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2021’3
戦ノ神の新約戦記
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関枚 様作
【あらすじ引用】
人間、魔獣、亜人の三種族が支配する世界。その三つの存在は共利関係により協力しあって生きてきた。しかし、人口増加に伴って崩れた三つの関係。人間は亜人へ宣戦布告を開始し、人魔大戦が起きてしまう。
結果亜人は全滅。高笑いをする人類を蹴落とすように目を覚ましたのは今まで亜人によって狩られてきた魔獣。亜人が死んでいったことにより魔獣は急激に繁殖を始め、亜人の怒りが乗り移ったかの如く活性化をしてしまい、今や人類の脅威と成り果てていた。
一方、世界を創った神の世界でも影響は起きている。亜人が全滅したことにより役割を失った亜人側の神は次々に死んでいった。役割を失った神は死ぬ、それが神の掟である。戦の神、マルスはその罪をきせられ天界からの追放を受ける。下界へ降りたマルスの世界の均衡を保つ、運命への抗いが始まった。
【物語は】
あらすじにもあるように、この物語の世界では人間、魔獣、亜人の種族がバランスにより保たれていた。しかしそのバランスが崩れたことが、この世界のターニングポイントだと思われる。世界観について、神と三種族の繋がり方には納得のいくものがある。すなわち物語の世界観が、とても自然な思想によって構築されているという印象。この後、神々の大裁判によって話が進んでいく。それはまるで会社で上司と部下が言い合いをしているかように、見えてしまう。問題が起きた時、”優秀な上司ならどうするのか?”と考えさせられる物語である。
普段お目にかかれない偉大な存在の神であっても、我々人間と変わらないという部分に親近感が沸く。この先一体どうなるのだろうか、これは理不尽ではないのかと、主人公たちの動向をハラハラと見守っていくこととなる。
【物語の魅力】
前述したように、親近感が湧くような分かりやすい物語の流れである。世界観にはオリジナル要素が多数含まれていながらも、読み手が前のめりになって読んでしまうのは、多くの人が共感を得やすい内容と展開だからだと思われる。自分よりも上位の神と主人公が言い合いをしている間にも、世界のバランスはどんどんおかしくなっていく。
今、責任問題を問うべきなのか?
それとも先に何か手を施すべきではないのか。
この場面では、無能な上司と全責任を押し付けられた新入社員のような関係が、物語に入りやすい理由の一つではないのだろうか。立場などを想像しやすいからこそ人は感情移入しやすく、物語にのめり込むものである。そこもこの物語の魅力の一つだ。
このあと主人公は神であったが、全ての責任を押し付けられ下界へ下る。彼は言いたいことをはっきり言うことできる人物だ。客観的に見ても、彼の主張は一理あると思うのだが、誰も聞く耳を持たない。こんなのパワハラだよ、と感じた人も少なくないのではないだろうか。こんな風に身近なことに置き換えて考えられるというのは、物語が誰にでも想像しやすいということ。とても巧いと思われる。
【主人公の魅力】
彼は不満を持ちながらも、自分の職務を真面目にこなしてきた印象が強い。元々孤独とならざるを得ない職務だった為、下界では解放感を味わうこともできる。しかし、一所懸命真面目に働いてきたサラリーマンに置き換えると、それだけ会社に尽くしてきたのに、全ての罪を擦り付けられ追い出される。何ともやりきれない。それでもまだやらねばならないことがあるとは、とても不憫である。
主人公は、とても冷静な人物だ。心情が丁寧に描かれているので、焦りや恐怖なども分かりやすく、一緒にハラハラするような場面もある。元神でありながら、生きるために必死な部分など、一所懸命な姿が好感が持てる。思わず応援したくなるような魅力をもつ主人公である。
そして話の展開に無理がなく、賢い選択をしていくのも落ち着いて見られる良い点の一つである。
【物語の見どころ】
世界の成り立ち、主人公の境遇。これらは実に丁寧に描かれており、別のものに置き換えて、彼の心情を想像することも出来る。これ自体が物語への入りやすさであり、魅力の一つともいえるだろう。更に面白さ(面白味)が増してくるのは5話あたりから。机上での戦争をしていた時とは違い、実際に人間たちがどのように生活をしているのかや魔獣に立ち向かっているのかを、下界に降りた主人公は目の当たりにしていくこととなる。
恐らく人間たちと関わっていくことで、彼自身得られるものが多いと想像する。孤独な神は、彼らを見て何を思うのか。小タイトルを見ると、主人公が彼らと絆を築いていくのではないかという期待も持てる。先の楽しみな物語である。
是非あなたも、お手に取られてみはいかがでしょうか?
お奨めです。
【あらすじ引用】
人間、魔獣、亜人の三種族が支配する世界。その三つの存在は共利関係により協力しあって生きてきた。しかし、人口増加に伴って崩れた三つの関係。人間は亜人へ宣戦布告を開始し、人魔大戦が起きてしまう。
結果亜人は全滅。高笑いをする人類を蹴落とすように目を覚ましたのは今まで亜人によって狩られてきた魔獣。亜人が死んでいったことにより魔獣は急激に繁殖を始め、亜人の怒りが乗り移ったかの如く活性化をしてしまい、今や人類の脅威と成り果てていた。
一方、世界を創った神の世界でも影響は起きている。亜人が全滅したことにより役割を失った亜人側の神は次々に死んでいった。役割を失った神は死ぬ、それが神の掟である。戦の神、マルスはその罪をきせられ天界からの追放を受ける。下界へ降りたマルスの世界の均衡を保つ、運命への抗いが始まった。
【物語は】
あらすじにもあるように、この物語の世界では人間、魔獣、亜人の種族がバランスにより保たれていた。しかしそのバランスが崩れたことが、この世界のターニングポイントだと思われる。世界観について、神と三種族の繋がり方には納得のいくものがある。すなわち物語の世界観が、とても自然な思想によって構築されているという印象。この後、神々の大裁判によって話が進んでいく。それはまるで会社で上司と部下が言い合いをしているかように、見えてしまう。問題が起きた時、”優秀な上司ならどうするのか?”と考えさせられる物語である。
普段お目にかかれない偉大な存在の神であっても、我々人間と変わらないという部分に親近感が沸く。この先一体どうなるのだろうか、これは理不尽ではないのかと、主人公たちの動向をハラハラと見守っていくこととなる。
【物語の魅力】
前述したように、親近感が湧くような分かりやすい物語の流れである。世界観にはオリジナル要素が多数含まれていながらも、読み手が前のめりになって読んでしまうのは、多くの人が共感を得やすい内容と展開だからだと思われる。自分よりも上位の神と主人公が言い合いをしている間にも、世界のバランスはどんどんおかしくなっていく。
今、責任問題を問うべきなのか?
それとも先に何か手を施すべきではないのか。
この場面では、無能な上司と全責任を押し付けられた新入社員のような関係が、物語に入りやすい理由の一つではないのだろうか。立場などを想像しやすいからこそ人は感情移入しやすく、物語にのめり込むものである。そこもこの物語の魅力の一つだ。
このあと主人公は神であったが、全ての責任を押し付けられ下界へ下る。彼は言いたいことをはっきり言うことできる人物だ。客観的に見ても、彼の主張は一理あると思うのだが、誰も聞く耳を持たない。こんなのパワハラだよ、と感じた人も少なくないのではないだろうか。こんな風に身近なことに置き換えて考えられるというのは、物語が誰にでも想像しやすいということ。とても巧いと思われる。
【主人公の魅力】
彼は不満を持ちながらも、自分の職務を真面目にこなしてきた印象が強い。元々孤独とならざるを得ない職務だった為、下界では解放感を味わうこともできる。しかし、一所懸命真面目に働いてきたサラリーマンに置き換えると、それだけ会社に尽くしてきたのに、全ての罪を擦り付けられ追い出される。何ともやりきれない。それでもまだやらねばならないことがあるとは、とても不憫である。
主人公は、とても冷静な人物だ。心情が丁寧に描かれているので、焦りや恐怖なども分かりやすく、一緒にハラハラするような場面もある。元神でありながら、生きるために必死な部分など、一所懸命な姿が好感が持てる。思わず応援したくなるような魅力をもつ主人公である。
そして話の展開に無理がなく、賢い選択をしていくのも落ち着いて見られる良い点の一つである。
【物語の見どころ】
世界の成り立ち、主人公の境遇。これらは実に丁寧に描かれており、別のものに置き換えて、彼の心情を想像することも出来る。これ自体が物語への入りやすさであり、魅力の一つともいえるだろう。更に面白さ(面白味)が増してくるのは5話あたりから。机上での戦争をしていた時とは違い、実際に人間たちがどのように生活をしているのかや魔獣に立ち向かっているのかを、下界に降りた主人公は目の当たりにしていくこととなる。
恐らく人間たちと関わっていくことで、彼自身得られるものが多いと想像する。孤独な神は、彼らを見て何を思うのか。小タイトルを見ると、主人公が彼らと絆を築いていくのではないかという期待も持てる。先の楽しみな物語である。
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