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────1章【久隆と咲夜】
□5「幼なじみへの終わらない恋」
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****♡Side・大里
────大崎邸従業員食堂にて。
「なあ、久隆たちは?」
と、大里。
「上」
大里と葵は大崎邸の従業員食堂に居た。
「これ、美味しいねッ」
「ん?ああ..」
またイチャついてるのかッ。
大里はテーブルに突っ伏す。葵は気にせずプチトマトを口に運びながら、
「久隆くんだってさーもう、処女じゃないんだしー」
と隣で話し出す。
「リベンジもしちゃったわけだしさー。諦めたら?」
「は?!」
今、なんと?
「な、な?何て言った?」
「だからぁ。久隆くんにサクがね」
葵がフォークを置くと、親指と人差し指で輪っかを作り、反対側の人差し指をそこに突き刺し、
「INしたってこと」
と。
「ぬあッ」
大里はショックでガンッと、テーブルに頭を打った。
「大丈夫?大里」
「大丈夫くない」
羨ましい。
久隆にあんなことや、こんなことしてるってことなのか?!
ヤバい、立ちそう。
大里は久隆の喘ぐ姿を想像し、テーブルの下で股間を押さえる。
「大里、カッコいいんだし。いくらでも..」
「無理」
大里が、久隆を想って十年近く経つ。大里が自分の想いを自覚したとき、彼にはすでに他に想い人が居たが、会えない相手ならいつか終わる恋だと思っていた。想い続けていたらいつか、自分にもチャンスが来るのではないかと。そもそも、他の人を好きになれるくらいならこんなに拗らせていないだろう。
「まあ、気持ちはわからないでもないけど。相手があの久隆くんじゃあねぇ」
と、葵はオレンジジュースをストローでちゅうちゅう吸い始めた。
「距離感変だもんねッ」
「だが、距離感変わるの嫌」
「重症じゃん」
と、彼が乾いた笑いを漏らす。
「久隆君が振り向くなんて、サクに振られでもしない限り無理だと思うよ?」
分かってる。
分かってるよ。
「でも、サクは久隆くんにベタ惚れだから、無理かもね」
こうなる前に出来ることはあったのに、いい人ぶってた自分が悪いのだ。再会する前に無理やりにでも自分に向けることが出来ていれば。
でもなあ。
幸せそうな久隆を見ているとそれは違う気がするんだ。
前にも後ろにも進めない恋はどうやら終わりはないらしい。
「はぁ..」
「じゃあさ、こう考えたら?」
と葵が提案をする。
「恋してないよりいい。って」
「え?」
「世の中には恋をしたくてもできない人もいるわけでしょ?」
「そうだな」
「大里は、一途に何年も想えるほど素敵な相手に出逢って、素敵な恋をしてる。ね?少しは楽になるでしょ?」
片倉はやっぱりすごい奴だと思った。
「ああ、そうだな」
────大崎邸従業員食堂にて。
「なあ、久隆たちは?」
と、大里。
「上」
大里と葵は大崎邸の従業員食堂に居た。
「これ、美味しいねッ」
「ん?ああ..」
またイチャついてるのかッ。
大里はテーブルに突っ伏す。葵は気にせずプチトマトを口に運びながら、
「久隆くんだってさーもう、処女じゃないんだしー」
と隣で話し出す。
「リベンジもしちゃったわけだしさー。諦めたら?」
「は?!」
今、なんと?
「な、な?何て言った?」
「だからぁ。久隆くんにサクがね」
葵がフォークを置くと、親指と人差し指で輪っかを作り、反対側の人差し指をそこに突き刺し、
「INしたってこと」
と。
「ぬあッ」
大里はショックでガンッと、テーブルに頭を打った。
「大丈夫?大里」
「大丈夫くない」
羨ましい。
久隆にあんなことや、こんなことしてるってことなのか?!
ヤバい、立ちそう。
大里は久隆の喘ぐ姿を想像し、テーブルの下で股間を押さえる。
「大里、カッコいいんだし。いくらでも..」
「無理」
大里が、久隆を想って十年近く経つ。大里が自分の想いを自覚したとき、彼にはすでに他に想い人が居たが、会えない相手ならいつか終わる恋だと思っていた。想い続けていたらいつか、自分にもチャンスが来るのではないかと。そもそも、他の人を好きになれるくらいならこんなに拗らせていないだろう。
「まあ、気持ちはわからないでもないけど。相手があの久隆くんじゃあねぇ」
と、葵はオレンジジュースをストローでちゅうちゅう吸い始めた。
「距離感変だもんねッ」
「だが、距離感変わるの嫌」
「重症じゃん」
と、彼が乾いた笑いを漏らす。
「久隆君が振り向くなんて、サクに振られでもしない限り無理だと思うよ?」
分かってる。
分かってるよ。
「でも、サクは久隆くんにベタ惚れだから、無理かもね」
こうなる前に出来ることはあったのに、いい人ぶってた自分が悪いのだ。再会する前に無理やりにでも自分に向けることが出来ていれば。
でもなあ。
幸せそうな久隆を見ているとそれは違う気がするんだ。
前にも後ろにも進めない恋はどうやら終わりはないらしい。
「はぁ..」
「じゃあさ、こう考えたら?」
と葵が提案をする。
「恋してないよりいい。って」
「え?」
「世の中には恋をしたくてもできない人もいるわけでしょ?」
「そうだな」
「大里は、一途に何年も想えるほど素敵な相手に出逢って、素敵な恋をしてる。ね?少しは楽になるでしょ?」
片倉はやっぱりすごい奴だと思った。
「ああ、そうだな」
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