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2章『二人で探る幸せの場所』
3:寛ぐ二人に、影
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****♡Side・副社長(皇)
──塩田が好き。
頭がおかしくなりそうなくらい、塩田が好きだ。
しかし心配なんてされるとは思っていなかった。
たまにしか笑わなかった彼が、たくさん笑顔をくれる。
「なあ、皇」
と塩田は皇の耳元に唇を寄せ。
「エッチしたい」
「は⁉」
悪戯っぽくわき腹を撫でる彼の手を、皇は慌てて抑えた。彼は悪戯ばかりする。でも自分は彼に構って欲しいから、そんなところも本当は好き。
「ここ、会社の廊下だぞ」
と、皇が言えば、
「いいじゃん、見せつけてやろうぜ」
と、塩田。
だが、それが冗談なことは分かっている。
彼は意外と……。
「なんてな。誰にも見せねえ。皇は俺のだから」
と抱き寄せられる。
彼の独占欲の強さは意外だった。慣れれば慣れるほど独占欲が増す。
いつも塩対応で周りに興味がなさそうだったのに、皇に触れようとした者に牙を剥いた。
『俺のモノに触るな』
絶対に言わなそうなことだったのに。相手はもちろん驚いていたが、皇も驚いた。そしてきゅんとしたし、嬉しかったのだ。なんともお手軽である。
ただ、どうして彼の独占欲がそんなに強いのかは、分かっていない。だから、飽きたら見向きもしなくなるのではないかと怖くなる。
「皇」
「うん?」
年下の彼に夢中な自分。彼が笑えば、心まで蕩ける。
「今日は、忙しい?」
「そうでもないかな」
半分ほど飲んだカフェラテに、キャップをしながら。
「昼、一緒に食べよう」
と、彼。
いつでも一緒に居たいのは自分だけじゃないと知り、顔がにやけた。
「何、そんな嬉しそうに」
「塩田が誘ってくれたんだから、嬉しいに決まってるだろ」
「ふうん」
「信じてないんだ」
「そんなことない」
彼の指先が、皇の耳に触れる。
「お昼は定食屋でいいよな」
彼が一番好きなのは和食。皇の言う定食屋はたまに二人で足を運ぶところだ。いろんな種類の総菜が置いてあり、副菜を自分で選ぶことが出来る。その中でも彼は、あげナスを気に入っていた。大根おろしと特性ダレで食べるあげナスは、さっぱりしていて美味しい。
「ああ。もちろん」
彼の顔色が変わる。自分の好きな店だからだ。機嫌がとても分かりやすい。
「あそこのマイタケの天ぷら最高だよな」
脂っこいものを好まない彼だが、キノコの天ぷらは好きらしい。シイタケ、エノキ、シメジなどをよく注文している。
「うん、美味しいね」
「しし唐も好きなんだよな」
と、笑う彼をじっと見つめた。
やはり、いい男だ。本人は全く知らないようだが、女子社員に人気なのだ。
「昼、天ぷらにしようかな」
と、笑う彼に思わず抱きつく皇。
ここが会社だという事をすっかり忘れてしまっていた。
「皇?」
いちゃつく二人に、近づく影にも気づかずに。
──塩田が好き。
頭がおかしくなりそうなくらい、塩田が好きだ。
しかし心配なんてされるとは思っていなかった。
たまにしか笑わなかった彼が、たくさん笑顔をくれる。
「なあ、皇」
と塩田は皇の耳元に唇を寄せ。
「エッチしたい」
「は⁉」
悪戯っぽくわき腹を撫でる彼の手を、皇は慌てて抑えた。彼は悪戯ばかりする。でも自分は彼に構って欲しいから、そんなところも本当は好き。
「ここ、会社の廊下だぞ」
と、皇が言えば、
「いいじゃん、見せつけてやろうぜ」
と、塩田。
だが、それが冗談なことは分かっている。
彼は意外と……。
「なんてな。誰にも見せねえ。皇は俺のだから」
と抱き寄せられる。
彼の独占欲の強さは意外だった。慣れれば慣れるほど独占欲が増す。
いつも塩対応で周りに興味がなさそうだったのに、皇に触れようとした者に牙を剥いた。
『俺のモノに触るな』
絶対に言わなそうなことだったのに。相手はもちろん驚いていたが、皇も驚いた。そしてきゅんとしたし、嬉しかったのだ。なんともお手軽である。
ただ、どうして彼の独占欲がそんなに強いのかは、分かっていない。だから、飽きたら見向きもしなくなるのではないかと怖くなる。
「皇」
「うん?」
年下の彼に夢中な自分。彼が笑えば、心まで蕩ける。
「今日は、忙しい?」
「そうでもないかな」
半分ほど飲んだカフェラテに、キャップをしながら。
「昼、一緒に食べよう」
と、彼。
いつでも一緒に居たいのは自分だけじゃないと知り、顔がにやけた。
「何、そんな嬉しそうに」
「塩田が誘ってくれたんだから、嬉しいに決まってるだろ」
「ふうん」
「信じてないんだ」
「そんなことない」
彼の指先が、皇の耳に触れる。
「お昼は定食屋でいいよな」
彼が一番好きなのは和食。皇の言う定食屋はたまに二人で足を運ぶところだ。いろんな種類の総菜が置いてあり、副菜を自分で選ぶことが出来る。その中でも彼は、あげナスを気に入っていた。大根おろしと特性ダレで食べるあげナスは、さっぱりしていて美味しい。
「ああ。もちろん」
彼の顔色が変わる。自分の好きな店だからだ。機嫌がとても分かりやすい。
「あそこのマイタケの天ぷら最高だよな」
脂っこいものを好まない彼だが、キノコの天ぷらは好きらしい。シイタケ、エノキ、シメジなどをよく注文している。
「うん、美味しいね」
「しし唐も好きなんだよな」
と、笑う彼をじっと見つめた。
やはり、いい男だ。本人は全く知らないようだが、女子社員に人気なのだ。
「昼、天ぷらにしようかな」
と、笑う彼に思わず抱きつく皇。
ここが会社だという事をすっかり忘れてしまっていた。
「皇?」
いちゃつく二人に、近づく影にも気づかずに。
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