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────変わりゆく僕らの日常▼前編▼

▽前編プロローグ▽

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 ****♡side・久隆


 忘れられない。
 忘れることなんてできない。

 あれは初恋で、自分にとっては一生の約束。

 可愛い、可愛いあの子の泣き顔。
 あの子を笑顔にしたくて。

「僕がいつか、姫を迎えにいくから」

 ”ひめかわ さくや”

 僕のお姫様。

「姫のパパの代わりにずっとずっとそばにいてあげるから」

 だから泣かないで。

 あの頃は信じていた。
 願っていれば願いが叶う時が来るって。
 無力な子供は、純粋に信じていたんだ。

 残酷な未来が待ってるなんて誰が予測できたというのだろう?

 自分は未来を信じ。
 彼は忘れることを選んだ。

 そして、月日は流れたーーーーーー。
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