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5)少女風呂の少女たち
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「お客様、綺麗に身体が洗えましたね。では、ご入浴、お楽しみ下さい」
その女の子はそう言って、裸の少女たちがぎゅうぎゅう詰めになっているお風呂に入るよう、僕を促す。
ようやく、この時間が来たのだ。
「はい、ではそうさせていただきます」
もちろん、僕の気持ちはその方向で完璧に固まっているのだけど、しかしさすがにすんなりと行動に移しかねた。
少女たちの綺麗な肌と比べると、脛毛の濃い自分の足がとても不潔な物に見える。
その不潔な足を少女たちの身体の隙間に差し入れて良いものだろうか。そのような想いに囚われたのだ。
しかし今更、躊躇していられない。僕は当然、この少女風呂に体をひたすつもりだ!
僕は思い切って、この湯船を見渡した。
さっきまで恥ずかして、まともに見る気がしなかったのだけど、勇気を振り絞る。
それにこの少女風呂に入るといっても、いったいどこの部分に入ればいいのかって迷いがあったのだ。
まずは端っこで身体を縮めていようか。
それとも思い切って、真ん中に、ドシンと位置しようか。
あるいは、この少女風呂に居る少女たちの中で、最もかわいらしい少女の隣に行こうか。
僕はそんなことを考えながら、キリリと目を見開いて、少女風呂の少女たちを見渡した。
少女風呂の少女たちは、本当にかわいらしい少女たちばかりだった。
最初に少女たちを見たときは、みんな似たような顔をしていて、年齢だけが違うだけに見えた。
何というか、同じマンガ家が必死に美少女を描き分けようとしても、髪の色とか、髪型だけでしか差異がないなんてことはよくあると思うのだけど、少女風呂の少女たちはまさにそんな感じに思えたのだ。
しかしこうして間近で改めて眺めてみると、やっぱりそれぞれ個性豊かだった。
彼女たちは当然、みんな親も違えば、育った環境も違うのだ。
髪型とか年齢だけじゃなくて、肌の白さも違えば、胸の大きさも違う。みんな可愛らしいとはいえ、それぞれ可愛らしさの種類も違ったりする。
とはいえ、驚くほど似ているように見えてしまったのには、理由があったかもしれない。それはみんな、表情が同じだってことだ。
少女たちは本当に僕を歓迎するような眼差しで、こっちを見てくれていたのだ。
タオル越しではあれ、僕の性器が勃起しているのはバレバレだろう。しかもこれから、そんな僕と肌がべったりと触れ合う女の子もいるわけである。
しかし誰の目の中にも、僕に対する嫌悪感はない。もしかしたら、その歓迎の表情が、少女たちの個性を消していたのかもしれない。
そして、その一様に僕を歓迎してくれる表情が、僕を迷わせるのだった。
もし一人でも、僕を嫌がるような表情をしていたら、その子の近くは選択肢の中から排除するのだけど。しかしみんな、僕を温かい眼差しで見てくれる。
いったい僕は、どの少女と少女の間に、自分の身体を潜らせればいいのであろうか?
この最初の決断はけっこう大きいかもしれない。
だって万が一、自分の周りの女の子と性格が合わなければ、せっかくの入浴も楽しめないかもしれない。とても気まずい時間を過ごさなければいけなくなるかもしれないのだ。
いや、でも別に彼女たちと会話を楽しむため、ここに来たわけでもないか。
僕は少女たちと、肌の触れ合いを楽しむために入浴しに来たのである。
ならば、どこでもいいか?
そうだ、どこでもいい!
っていうか、一回入って、それからまた違う場所に移動してもいいのではなかろうか?
僕はそんな考えも思いついた。
そうだよ、どうしてこんな単純なことが思いつかなかったのだろう。
よし、とにかく入ろう。
いや、でも待てよ。こんなに簡単に決断していいのか?
本当に僕の決意は固まったのか?
そんな大袈裟な問題じゃないじゃないか。とにかく入ればいいのだ。
駄目だ駄目だ、もっとよく考えたほうがいい。
「お!」
そのとき、僕は少し体重を移動させようと足を動かしたのだけど、どうやら不運なことにタイルの一部が水に濡れていたようで、その水に足を取られ、バランスを崩してしまった。
天井と床が逆さまになって、一瞬、上下の感覚を失った。突然の事態に、驚きの声も出ない。
しかしこのまま転ぶと、硬いタイルで後頭部を痛打してしまうかもしれない。
僕は自分の運動能力を総動員して、どうにかバランスを取ろうともがく。
どこか掴めるものはないのか、手を精一杯伸ばした。でも僕の手は空を切るばかり。
「お客様、大丈夫ですか?」
そのとき受付の女の子が僕に駆け寄ってくれる。
僕は何とか彼女の腕を掴むが、彼女の力で僕の体重を支えきれるわけもない。彼女は艶めかしい声を上げて、尻餅をついた。
しかし彼女の身体が、反射壁みたいな役割をしてくれたようだ。
僕は何とか、銭湯のタイルで後頭部を痛打するという悲劇からは免れた。
その代わり僕のバランスは、少女風呂の方に傾いている。
「おっとっと」
何とか持ちこたえようと思ったのだけど無理だった。僕の身体は少女風呂の中に落ちていく。
少女たちは笑い声と共に、キャーという嬌声を上げながら、僕の身体を受け止めてくれた。
その女の子はそう言って、裸の少女たちがぎゅうぎゅう詰めになっているお風呂に入るよう、僕を促す。
ようやく、この時間が来たのだ。
「はい、ではそうさせていただきます」
もちろん、僕の気持ちはその方向で完璧に固まっているのだけど、しかしさすがにすんなりと行動に移しかねた。
少女たちの綺麗な肌と比べると、脛毛の濃い自分の足がとても不潔な物に見える。
その不潔な足を少女たちの身体の隙間に差し入れて良いものだろうか。そのような想いに囚われたのだ。
しかし今更、躊躇していられない。僕は当然、この少女風呂に体をひたすつもりだ!
僕は思い切って、この湯船を見渡した。
さっきまで恥ずかして、まともに見る気がしなかったのだけど、勇気を振り絞る。
それにこの少女風呂に入るといっても、いったいどこの部分に入ればいいのかって迷いがあったのだ。
まずは端っこで身体を縮めていようか。
それとも思い切って、真ん中に、ドシンと位置しようか。
あるいは、この少女風呂に居る少女たちの中で、最もかわいらしい少女の隣に行こうか。
僕はそんなことを考えながら、キリリと目を見開いて、少女風呂の少女たちを見渡した。
少女風呂の少女たちは、本当にかわいらしい少女たちばかりだった。
最初に少女たちを見たときは、みんな似たような顔をしていて、年齢だけが違うだけに見えた。
何というか、同じマンガ家が必死に美少女を描き分けようとしても、髪の色とか、髪型だけでしか差異がないなんてことはよくあると思うのだけど、少女風呂の少女たちはまさにそんな感じに思えたのだ。
しかしこうして間近で改めて眺めてみると、やっぱりそれぞれ個性豊かだった。
彼女たちは当然、みんな親も違えば、育った環境も違うのだ。
髪型とか年齢だけじゃなくて、肌の白さも違えば、胸の大きさも違う。みんな可愛らしいとはいえ、それぞれ可愛らしさの種類も違ったりする。
とはいえ、驚くほど似ているように見えてしまったのには、理由があったかもしれない。それはみんな、表情が同じだってことだ。
少女たちは本当に僕を歓迎するような眼差しで、こっちを見てくれていたのだ。
タオル越しではあれ、僕の性器が勃起しているのはバレバレだろう。しかもこれから、そんな僕と肌がべったりと触れ合う女の子もいるわけである。
しかし誰の目の中にも、僕に対する嫌悪感はない。もしかしたら、その歓迎の表情が、少女たちの個性を消していたのかもしれない。
そして、その一様に僕を歓迎してくれる表情が、僕を迷わせるのだった。
もし一人でも、僕を嫌がるような表情をしていたら、その子の近くは選択肢の中から排除するのだけど。しかしみんな、僕を温かい眼差しで見てくれる。
いったい僕は、どの少女と少女の間に、自分の身体を潜らせればいいのであろうか?
この最初の決断はけっこう大きいかもしれない。
だって万が一、自分の周りの女の子と性格が合わなければ、せっかくの入浴も楽しめないかもしれない。とても気まずい時間を過ごさなければいけなくなるかもしれないのだ。
いや、でも別に彼女たちと会話を楽しむため、ここに来たわけでもないか。
僕は少女たちと、肌の触れ合いを楽しむために入浴しに来たのである。
ならば、どこでもいいか?
そうだ、どこでもいい!
っていうか、一回入って、それからまた違う場所に移動してもいいのではなかろうか?
僕はそんな考えも思いついた。
そうだよ、どうしてこんな単純なことが思いつかなかったのだろう。
よし、とにかく入ろう。
いや、でも待てよ。こんなに簡単に決断していいのか?
本当に僕の決意は固まったのか?
そんな大袈裟な問題じゃないじゃないか。とにかく入ればいいのだ。
駄目だ駄目だ、もっとよく考えたほうがいい。
「お!」
そのとき、僕は少し体重を移動させようと足を動かしたのだけど、どうやら不運なことにタイルの一部が水に濡れていたようで、その水に足を取られ、バランスを崩してしまった。
天井と床が逆さまになって、一瞬、上下の感覚を失った。突然の事態に、驚きの声も出ない。
しかしこのまま転ぶと、硬いタイルで後頭部を痛打してしまうかもしれない。
僕は自分の運動能力を総動員して、どうにかバランスを取ろうともがく。
どこか掴めるものはないのか、手を精一杯伸ばした。でも僕の手は空を切るばかり。
「お客様、大丈夫ですか?」
そのとき受付の女の子が僕に駆け寄ってくれる。
僕は何とか彼女の腕を掴むが、彼女の力で僕の体重を支えきれるわけもない。彼女は艶めかしい声を上げて、尻餅をついた。
しかし彼女の身体が、反射壁みたいな役割をしてくれたようだ。
僕は何とか、銭湯のタイルで後頭部を痛打するという悲劇からは免れた。
その代わり僕のバランスは、少女風呂の方に傾いている。
「おっとっと」
何とか持ちこたえようと思ったのだけど無理だった。僕の身体は少女風呂の中に落ちていく。
少女たちは笑い声と共に、キャーという嬌声を上げながら、僕の身体を受け止めてくれた。
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