33 / 145
5話『動き出す、運命の輪』
2 いやいや、誤解です
しおりを挟む
****♡side・β(カイル)
「ま、待ってよレン」
レンはカイルが止めるのも聞かずに、ズンズンと中へ入っていく。正直、こういうコーナーに足を踏み入れるのは初めてだ。レンの発情期にはそう言うことを一応している、という事にはなるのだが。
────レンには言ってなかったけれど、俺レンが初めての相手だったし。
ただ、あの行為には愛も心も存在はしない。意志さえも。ひたすらαを求める彼を、気休め程度に慰めるのが自分の役目であり、使命。あの日以来、少しずつβ同士の恋人のような関係に近づいている。だから期待もしてしまうし、発情期以外のレンとそういうことがしたくないかと聞かれたら、否定はできない。
────レンとイチャイチャしたいに決まってる。
だって、最近の彼は可愛い。自分から触れてくれるし、笑顔も見せてくれるようになった。正直、自分は彼に恋をしている。もっと自分だけに心を向けて欲しいと望んでしまっていた。
「え」
一人で悶々としていると、レンが数作のDVDを持ってカイルの前を通り過ぎる。こういう作品はBlu-rayが出来ても、DVDが主流なようだ。
「そ、そんなに借りるの?」
「うん。勉強しないと。それに、この子カイルに雰囲気似てるから」
彼が持っているのはβ男性同士の作品だ。そこでカイルは彼の生体のことを思い出す。
────レンは俺に欲情することは出来るんだろうか?
αがラット状態以外の時に、全くの不能だと言う事は知っている。
しかしΩは未知数だ。発情自体を嫌う者が多く、βとΩの間に子を持つことが不可能な為、発情期以外はプラトニックな関係な者が大多数を占めている。
Ωが妊娠できるのは、相手がαの時だけ。一緒にいるβも、発情期の時のΩにショックを受けるものが多く、あえてそんな関係になりたがらないようだ。
────確かに、あれだけ目の前でαを求められたら自信なくすよな…。
それでもレンと、そういうことをしたいと思ってしまう自分はおかしいのだろうか。抱き合って温もりを分け合って、愛を感じたい。
「借りてくるね」
ぼんやりと考え事をしているカイルに、ニコッと微笑むと彼はレジに行ってしまった。レンはどっちなのだろうか、とカイルは想像する。自分はどちらでもいい。彼が望むまま、愛し合いたいと考えてしまっていた。
────なんだよ、レンにあんな態度取ってるくせに、やる気満々じゃないかよ。恥ずかしい。
「どうしたの?」
恥ずかしさに両手で顔を覆っていたカイルが、彼に声をかけられ顔をあげる。
「真っ赤だよ」
「ちょっとのぼせたかな」
「変なものばかり見てるからだよ」
彼がチラリとカイルの立っている前の棚に目を向けると、そこにはおもちゃが山積みになっていた。
「ちがっ……これ見ていたわけじゃ」
「はいはい」
「レンっ」
「次は本屋に行きたいな」
どんなに言い訳しても、疑いの眼差しを向けられるのだった。
「ま、待ってよレン」
レンはカイルが止めるのも聞かずに、ズンズンと中へ入っていく。正直、こういうコーナーに足を踏み入れるのは初めてだ。レンの発情期にはそう言うことを一応している、という事にはなるのだが。
────レンには言ってなかったけれど、俺レンが初めての相手だったし。
ただ、あの行為には愛も心も存在はしない。意志さえも。ひたすらαを求める彼を、気休め程度に慰めるのが自分の役目であり、使命。あの日以来、少しずつβ同士の恋人のような関係に近づいている。だから期待もしてしまうし、発情期以外のレンとそういうことがしたくないかと聞かれたら、否定はできない。
────レンとイチャイチャしたいに決まってる。
だって、最近の彼は可愛い。自分から触れてくれるし、笑顔も見せてくれるようになった。正直、自分は彼に恋をしている。もっと自分だけに心を向けて欲しいと望んでしまっていた。
「え」
一人で悶々としていると、レンが数作のDVDを持ってカイルの前を通り過ぎる。こういう作品はBlu-rayが出来ても、DVDが主流なようだ。
「そ、そんなに借りるの?」
「うん。勉強しないと。それに、この子カイルに雰囲気似てるから」
彼が持っているのはβ男性同士の作品だ。そこでカイルは彼の生体のことを思い出す。
────レンは俺に欲情することは出来るんだろうか?
αがラット状態以外の時に、全くの不能だと言う事は知っている。
しかしΩは未知数だ。発情自体を嫌う者が多く、βとΩの間に子を持つことが不可能な為、発情期以外はプラトニックな関係な者が大多数を占めている。
Ωが妊娠できるのは、相手がαの時だけ。一緒にいるβも、発情期の時のΩにショックを受けるものが多く、あえてそんな関係になりたがらないようだ。
────確かに、あれだけ目の前でαを求められたら自信なくすよな…。
それでもレンと、そういうことをしたいと思ってしまう自分はおかしいのだろうか。抱き合って温もりを分け合って、愛を感じたい。
「借りてくるね」
ぼんやりと考え事をしているカイルに、ニコッと微笑むと彼はレジに行ってしまった。レンはどっちなのだろうか、とカイルは想像する。自分はどちらでもいい。彼が望むまま、愛し合いたいと考えてしまっていた。
────なんだよ、レンにあんな態度取ってるくせに、やる気満々じゃないかよ。恥ずかしい。
「どうしたの?」
恥ずかしさに両手で顔を覆っていたカイルが、彼に声をかけられ顔をあげる。
「真っ赤だよ」
「ちょっとのぼせたかな」
「変なものばかり見てるからだよ」
彼がチラリとカイルの立っている前の棚に目を向けると、そこにはおもちゃが山積みになっていた。
「ちがっ……これ見ていたわけじゃ」
「はいはい」
「レンっ」
「次は本屋に行きたいな」
どんなに言い訳しても、疑いの眼差しを向けられるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる