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2021’3
賢者が恋した賢者の恋
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北条ユキカゲ 様作
【あらすじ引用】
太古の昔から存在する忌まわしき呪い『散りぬる陽』によって、『現し世』と呼ばれるその世界は人知れず破滅へと近づいていた───
神出鬼没に出現する散りぬる陽から現し世を守る為、数少ない仲間たちと各地を奔走する大賢者セルシアスは、絶大な魔力を有する麗しき女魔導師ラシディアと出逢う。この出逢いによって現し世の運命が大きく動き始める。
『散りぬる陽』とは何なのか? 何故魔導師ラシディアはそれ程までに強大な魔力を持っているのか?
滅び去った狂信の宗教国家、謎に包まれた古代文明───物語は過去へと遡り、謎は少しずつ紐解かれて行く。
多くの登場人物それぞれに焦点を当てて描かれる、壮大なスケールのファンタジー群像劇。
【物語は】
二人の女性が戦っている様子が、リズミカルな表現の呪文と情景描写によって描かれており、その後プロローグへと移っていく。演出の凝った始まりとなっている。その戦いを見守る数人の者たち。彼らが物語の主要人物なのだろうか。しかしこの時の彼らは、ある人物の強さを示すため、桁違いの戦いを見守る観衆であった。プロローグには、この世界を変える”予感”が描かれている。ここから少しずつ、この世界の謎などについて紐解かれていくに違いない。
【登場人物の魅力】
プロローグでは、まだ一人の名前しか明かされていない。数名の人物が出てくることは分かってはいるが。この物語の良いところは、登場人物が多めなのにも関わらず、一気に名前を出すことが無く、読者がついて行けないという現象が起きないところである。プロローグでは数名の登場人物が、容姿の特徴のみで語られている。この先出てくることになるであろう人物たちだ。彼らはいつどのように登場するのか。または、出会いから描かれるのだろうかなど、色んな憶測が広がる。一章に入ると、あらすじに書かれている”絶大な魔力を有する麗しき女魔導師”が出てくるのだが、その肩書のイメージとはかけ離れた女性が登場する。あなたは、あらすじからこの女性をどんな人物だと想像するだろうか?想像してから読むと意外性に驚くはずである。
【物語の魅力】
この物語に触れるにあたり、作者様から少し説明をいただいている。その構成はとても面白い。この物語の核心に迫るのは三章であり、それは過去にあるという。つまり、この物語は過去に重要な何かがあるという事だ。そこに至るまでに、主要な登場人物たちの目的や普段の様子、人間関係が語られているのではないかと思われる。実際物語に入ると、堅苦しい感じはせず、コミカルな部分もある。
一話では、店の店主とのやり取りで笑ってしまう部分もある。その中で魔女と一緒にいる人物の両方がどれだけ凄い存在なのかもわかっていく。この物語は、全体に良いリズムで紡がれていく。会話の内容は真面目だがコミカルなので、サクサク読めて面白い。群像劇なので視点が移りかわっていくものの、読み辛いという事もなく、誰の視点であるのか明記しているわけではないが、分かりやすい。
【物語の見どころ】
プロローグ部分と本編とでは、かなり雰囲気が変わる。プロローグ部分は重苦しく感じる部分もあるが本編に入ると、とても明るく快活なイメージへと変化する。つまりそれだけ導入部分に重点を置き、世界観を大切にしていると考えられる。この世界は破滅へと向かっているようだが、暗い出来事もあれば明るい出来事もあるという当たり前の日常風景により、人々が生活しているとうリアリティを感じるのだ。何かに驚くこともあれば、恋をすることもある。ここには現実と変わらない世界が広がっている。しかし、それは人が暮らすという意味での変わらないである。ファンタジーらしさも大切にしている物語だと感じる。オリジナル部分の世界観について、特に”物の名”などは凝っている。しかも、凝っているだけではなく”美しさ”も感じた。(美的センス)
読む手が止まらなくなる、読みやすい物語である。続きも非常に楽しみだ。
是非あなたもお手に取られてみませんか?
しっかりとした世界観があり、丁寧に作られた作品です。読者を楽しませようとする作者の想いも感じます。お奨めです。
【あらすじ引用】
太古の昔から存在する忌まわしき呪い『散りぬる陽』によって、『現し世』と呼ばれるその世界は人知れず破滅へと近づいていた───
神出鬼没に出現する散りぬる陽から現し世を守る為、数少ない仲間たちと各地を奔走する大賢者セルシアスは、絶大な魔力を有する麗しき女魔導師ラシディアと出逢う。この出逢いによって現し世の運命が大きく動き始める。
『散りぬる陽』とは何なのか? 何故魔導師ラシディアはそれ程までに強大な魔力を持っているのか?
滅び去った狂信の宗教国家、謎に包まれた古代文明───物語は過去へと遡り、謎は少しずつ紐解かれて行く。
多くの登場人物それぞれに焦点を当てて描かれる、壮大なスケールのファンタジー群像劇。
【物語は】
二人の女性が戦っている様子が、リズミカルな表現の呪文と情景描写によって描かれており、その後プロローグへと移っていく。演出の凝った始まりとなっている。その戦いを見守る数人の者たち。彼らが物語の主要人物なのだろうか。しかしこの時の彼らは、ある人物の強さを示すため、桁違いの戦いを見守る観衆であった。プロローグには、この世界を変える”予感”が描かれている。ここから少しずつ、この世界の謎などについて紐解かれていくに違いない。
【登場人物の魅力】
プロローグでは、まだ一人の名前しか明かされていない。数名の人物が出てくることは分かってはいるが。この物語の良いところは、登場人物が多めなのにも関わらず、一気に名前を出すことが無く、読者がついて行けないという現象が起きないところである。プロローグでは数名の登場人物が、容姿の特徴のみで語られている。この先出てくることになるであろう人物たちだ。彼らはいつどのように登場するのか。または、出会いから描かれるのだろうかなど、色んな憶測が広がる。一章に入ると、あらすじに書かれている”絶大な魔力を有する麗しき女魔導師”が出てくるのだが、その肩書のイメージとはかけ離れた女性が登場する。あなたは、あらすじからこの女性をどんな人物だと想像するだろうか?想像してから読むと意外性に驚くはずである。
【物語の魅力】
この物語に触れるにあたり、作者様から少し説明をいただいている。その構成はとても面白い。この物語の核心に迫るのは三章であり、それは過去にあるという。つまり、この物語は過去に重要な何かがあるという事だ。そこに至るまでに、主要な登場人物たちの目的や普段の様子、人間関係が語られているのではないかと思われる。実際物語に入ると、堅苦しい感じはせず、コミカルな部分もある。
一話では、店の店主とのやり取りで笑ってしまう部分もある。その中で魔女と一緒にいる人物の両方がどれだけ凄い存在なのかもわかっていく。この物語は、全体に良いリズムで紡がれていく。会話の内容は真面目だがコミカルなので、サクサク読めて面白い。群像劇なので視点が移りかわっていくものの、読み辛いという事もなく、誰の視点であるのか明記しているわけではないが、分かりやすい。
【物語の見どころ】
プロローグ部分と本編とでは、かなり雰囲気が変わる。プロローグ部分は重苦しく感じる部分もあるが本編に入ると、とても明るく快活なイメージへと変化する。つまりそれだけ導入部分に重点を置き、世界観を大切にしていると考えられる。この世界は破滅へと向かっているようだが、暗い出来事もあれば明るい出来事もあるという当たり前の日常風景により、人々が生活しているとうリアリティを感じるのだ。何かに驚くこともあれば、恋をすることもある。ここには現実と変わらない世界が広がっている。しかし、それは人が暮らすという意味での変わらないである。ファンタジーらしさも大切にしている物語だと感じる。オリジナル部分の世界観について、特に”物の名”などは凝っている。しかも、凝っているだけではなく”美しさ”も感じた。(美的センス)
読む手が止まらなくなる、読みやすい物語である。続きも非常に楽しみだ。
是非あなたもお手に取られてみませんか?
しっかりとした世界観があり、丁寧に作られた作品です。読者を楽しませようとする作者の想いも感じます。お奨めです。
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