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2021’1、2
鵺 (第八稿)
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そせじ番長 様作
【あらすじ引用】
禅僧の悟省は絵が得意である。天狗になる悟省に禅師は修行として鵺(ぬえ)という化け物を描くように言いつける。次第に絵にのめり込み、鵺に魅入られていく悟省に狂気が忍びよりはじめる。悟省にとって上達とはなにか。真に書きたいものはなんであったか。悟りとはなにか?
*補足(全ウェブ調べ)
省みる《「顧みる」と同語源》自分のしたことを、もう一度考えてみる。反省する。
〖省〗 セイ・ショウ(シヤウ)・かえりみる・はぶく
1.自己の内心をよくみる。かえりみる。
2.注意してみる。心してみる。
〖顧〗 かえりみる
1.ふりかえって見る。見まわす。かえりみる。
2.思いめぐらす。心をその方へむける。心にかける。おもう。
〖悟〗 ゴ・さとる
1.是非がはっきり判断できる。迷いがなくなる。またその力。
2.わかりがよい。さとりが早い。
じゆう-かったつ【自由闊達】 心が広くのびのびとして物事にこだわらないさま。 ▽「闊達」は度量が大きく、小事にこだわらないさま。
【禅師】
1.禅に通じた師。
2.高徳の僧、特に禅僧に、朝廷から賜る称号。
【物語は】
ある若い層が、自由闊達に描いた絵を高値で買う者が現れたことにより、天狗になる堕落し、禅師に悟省と改名するように言われるところから展開されていく。この物語で重要なのは”顧みる”ではなく”省みる”というところにあり、二つの違いは”顧みる”とは思いめぐらすなどどちらかと言うと、回想などの記憶に対しての意味合いがあるものであり、それに対して”省みる”とは、自分自身と向き合い、己の行いを振り返る、反省するなどの意味合いを持つものだと思われる。すなわち”省みる”ところから”悟”までが描かれているのではないかと解釈した。
【物語の魅力】
物語に惹きこんでいく文体、表現、言葉選び展開、構成に至るまで、拘り抜かれているのは一目瞭然である。もちろんそれらが巧みであることも素晴らしいが、一番の魅力は物語自体にあり、主人公を通して読者が悟りを開くことにあると思われる。この語りでは”本物の鵺”を描いてみろという、無理難題を言い渡される。鵺とは妖怪であり、実際に見ることは出来ないが”本物”とは実際のものを描けという事を言っているわけではない。では鵺は何を象徴しているのか?それは『得体の知れないもの』であり、『恐怖』を指しているのではないかと思う。したがって”本物の鵺”とは、自分なりの答えを見つけろという意味なのではないだろうか?
【禅師と悟省】
禅師が悟省を通し見たかったものと、悟省が導いた答えは必ずしも一致しないのではないかと思う。悟省は原点(母との記憶)に帰ることで、悟りを開いていく。その過程には、鵺とは何かを追い続け”これだ”というものが見つからないという答えに辿り着いている。禅師は兄に似た悟省に、兄が何だったのか答えを見つけてくれるのではないか、と期待を寄せていた。
鵺とは己自身であり、己と向き合うことにより悟りは開かれるという作者からの、メッセージなのではないかと想像する。とても深い物語であり、様々なことを考えさせられました。この答えもまた、合ってはいないのかも知れません。
【あらすじ引用】
禅僧の悟省は絵が得意である。天狗になる悟省に禅師は修行として鵺(ぬえ)という化け物を描くように言いつける。次第に絵にのめり込み、鵺に魅入られていく悟省に狂気が忍びよりはじめる。悟省にとって上達とはなにか。真に書きたいものはなんであったか。悟りとはなにか?
*補足(全ウェブ調べ)
省みる《「顧みる」と同語源》自分のしたことを、もう一度考えてみる。反省する。
〖省〗 セイ・ショウ(シヤウ)・かえりみる・はぶく
1.自己の内心をよくみる。かえりみる。
2.注意してみる。心してみる。
〖顧〗 かえりみる
1.ふりかえって見る。見まわす。かえりみる。
2.思いめぐらす。心をその方へむける。心にかける。おもう。
〖悟〗 ゴ・さとる
1.是非がはっきり判断できる。迷いがなくなる。またその力。
2.わかりがよい。さとりが早い。
じゆう-かったつ【自由闊達】 心が広くのびのびとして物事にこだわらないさま。 ▽「闊達」は度量が大きく、小事にこだわらないさま。
【禅師】
1.禅に通じた師。
2.高徳の僧、特に禅僧に、朝廷から賜る称号。
【物語は】
ある若い層が、自由闊達に描いた絵を高値で買う者が現れたことにより、天狗になる堕落し、禅師に悟省と改名するように言われるところから展開されていく。この物語で重要なのは”顧みる”ではなく”省みる”というところにあり、二つの違いは”顧みる”とは思いめぐらすなどどちらかと言うと、回想などの記憶に対しての意味合いがあるものであり、それに対して”省みる”とは、自分自身と向き合い、己の行いを振り返る、反省するなどの意味合いを持つものだと思われる。すなわち”省みる”ところから”悟”までが描かれているのではないかと解釈した。
【物語の魅力】
物語に惹きこんでいく文体、表現、言葉選び展開、構成に至るまで、拘り抜かれているのは一目瞭然である。もちろんそれらが巧みであることも素晴らしいが、一番の魅力は物語自体にあり、主人公を通して読者が悟りを開くことにあると思われる。この語りでは”本物の鵺”を描いてみろという、無理難題を言い渡される。鵺とは妖怪であり、実際に見ることは出来ないが”本物”とは実際のものを描けという事を言っているわけではない。では鵺は何を象徴しているのか?それは『得体の知れないもの』であり、『恐怖』を指しているのではないかと思う。したがって”本物の鵺”とは、自分なりの答えを見つけろという意味なのではないだろうか?
【禅師と悟省】
禅師が悟省を通し見たかったものと、悟省が導いた答えは必ずしも一致しないのではないかと思う。悟省は原点(母との記憶)に帰ることで、悟りを開いていく。その過程には、鵺とは何かを追い続け”これだ”というものが見つからないという答えに辿り着いている。禅師は兄に似た悟省に、兄が何だったのか答えを見つけてくれるのではないか、と期待を寄せていた。
鵺とは己自身であり、己と向き合うことにより悟りは開かれるという作者からの、メッセージなのではないかと想像する。とても深い物語であり、様々なことを考えさせられました。この答えもまた、合ってはいないのかも知れません。
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