幼馴染を追って異世界へ〜『¥300,000,000』廃課金した最強アカウントをLv1からやり直し、「超重力」属性を使って〜

甲殻類

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3章 レベル上げの苦難

19話 炎髪の少女

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 俺達はその少女を見つめていた。



 小さいその少女はシロネより少し身長が高く、まだその顔には幼さが残っており前髪は眉毛辺りで綺麗に横に切られたぱっつん、真っ赤な若干ボサついた髪をポニーテールにしてあり、鋭い目つきで真紅の瞳、若干周りの熱さのせいか少し頬が赤い、ジャージを羽織っており中からは白い体操服が見え、なにやら白い棒を咥えている。

 そして今、その少女ははこちらを睨んでいるわけでーー



(シロネどうする?)



 俺は『和衷協同』でシロネと会話する。因みにシロネはあの攻撃を受けた瞬間俺のギリギリで俺の影の中に隠れている。



(こちらに対して敵意があるのかないのかの確認じゃの、どういった目的でこちらを狙ったのかさりげなく聞いてみるのじゃ)



 ほう、そんな高等会話テクニックを持った人はどこにいるんですかね……少なくとも俺は



 普通の会話も微妙なのでそんなこと出来るわけない。

 まぁ冗談はさておき…今は仕方ない。こちらとしてもここがおじゃんになった以上場所を変えたいし、体力もない。
 速攻でMP、SP全回復する課金アイテムもないわけじゃないが貴重なのでこんなところで使いたくはないーーあれ、1日1回しか使用できないしな。


 覚悟を決めて俺が喋ろうとした時、それよりも先に少女が喋り出す。


「私はウタゲ・ミルという、帝国ルィン魔導学園の教師をやっているものだ。一つ聞きたいんだがスケルトンをこの森に放ったのはお前らか?」



 うーむ、この場合どういった答えが正解なのかわからん。シロネにも一応聞いてみる。



(シロネ本当のこと言うか?)



(いいのか間違いなく戦闘になるぞ)



(じゃあ、適当に嘘でもつくか?)



(それでも戦闘じゃろうな)



ーーな、なぜ?



 どっちか正解を選んだら見逃してくれるとかないのかよ。どっち選んでも不正解とはひどい問題だな。



 はぁ~どうするか……ここで戦い重傷を負うと少しの間レベル上げが停滞してしまう。なのでどうしても回避しないといけない。



 俺は心の中でため息をつく。



(こういう場合、基本相手は答えを知っとる場合が多いのじゃ)



 なるほど、相手を試すために使うと……



 仕方ない、なら嘘よりかは本当のこと言って言い訳でもしますかね。



 俺は自分にそう言い聞かせ、頭の中で良い塩梅の言い訳を模索する。



「確かにスケルトンを森に放ったのは俺たちだ、だけど人に危害を加えたりせず、生態系にも気を使ってやっていたんだ見逃してくれないか?」



 そうこれは全て本当で、人を傷つけないようなるべく人がいなさそうな場所を選び、周りの魔物を一定数狩ったらスケルトン同しで戦わせ経験値を得ていた。これにはシロネに感謝しかない。





「成る程……目的は特訓といったところか」



 ウタゲ・ミルという先生?は色々と考察を始める。辺りは未だに炎が上がっていて全く治る気配がない、山火事が心配になるレベルなのだが燃えているのがこの一帯だけであれから燃え広がっていない。



 おそらく彼女が制御しているのだろうがかなりのコントロールだ。



「まぁ今回は許してやる。その代わりこれからの特訓はこの森から出てやれ」



 ここはかなり良いベストスポットだったんだけどなぁ。しょうがない今は抵抗せず従っておこう、また良いスポットくらい見つかるだろうしね。





 俺は了解の意を口に出そうとした瞬間。影の中からまーたシロネがいらんことをしでかす。



「おい、そこのちんちくりん本当に教師なのか?チビが俺に命令するんじゃねぇ」



 声の出どころは影の中にいるシロネだ、声を低くして俺に寄せる(なかなかに真似がうまかった)。こいつ本当に面倒ごと大好きなのな。



 俺は顔を手でおさえ天を仰ぐ。成る程さっきの正解がなかったのはこれを狙ってか。



(これも修行の一貫じゃ、頑張れアキト~)



(まじであとで覚えておけよ……)



 少しでも感謝したのがバカだった。



 目の前にいる彼女は周りの炎よりも顔を赤くし、プルプルと震えている。





「お前、死にたいんだな。せっかくの私の好意を棒にふるとは良い度胸じゃねぇか!!」



 完全に怒らせているらしい、俺じゃないよって言っても今更無意味だなこりゃ。





 どうしよ……





 はっきり言ってこのウタゲ・ミルとかいう教師この魔法範囲を見るだけでもレベル50以上は確実にあると見て良いだろう。



 今の俺じゃ到底太刀打ちできない相手だ。しかも今こっちはMP、SP残りわずかなうえ今日の疲労の蓄積だってある。どう考えても無理だ。



 課金アイテムを使って回復する手段はないでもないが希少なアイテムなので使いづらい、ましてや俺は貧乏性なのでさらにそれを後押しするのだ。いや、だってほらもったいないじゃんーー



 そう思っているとウタゲ・ミルはこちらへ突っ込んでくる。



 まじかよ早すぎるもう少し考える時間くれっーーよ





 突っ込んでくる最中にアイテムボックスから木刀を取り出し、それに火を纏わせている。

 木刀の属性武器だ。



 てか、なんで木なのに火纏えるんだよっ!





 一瞬で俺の目の前まで肉薄するとウタゲ・ミルは上段の構えから思いっきり振りかぶり斬りつけてくる。



 それを間一髪のところでさっき装備した武闘家専用レベル25の拳武器でなんとか対応する。



 こちらは別に属性武器ではないのでもろに属性のダメージを受けてしまう。なので、武器同士が交錯する時間を限りなく減らし、属性ダメージを軽減する。



 幸い相手は怒りのせいで冷静な刀捌きではないのでなんとかやり過ごすことができている。



 ただ、交錯する瞬間は熱したフライパンに直接触ったように熱いので長くやっていると手を大火傷することになる(もう火傷にはなっている)ので。早いとこ決着をつけないといけない。



 俺はなけなしのSPを使いスキル『加重力拳/アドグラビティナックル』を木刀を振りかぶった瞬間多少のダメージ覚悟で突っ込みぶっ放つ。
 
 相手をしっかり見ることができなかったのかみぞおちにヒットさせることができた。だが人の体に触れているは思えないほど柔らかかった。そして、ウタゲ・ミルは俺の重力拳を受けたにも関わらず何食わぬ顔で笑っていた。



「そんな程度の技で殴ってくるとはなーー身の程を知れ!!!」



「スキル『炎斬/フレイムキラー』」





 俺は無防備だった肩にさっきの倍以上の炎を纏った木刀で斬りつけられる。



 触れた瞬間焦げ臭い匂いと共に激痛が全身を駆け巡り、気づいた時には数10m吹き飛ばされていた。





**




 俺は今うずくまっていた。血反吐を吐き、さっき木刀をぶつけられた赤黒く染まり皮膚の原型が消え肉が焼け骨がうっすら見える箇所を片手で必死に抑えポーションを何本もかけていた。







   ーー 熱い!! ーー







 俺はなんとか動く手を使いさっきから何10本もポーションをかけているが一向に治る気配がない。これはもうハイポーションを使うしかない、恐らくポーションでは回復できない炎なのだろう。



 属性はそれぞれポイントが振られ強さを増すごとに色々な効果が付いてくる。今回のポーションが効かないというのもそれだろう。あいつの使う炎系の魔法、スキルで受けたダメージは普通のポーションで回復できない。より高価なポーションでないと直せない。



 魔法ならいけそうだが今はMPが足りない。クッソ!!



(まさかここまでのやつとはな。わしも誤算じゃった)



 シロネが回復魔法『中級回復/ヒール』をかけてくれる。



(一旦宿屋に戻る。『中級回復/ヒール』だけではだめじゃ)



 シロネが焦っているがそんなことを気にとめるほど俺には余裕がなかった。シロネから受けた回復魔法を阻害するかのように火傷している箇所が抵抗しているのだ。今も俺の肩は若干燃えている。



 だから今はほんの少しずつしか回復していない。恐らく魔法、スキル方面にもポーション程ではないがあるのだろう。



 あっやべ………意…意識が…………





(そうじゃ少し休め、今すぐ手当てするからの。影魔法『影転送/シャドウワープ』)





 影転送は転送先にある影と自分の影を入れ替えそこに自分たちを呼び寄せるという魔法だ。



 シロネは残っていたSPを全て使い果たし俺たちは転送した。











ーーーーーーーーーーーーーーーー















「痛っでぇー!!」



 私は木にもたれかかりながらもなんとか学園に帰ろうと必死に歩いていた。



 まさかあいつの攻撃がまさかあれほど効くとは思いもしなかった。





 そう受けた瞬間はなんともなかったのだ、ただのパンチを私のパッシブスキル『炎膜/フレイムベール』で防いだ……はずだったのだ、私は追撃を加えようと動き出した瞬間ーー全身がいきなり重くなり、拳を受けたみぞおち辺りを鈍器でずっとなぐられているような痛みがずっと続いているのだ。



 今は体が重すぎて歩くのでやっとってところだ…



 クッソただの現地調査のつもりがこんなひでぇ目に会うとはな。



 あの時も軽率だった、たかが小僧程度の挑発にのってしまいキレちまった。短気なのも考えものだな。



 早く帰って痛みとって、酒飲みてぇ。



 私はシュガースティックを一本取り出し咥えながら後悔する。











 こんなの受けるんじゃなかったーー







 と。

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