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────2章【久隆と葵】
□1「雛鳥と愛しい時間」
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****♡Side・咲夜
隣の部屋から聞こえる食器の音と漂うよい香りに、久隆が笑みを溢し起き上がる。彼はクリーム色のガウンをこちらに寄こし、
「先にご飯にしようか」
と咲夜の腕を掴む。
「ハンバーグとステーキだね」
と彼は、テーブルのほうに意識を向けている。カウンターに置かれた昼食はハンバーグのホイル包み焼きに半ステーキ。エビと梅ドレッシングのサラダに季節のスープ。
デザートは...。
ん?三人前?
「うん?」
半開きの廊下に面したドアから空気の流れを感じ、咲夜がそちらに目を向けると、
「葵、何してるの?」
葵が恨めしそうに部屋を覗き込んでいた。
「葵ちゃん、おいでよ」
久隆がドアに近づいて行くとその胸に葵は飛び込む。甘えん坊モードだ。
「久隆くんッ」
咲夜は、むぎゅっと抱きつく葵を、可愛いなぁと眺めながら、冷蔵庫からグラスを三つ取り出すと丸い氷をそれぞれに入れ、アイスティーを注ぐ。
「大里は?」
と、久隆が問うと、
「和たちとテニスするって言って先に食べてた」
と葵が返事をする。久隆は納得したように、
「そっか。早く食べよ?運んでくれてありがと」
と彼の髪をいい子いい子と撫でる。
「ふふふッ」
葵は嬉しそうだ。丸型の個別の椅子もあるが、三人はウッドデッキの方に葵を真ん中にカウンターの椅子に腰かけた。座る前に久隆が裏庭に面した窓を開けたため、秋らしい風が部屋の中に舞い込んでくる。大崎邸は裏庭とは言うものの、一般家庭のそれとは敷地面積が異なり、従業員が気軽にスポーツを楽しめるようにテニスコートなどが整備されていた。先日購入したバスケットゴールもそこに。地下にはちょっとした娯楽場も。
「おいしッ」
葵が美味しそうにハンバーグを頬張るのを、久隆がニコニコしながら見ている。
「可愛い」
むぅッ。
妬いちゃダメ。
ダメなんだけど...。
久隆が他の人を褒めると、心がチクッてなる。
なんでだろう?
「サクぅ?どしたの?」
葵はいつだって、すぐに気持ちに気づいてくれる、とても優しい子。だからこそ本音が言えない、咲夜。
「なんでもない」
と、強がれば葵は、
「久隆くん、サクがやきもちしてる」
と、無理やり微笑んだ咲夜の努力を、無下にする。
「え?」
久隆は一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに嬉しそうな顔をした。
ん?
えええ?
葵が頭を抱え身をすくめると、葵越しに久隆から腕を引かれ唇を奪われる。
「んんッ」
「咲夜は可愛い」
と離れると久隆が極上の笑みを浮かべたので、咲夜はその微笑みに悶絶した。
「デザートおいしッ」
葵はかわいくていいよなぁ。
「あーん」
スプーンで掬ってデザートを運んであげると小さな口をあける。まるで雛鳥のようだな、と咲夜は思うのだった。
隣の部屋から聞こえる食器の音と漂うよい香りに、久隆が笑みを溢し起き上がる。彼はクリーム色のガウンをこちらに寄こし、
「先にご飯にしようか」
と咲夜の腕を掴む。
「ハンバーグとステーキだね」
と彼は、テーブルのほうに意識を向けている。カウンターに置かれた昼食はハンバーグのホイル包み焼きに半ステーキ。エビと梅ドレッシングのサラダに季節のスープ。
デザートは...。
ん?三人前?
「うん?」
半開きの廊下に面したドアから空気の流れを感じ、咲夜がそちらに目を向けると、
「葵、何してるの?」
葵が恨めしそうに部屋を覗き込んでいた。
「葵ちゃん、おいでよ」
久隆がドアに近づいて行くとその胸に葵は飛び込む。甘えん坊モードだ。
「久隆くんッ」
咲夜は、むぎゅっと抱きつく葵を、可愛いなぁと眺めながら、冷蔵庫からグラスを三つ取り出すと丸い氷をそれぞれに入れ、アイスティーを注ぐ。
「大里は?」
と、久隆が問うと、
「和たちとテニスするって言って先に食べてた」
と葵が返事をする。久隆は納得したように、
「そっか。早く食べよ?運んでくれてありがと」
と彼の髪をいい子いい子と撫でる。
「ふふふッ」
葵は嬉しそうだ。丸型の個別の椅子もあるが、三人はウッドデッキの方に葵を真ん中にカウンターの椅子に腰かけた。座る前に久隆が裏庭に面した窓を開けたため、秋らしい風が部屋の中に舞い込んでくる。大崎邸は裏庭とは言うものの、一般家庭のそれとは敷地面積が異なり、従業員が気軽にスポーツを楽しめるようにテニスコートなどが整備されていた。先日購入したバスケットゴールもそこに。地下にはちょっとした娯楽場も。
「おいしッ」
葵が美味しそうにハンバーグを頬張るのを、久隆がニコニコしながら見ている。
「可愛い」
むぅッ。
妬いちゃダメ。
ダメなんだけど...。
久隆が他の人を褒めると、心がチクッてなる。
なんでだろう?
「サクぅ?どしたの?」
葵はいつだって、すぐに気持ちに気づいてくれる、とても優しい子。だからこそ本音が言えない、咲夜。
「なんでもない」
と、強がれば葵は、
「久隆くん、サクがやきもちしてる」
と、無理やり微笑んだ咲夜の努力を、無下にする。
「え?」
久隆は一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに嬉しそうな顔をした。
ん?
えええ?
葵が頭を抱え身をすくめると、葵越しに久隆から腕を引かれ唇を奪われる。
「んんッ」
「咲夜は可愛い」
と離れると久隆が極上の笑みを浮かべたので、咲夜はその微笑みに悶絶した。
「デザートおいしッ」
葵はかわいくていいよなぁ。
「あーん」
スプーンで掬ってデザートを運んであげると小さな口をあける。まるで雛鳥のようだな、と咲夜は思うのだった。
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