幼馴染を追って異世界へ〜『¥300,000,000』廃課金した最強アカウントをLv1からやり直し、「超重力」属性を使って〜

甲殻類

文字の大きさ
38 / 97
4章 入学試験編 1次試験

37話 裏口

しおりを挟む

 俺は今1次試験のスタート地点に立っていた。本当に合格印付きスクロールを奪うとスタートに戻るのか……



 やはり、チームメイトがゴールしている状態で俺だけがスクロールを奪うと俺だけスタート地点に飛ばされた。ここは予想通りだった。

 ま、あとはシロネと一緒にゴールしてウタゲ先生に頭下げて入学許可を得れば完了だ。なんかあの人なら許してくれそうだし。



 そう考えてると、影に隠れていたシロネが姿を現す。



「まさか、わしを入学させる方法がここまで強引だとは思わなかったのじゃ」



「いや、だってあの時咄嗟に思いついたんだからしょうがない。我ながら妙案だった」



「じゃが、残り日数大丈夫かの……こっから何日でーー」



 シロネが気にしている日数はこっからは関係ない、というよりこれまでは俺自身の試験だったのでシロネの手助けは受けていなかった。

 だが、今はシロネの試験と言っても過言ではないだろうか。つまるところ、こっからは俺とシロネ二人でどうにかすることになる。



「シロネの影属性があるじゃないか」



 そう言って、シロネも理解したのか悪巧みする子供のようにシロネは笑う。



「確かに、これはわしの試験でもあると解釈してもいいの~じゃが、一つ聞きたいことがある」





「何かあるのか?」



「いや、このことは別に良いのだが。先程使用したスキル、お主はあそこまで広範囲使ったとこ見たことないのじゃがーーあれはどうやったのじゃ?」





 うーむ。俺は顎に手をやり考えるふりをする。



 実際のところ確かに、今の俺のレベルではあの広範囲に及ぶスキルは発動することができない。

 本当のことを話すか否か……ただ、嘘つくとバレそうだしなぁーー仕方ない、話しますかな。





「課金アイテムだ」





 俺はドヤ顔でいい放つ。これならば嘘もついていないし、シロネにはそれなりに強いアイテムとだけ言っとけば何とかなりそうだ。

 ぶっちゃけ課金アイテムの存在はこちらの世界において、重要な、切り札的存在になるので極力誰であろうと情報は漏らしたくない。弱いアイテムならいいんだが、流石に中以上のアイテムは隠しておきたい。



「か、か……きん?」



 やっぱりシロネは知らなそうだ。さっきからどういうアイテムかを模索しながら唸っている。



 今回使ったのは中の下くらいのアイテムなので話てもいいだろう。





「えーっと、このアイテムは俺が元いた国に売っているアイテムでその総称を課金アイテムっていうんだ」



「ほう、アキトの国のアイテムじゃったのか……」



「で、今回使ったのが<範囲の拡大/フォーカスレンジ>って言って範囲魔法、スキルの効果範囲を2倍するアイテムだ。本来俺のスキルは自分を中心にして半径50mまでしか届かなかったが、このアイテムの効果で100m、彼奴らの元まで届くようになったんだ」



 ま、ーー重ねがけ出来ないから中の下止まりである。



「因みにあのスキルの効果時間は3時間だ」



 これがレベル100になると効果時間は1週間になる。この効果時間はOOPARTSオンラインの時は特に気にする部分じゃなかったけどこっちの世界では重要なポイントになってくる。



「なかなか便利なアイテムじゃの……」



「わしは理由を聞けてスッキリしたのじゃ、ぼちぼちゴールまで行くとするかの」



 俺達は木の影の上に立ち、シロネがスキルを発動する。



「では、行くのじゃ。影魔法<影転送/シャドウワープ>」



 その瞬間俺達は影の中に吸い寄せられるように入って行く。どこか生暖かい感触が肌に伝わり体が身震いする。





 その差0コンマ1秒、気がつくとさっきまでいたゴール地点の近くの木の影の上に立っていた。



 今だに、受験生はまだ俺のスキル効果時間内なのであの体勢でずっといたようだ。それを眺めていると一人の赤い髪の少女(ウタゲ先生)が俺達に勘付いたのかこちらに一直線で走ってくる。

 だいぶご立腹の様子で、顔を真っ赤にして走って来るので、かなり怖い。

 そのまま蹴りでもかまして来るかと思いきや意外と冷静で、俺の前で急停止し、胸ぐらをつかんでくる。ウタゲ先生の顔がすごく接近しきて若干驚いたが、その息の荒さからかなりの焦りと怒りが見て取れる……と観察している場合ではない。



「どうしたんですか?」



 と、胸ぐらを掴まれているのでうまく声が出せず、ダミ声になってしまった。



「どうしたもこうしたもねえ!!何だあれはすぐに解け!!」



 ウタゲ先生の顔と俺の顔はかなり近いのでウタゲ先生が怒鳴ることで、唾が顔にかかり若干の不快感と、満足感を味わいながらも答える。



「解くことは出来ますけど……」



「じゃあ、解け!!」



 そう言われ、せっかく課金アイテムを使って効果時間もカサ増しした無意味さを惜しみつつスキルを解除する。

 俺はもう一つ課金アイテムを併用していた。<効果時間の増幅/タイムアンプ>というアイテムで現状このスキルを俺は1時間半しか持続出来ない、なのでこのアイテムを使って効果時間を2倍に増やしていた。

 OOPARTSオンラインでは、効果時間があるものにはこう言ったアイテムと併用して使うのが一般的で、逆に使わない方がおかしいまであったからなぁ。
 
 ただ、このアイテムは1日に3回までしか使えず、なおかつ次使うまでに効果時間と同じだけ待たないと使えない。レベル100までいくと1回使うと1週間以上のクールタイムがでてしまうので基本的に効果時間が短いスキルや魔法の時間を伸ばすのがベターになっていた。

 スキルを解除された貴族達受験生はのそのそと起き上がる人たちもいれば全く起き上がる気配がないものまでいた。



「何人かは窒息しかけてる状態で何とかそれを死なないようシェルが回復魔法で持ちこたえているってかんじだ」



 その俺の疑問を解消してくれる答えをウタゲ先生が言ってくれる。





「他にも、女達は自分のメイクが剥がれ落ちて今の顔を他のやつに見せたくないとか、単純に意識がないやつもいるし、死の恐怖で失禁したやつだっている」



「私も極力助けようとは思ったんだがな、あいつらに近づくと私まで重くなるんだ。シェルの回復が遠くからでも効果があってよかったよ」



 言いたいことは言ったのかウタゲ先生の掴む力がさらに増す。



 今度は俺が窒息しちゃうーと苦しそうな芝居いをうちながら、解放されるのを大人しく待つ。



 すると、俺の後方にいるシロネを見てウタゲ先生が眉を動かす。



「そいつは誰だ?」



「やだなぁ~今回の受験生の一人じゃないですか~」



 と、何とかごまかしてみる。



「そうだっけか?」



 本当に騙されているのかウタゲ先生は首を傾げる。



「はい!」



 俺が普段したこともないような笑顔を見せる。その刹那ーー



「んなわけあるかぁあああああ!!!!」



「ふぐぅう」





 俺の右腹にボディブローを打ち込まれる。もろに入り一瞬息が出来なくなり、そのまま放り投げられる。

 そのまま、俺はうずくまりつつ無言で静かにスムーズな動きで土下座のポーズをとる。



「な、なんだよ?」





 これには本当に驚いたようで、ウタゲ先生もじゃっかん動揺している。



「いえ、ここにいるシロネにも入学を許可していただきたくーー」



「なるほどな、そういうことか……」



 すると、俺の意図がわかったのか、ウタゲ先生は頭を抑え考え出す。





「はぁ~分かった分かった別に構わん、だからそのスキルを再度発動させようとするのは寄せ」



 そう、俺は最終手段に貴族達を人質に交渉しようとしていたのだが、それはウタゲ先生も分かっていたらしく、降参と言ったばかりに了承してくれた。

 最終的にかなり強引な手段を取ってしまったーーこれで、借りが一つ出来てしまった。



「ありがとうございます」



「ま、私も最初は受験生を削る気でやってたけど今となっちゃもうどうにでもなれって感じだし、別にいいよ……」



ーーこっち方がじじいには効果的だろうしなーー



 最後に凄く小さな声で何か言っていたが、聞き取れなかった。



「そんじゃ、スクロールは持ってるんだろうし一応手続きだけはしといてくれ。さっさとゴール行け、後のことは私たちがやっとく」



 そう言い残して、ウタゲ先生はシェル試験官の元へ再び戻って行った。

 結構大雑把な人だったけど意外といい先生だったな。俺の中で先生の株が一気に上がる。



「すまんのわしのためにお主に嫌な役を押し付けてしまってーー」



 しょんぼりしながら、後ろにいたシロネが言ってくる。



 こういうとこほんと真面目だな……まぁシロネなりに思うとこがあるんだろう。



「気にするな、ほら早く1次試験突破だ」



 本当なら「友達なんだから」を前につけたかったが、気恥ずかしすぎて言えなかった……俺もまだまだ子供な証拠だ。

 ちょうど夕日が綺麗に見える時間帯になり、辺りが紅葉のように木々草花全てが赤く照らされる。



 俺は気恥ずかしさの余韻に浸りながらゆったりとゴールに向け歩き出す。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた

平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。 それから幾千年。 現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。 そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。 ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。 だが彼自身はまだ知らない。 自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。 竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。 これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...