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11話 意外な結末
3 医院長とその推理
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「証拠がなくても、皆の証言から考えられるのは二つのケース」
戀はここへたどり着くまでの経緯を述べたのち、医院長に対しそう切り出す。彼は事前に『まずは話を聞く』といってくれた。質問があればその後でと。
陽菜の兄の顔を知るものは口をそろえて言う。
”最近は見かけておらず、時期は2年前の11月22日以降”
その、顔を知る者とは例のコンビニの従業員や小学生兄弟の父の会社の一部の人。そしてその人から教えられた元カノのファンというあの男性。
それから忘れてはいけないのは、コンビニの常連客たちと女子高生グループとその女子寮の方々。
人数は多い方ではある。しかし、彼らには一つ共通点もあるのだ。
それは行動範囲。
医院の立地について。
まず珈琲店から近い駅よりも路線の違う駅に近い。
そして図書館とコンビニの間にあり、K学園高等部の女子寮よりも駅に近い場所にある。K学園高等部は女子寮よりもコンビニ側に立地しており、彼女たちは医院のある方面へは行かないのではないかと思われた。
栄えているのは珈琲店から近い駅。バスもでていることから、彼女たちのバイト先もそちらの方面にあるのではないかと予測している。
そして小学生兄弟は駅で父を待っていた。会社名は聞いていないが、珈琲店から近い方の路線を使うことは想像に難くない。
もしかしたら会社自体は駅周辺にあり、用を足すのに駅を利用したとも考えられる。
つまり彼らは、総合して考えると女子寮よりも医院側にいかないのではないかと言うことだ。
「病院に運ばれたか、この街にはいない」
そして後者についてはいろいろと調べた結果、やはり引っかかる部分があるのは否めない。
「予想していなかったとしても、何処かへ行くことを誰かに仄めかすと思うのです」
「そうだね、話に聞く彼の人物像からも、恐らく話しはするだろうと思う」
仮にすぐ戻るつもりであっても、長くなりそうというのはなんとなく想像がつくものだ。そうなったらその時点で妹にくらいは報告しておくのではないかと思われた。
人の言動は、その人の性格や思想によってある程度予測がつくものだと思っている。この人は何をしでかすか分からないという予測だって、その人の性格や思想、普段の言動によっての印象であろう。
彼らの行動範囲の中で見かけていないというのは、イコールこの街にはいないとはならない。だがそれは生きている保証でもなかった。
「新聞記事を調べたといっていたね」
「はい」
事件であれば、小さくとも記事になっていると思われる。内容によってはニュースになっていただろう。だが、該当者なし。
もちろんすべての事件が載るとは限らない。なので事件に巻き込まれていないという保証もない。
戀の説明を彼は黙って聞いている。しかし時折、考える仕草をしているのがとても気になった。もしかしたら、彼は何かと照合をしているのではないか。
「該当者はいなかったと伝えて貰ったが、実は一つ気になることがあってね」
それは希望の入り口だったのかもしれない。
「ここへ来てもらったのは、その気になることを確かめたいからなんだが」
彼は続けて”その日、事故で運び込まれた患者さんは数名いた”と。
となると、その中に気になる何かがあるというのだろうか?
「僕の話をする前に、一つ聞きたいのだが」
「なんでしょう?」
彼の視線は陽菜に向けられる。
「彼が病院に運ばれたとして、連絡が来ないのは何故だと?」
医院長の言葉に陽菜は言葉を詰まらせた。
彼は身元の確認ができるものを持っていない。
しかし、意識があれば伝えられたはず。もし声が出せない状況だったとしても紙に書けばいい。両手が使えなかったとしても、確か視線だけで意思を伝えることのできる装置があったはずだ。
つまり伝えられないのは、意識がないからと考えるのが妥当。
「身元を確認できるものを何も持っておらず、意識不明だったとして……そういう患者さんは今のところいない」
”だが”と彼は続ける。戀の脳裏に元カノの話が過った。
まだ可能性があるじゃないか。
耳元で囁いたのは、天使か悪魔か。それとも神なのか。
戀はここへたどり着くまでの経緯を述べたのち、医院長に対しそう切り出す。彼は事前に『まずは話を聞く』といってくれた。質問があればその後でと。
陽菜の兄の顔を知るものは口をそろえて言う。
”最近は見かけておらず、時期は2年前の11月22日以降”
その、顔を知る者とは例のコンビニの従業員や小学生兄弟の父の会社の一部の人。そしてその人から教えられた元カノのファンというあの男性。
それから忘れてはいけないのは、コンビニの常連客たちと女子高生グループとその女子寮の方々。
人数は多い方ではある。しかし、彼らには一つ共通点もあるのだ。
それは行動範囲。
医院の立地について。
まず珈琲店から近い駅よりも路線の違う駅に近い。
そして図書館とコンビニの間にあり、K学園高等部の女子寮よりも駅に近い場所にある。K学園高等部は女子寮よりもコンビニ側に立地しており、彼女たちは医院のある方面へは行かないのではないかと思われた。
栄えているのは珈琲店から近い駅。バスもでていることから、彼女たちのバイト先もそちらの方面にあるのではないかと予測している。
そして小学生兄弟は駅で父を待っていた。会社名は聞いていないが、珈琲店から近い方の路線を使うことは想像に難くない。
もしかしたら会社自体は駅周辺にあり、用を足すのに駅を利用したとも考えられる。
つまり彼らは、総合して考えると女子寮よりも医院側にいかないのではないかと言うことだ。
「病院に運ばれたか、この街にはいない」
そして後者についてはいろいろと調べた結果、やはり引っかかる部分があるのは否めない。
「予想していなかったとしても、何処かへ行くことを誰かに仄めかすと思うのです」
「そうだね、話に聞く彼の人物像からも、恐らく話しはするだろうと思う」
仮にすぐ戻るつもりであっても、長くなりそうというのはなんとなく想像がつくものだ。そうなったらその時点で妹にくらいは報告しておくのではないかと思われた。
人の言動は、その人の性格や思想によってある程度予測がつくものだと思っている。この人は何をしでかすか分からないという予測だって、その人の性格や思想、普段の言動によっての印象であろう。
彼らの行動範囲の中で見かけていないというのは、イコールこの街にはいないとはならない。だがそれは生きている保証でもなかった。
「新聞記事を調べたといっていたね」
「はい」
事件であれば、小さくとも記事になっていると思われる。内容によってはニュースになっていただろう。だが、該当者なし。
もちろんすべての事件が載るとは限らない。なので事件に巻き込まれていないという保証もない。
戀の説明を彼は黙って聞いている。しかし時折、考える仕草をしているのがとても気になった。もしかしたら、彼は何かと照合をしているのではないか。
「該当者はいなかったと伝えて貰ったが、実は一つ気になることがあってね」
それは希望の入り口だったのかもしれない。
「ここへ来てもらったのは、その気になることを確かめたいからなんだが」
彼は続けて”その日、事故で運び込まれた患者さんは数名いた”と。
となると、その中に気になる何かがあるというのだろうか?
「僕の話をする前に、一つ聞きたいのだが」
「なんでしょう?」
彼の視線は陽菜に向けられる。
「彼が病院に運ばれたとして、連絡が来ないのは何故だと?」
医院長の言葉に陽菜は言葉を詰まらせた。
彼は身元の確認ができるものを持っていない。
しかし、意識があれば伝えられたはず。もし声が出せない状況だったとしても紙に書けばいい。両手が使えなかったとしても、確か視線だけで意思を伝えることのできる装置があったはずだ。
つまり伝えられないのは、意識がないからと考えるのが妥当。
「身元を確認できるものを何も持っておらず、意識不明だったとして……そういう患者さんは今のところいない」
”だが”と彼は続ける。戀の脳裏に元カノの話が過った。
まだ可能性があるじゃないか。
耳元で囁いたのは、天使か悪魔か。それとも神なのか。
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