こんなもの作っていたのかと、そのセンスに度肝をぬかれた。久隆は大事な部分を隠そうとする咲夜の両手首を掴み、更に見つめる。
「これは、堪らない」
 視姦されて、ゆっくりと形を持ち始める彼のソコに、久隆は喉を鳴らした。
「まだ何もしてないのに、俺に見られてるだけでそんな風になっちゃうの?」
「だって、期待...しちゃうよ」

 どうしよう、可愛すぎる。
 でも、明日は早いから無理させられない。

「破いてみていい?」
「い、いきなり?」
「ちょっとだけ。ちょっとだけだから」
「なにその、エロ親父っぽいのッ」
 怖くなったのか、咲夜は後退ったがいくらもしないうち、にヘッドボードに追い詰められる。
「だって、見たいじゃない?」

 咲夜は恥ずかしいのか、顔を背けた。
「足、開いて」
 背中をヘッドボードにつけている彼の腰のあたりに枕を入れ、M字に足を拡げさせる。
「久隆..」
 咲夜の切なげな、心細そそうなトーンの声が、更に久隆の欲情を煽り、立ち上がった彼の欲望の出口に小指の爪を引っ掻けると、波紋が広がるかのように布が亀裂を生じた。
「ッ」
 咲夜がぎゅっと目を閉じる。
「うわ、鼻血でそうなくらい厭らしい」
 先っちょが見えているのだ。
「さすがに限界」
 久隆は咲夜を引き寄せるとまるで野獣のように、そのしなやかな身体を貪り続けた。
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