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2021’3
倶(とも)に纏いし、纏われし(略)
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倶(とも)に纏いし、纏われし――人々の流す血と涙を止めんがために―― 〔新たなる一歩〕
緋村 真実 様作
【あらすじ引用】
この世に生まれた時点で、心身の何処かに欠損を抱える人間と、その欠損を補う物――倶纏くてん――が存在する世界。一日しか記憶を保つ事が出来ない少年、高天たかま詞御しおんは、倶纏である相棒のセフィアと共に、誰にも犯す事のできない唯一無二である己の真実の下に、犯罪者を捕まえる浄化屋を生業としていた。しかし、ある日、世間の情勢から組織が規定改定を行った事により資格が凍結される。解除する為の条件は高校を卒業する事。故に凍結解除の為、月読つくよみ王国にある養成機関の一つである高等部の編入試験を受け、無事に合格を果たし目的に一歩近づく。
合格後、理事長室に案内されると、この国の女王――理事長――からとある事を提示される。それは、養成機関で代表の座を勝ち取り、もう一つの機関のパートナー同士で競う〝闘いの儀(レクシオン)〟で勝利する事。成し遂げれば一足飛びで高卒扱いにする、と。片割れは既に決まっており、女王の娘でもあり序列一位の依夜いよ。
だが、〝闘いの儀(レクシオン)〟には真の目的が隠されていた。それは――
【物語は】
ごく一部の人間しか入ることの許されない場所で、王の後悔と決意から始まる。
本編に入るとガラリと雰囲気が変わり、ある戦闘風景へと移る。この部分では、主人公の仕事でもある”浄化屋”について語られ、国のシステムなどについて分かる。
ここで気になること。それは、この浄化屋のシステムについてである。危険な仕事ではあるが、犯罪を取り締まるためにはそれなりの人手を必要とし、生活を支えるためには、低年齢でも働かなくてはならなかったという事。
そして彼らのお陰で平和になったというのに、その事を忘、れ表面ばかりを見て世論が動いたという事である。世論とは、何処であっても表面でしか見ないものだと常々感じている。この物語の世界観にはリアリティが持たされていると感じた。
【物語の魅力】
しっかりとした土台の上に、リアリティが持たされており、いろいろと考えさせられることが多い。世論の無責任な発言が通り、法が変わる。
では、それまで”浄化屋”で生活を支えていた者たちは、どうやって生きていけばいいというのだろうか。犯罪者に殺害されずとも、生活が立ち行かなければ餓死する。それは結果として、同じ末路を辿るのではないだろうか。その時無責任な世論というのは、彼らに対しどう責任を取るというのだろうか。
この物語の中では、そう言った世論の動きにより法が変わり、資格を凍結された者が主人公である。客観的に考えても、職を奪われれば生活に支障をきたすことくらいは分かるはず。彼は国であり、世論の犠牲者と言っても過言ではないと思う。
【登場人物の魅力】
資格を凍結された主人公は解除の為、高校を卒業しなければならない。しかしながら入学しなければ、卒業も出来ないということ。そんな事情からも彼は、編入試験に挑むことになる。
この試験では、主人公と倶纏である相棒の性格が見えてくる。主人公は、一見頑固に思えるがそうではない。手を残して置きたいと考えるタイプに思える。先のことを見越して、自分に不利になる要素を増やしたくはない。冷静で、思慮深いのではないかと感じた。
産まれた時から共にいるのだから、この世界では当たり前のことかも知れないが、主人公と倶纏である相棒の間には、二人の強い絆と信頼関係で結ばれていることを感じる。
この戦いではもう一人ある人物が出てくる。この人物はこの後、二人に深く関係していくのではないかと思われる。
【この物語の見どころ】
この物語は、世界観がしっかりしており、それに対してリアリティを持たせている。その世界観に対しての説明も丁寧であり、納得がいく。
その上で主人公が苦労しており、ある案を持ちかけられるのだ。その案に乗るか乗らないのかは、まだ分からない。
だが彼は、ちゃんと先まで考えて自分がどうするか決めるに違いない。
続いて戦闘シーンも見どころの一つ。
この物語の戦闘シーンの良さというのは、行動描写が丁寧で分かりやすいだけではない。心理描写が丁寧でもあるのだが、戦略を考えた頭脳戦であることが特徴。思わず集中して読んでしまうほどに面白く、深い。
そしてこの戦闘はどちらか一方が強いという偏った描かれ方でもない。緊迫感と臨場感のある接戦なのだ。もちろん押される場面もある。だがギリギリの戦いだからこそ、手に汗握る臨場感が味わえる。
拝読させていただいた部分は、物語としてはまだ序盤。いよいよこれから彼の本当の戦いが始まる。そして真の目的とは一体?
果たして、どんなラストが主人公を待ち受けているのだろうか⁈
あなたも是非お手に取られてみませんか?
おススメです。
緋村 真実 様作
【あらすじ引用】
この世に生まれた時点で、心身の何処かに欠損を抱える人間と、その欠損を補う物――倶纏くてん――が存在する世界。一日しか記憶を保つ事が出来ない少年、高天たかま詞御しおんは、倶纏である相棒のセフィアと共に、誰にも犯す事のできない唯一無二である己の真実の下に、犯罪者を捕まえる浄化屋を生業としていた。しかし、ある日、世間の情勢から組織が規定改定を行った事により資格が凍結される。解除する為の条件は高校を卒業する事。故に凍結解除の為、月読つくよみ王国にある養成機関の一つである高等部の編入試験を受け、無事に合格を果たし目的に一歩近づく。
合格後、理事長室に案内されると、この国の女王――理事長――からとある事を提示される。それは、養成機関で代表の座を勝ち取り、もう一つの機関のパートナー同士で競う〝闘いの儀(レクシオン)〟で勝利する事。成し遂げれば一足飛びで高卒扱いにする、と。片割れは既に決まっており、女王の娘でもあり序列一位の依夜いよ。
だが、〝闘いの儀(レクシオン)〟には真の目的が隠されていた。それは――
【物語は】
ごく一部の人間しか入ることの許されない場所で、王の後悔と決意から始まる。
本編に入るとガラリと雰囲気が変わり、ある戦闘風景へと移る。この部分では、主人公の仕事でもある”浄化屋”について語られ、国のシステムなどについて分かる。
ここで気になること。それは、この浄化屋のシステムについてである。危険な仕事ではあるが、犯罪を取り締まるためにはそれなりの人手を必要とし、生活を支えるためには、低年齢でも働かなくてはならなかったという事。
そして彼らのお陰で平和になったというのに、その事を忘、れ表面ばかりを見て世論が動いたという事である。世論とは、何処であっても表面でしか見ないものだと常々感じている。この物語の世界観にはリアリティが持たされていると感じた。
【物語の魅力】
しっかりとした土台の上に、リアリティが持たされており、いろいろと考えさせられることが多い。世論の無責任な発言が通り、法が変わる。
では、それまで”浄化屋”で生活を支えていた者たちは、どうやって生きていけばいいというのだろうか。犯罪者に殺害されずとも、生活が立ち行かなければ餓死する。それは結果として、同じ末路を辿るのではないだろうか。その時無責任な世論というのは、彼らに対しどう責任を取るというのだろうか。
この物語の中では、そう言った世論の動きにより法が変わり、資格を凍結された者が主人公である。客観的に考えても、職を奪われれば生活に支障をきたすことくらいは分かるはず。彼は国であり、世論の犠牲者と言っても過言ではないと思う。
【登場人物の魅力】
資格を凍結された主人公は解除の為、高校を卒業しなければならない。しかしながら入学しなければ、卒業も出来ないということ。そんな事情からも彼は、編入試験に挑むことになる。
この試験では、主人公と倶纏である相棒の性格が見えてくる。主人公は、一見頑固に思えるがそうではない。手を残して置きたいと考えるタイプに思える。先のことを見越して、自分に不利になる要素を増やしたくはない。冷静で、思慮深いのではないかと感じた。
産まれた時から共にいるのだから、この世界では当たり前のことかも知れないが、主人公と倶纏である相棒の間には、二人の強い絆と信頼関係で結ばれていることを感じる。
この戦いではもう一人ある人物が出てくる。この人物はこの後、二人に深く関係していくのではないかと思われる。
【この物語の見どころ】
この物語は、世界観がしっかりしており、それに対してリアリティを持たせている。その世界観に対しての説明も丁寧であり、納得がいく。
その上で主人公が苦労しており、ある案を持ちかけられるのだ。その案に乗るか乗らないのかは、まだ分からない。
だが彼は、ちゃんと先まで考えて自分がどうするか決めるに違いない。
続いて戦闘シーンも見どころの一つ。
この物語の戦闘シーンの良さというのは、行動描写が丁寧で分かりやすいだけではない。心理描写が丁寧でもあるのだが、戦略を考えた頭脳戦であることが特徴。思わず集中して読んでしまうほどに面白く、深い。
そしてこの戦闘はどちらか一方が強いという偏った描かれ方でもない。緊迫感と臨場感のある接戦なのだ。もちろん押される場面もある。だがギリギリの戦いだからこそ、手に汗握る臨場感が味わえる。
拝読させていただいた部分は、物語としてはまだ序盤。いよいよこれから彼の本当の戦いが始まる。そして真の目的とは一体?
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