R18【異・同性恋愛】『二人を繋ぐ宝物の日々』

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『二人を繋ぐ宝物の日々』

11・稔と紅の共通点

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 ****♡Side・稔(大里)

 人生は、何があるか分からない。大里 稔は、前々からこの栗原 紅《こう》の一つ下の妹である望が、美人なことに注目していた。出来れば、お近づきになりたい。さらに、もう少し贅沢を言えば友人になりたい。最終希望としては、恋人関係になりたいと思っていた。だが、理由は美人なだけではない。

 確かに自分はセレブ一家の、跡取り。縁談は、イヤというほど舞い込んでくる。しかし、大抵が容姿と金。そこしか見てはいない。だが、自分は中身を見てくれる人と、結ばれたい。そんな時だった、彼女の存在に気づいたのは。学年が違うと接点がなく、初めは名前すら知らなかった。父の秘書に調べさせ、名前と学年を知る。同級生の彼女の兄が居ることを知って、心が躍った。

 彼女の兄、紅はとても穏やかでほんわかした性格の持ち主。調べているうちに、彼ら兄妹が、K学園では有名な二大セレブの一人”大崎”と幼馴染みであることも知る。金持ち慣れしているという事だ。ただ、
『望さまは、金持ちとのお付き合いを望まれているようです』
 という報告を受けた時、一度絶望した。結局、彼女も他の奴らと同じなのかと。だが、その報告には続きがあったのだ。

『幼なじみであり、親友の大崎 夏海さまの為の様です。将来彼女が孤立してしまわないように、あるべく同じ境遇にありたいと望まれているとか』
 感動したのは言うまでもない。調べれば、調べるほどに、彼女には惹かれていった。振り回されながらも、友人を大切にするその姿に、一方的ながらのめり込んでしまっている。そこで、はたと気づく。

 ───まずい、このままではただのストーカーじゃないか。

 気づけば、調べ始めて相当な時間を要していた。焦った、稔はまずは兄と仲良くなろうと作戦を企てた。
「く、栗原くん」
 しかし、声をかけたものの会話が続かない。
「ん?」
 のほほんと返事をする、彼。

 ───さて、困った。どうしよう。

「君の妹さん、美人だよね」
 悩んだ挙句、ストレートに行くことにした。
「そう?見慣れてるし。俺、可愛い系が好きだから」
 と紅。
「妹に気があるの?」
 彼は怠そうに教室の椅子に腰かけていたのに、何故か急に身を乗り出してきた。それどころか、座ったら?と前の席を顎でしゃくる。昼休み後で、教室には人がまばらだ。稔は、紅の席の前の椅子を拝借することにする。
「ストレートに来たのは、大里くんが初めてかも」
 と、彼。その様子から、散々同じ目に合っているのだと思った。
「みんな、近づいてくるやつは、妹目当て。仲良くなったかなと思ったら、妹紹介してだろ。嫌になっちゃってさ」
 と、続ける。それを聞いた稔は、目的は違うが共感を持ってしまう。
「なんだかそれって、縁談と似てるよな…」
 と、思わず漏らしてしまい、その事が逆に仲良くなるきっかけとなったのだった。人生とはどう転ぶか分からないものだ。
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