少女風呂(童話風)

アッシュ出版

文字の大きさ
17 / 26

17)年長グループの二人

しおりを挟む
 まなみちゃんはばっと振りむきました。ついにダイゴ君とまなみちゃんは目が合ったのです。
 そして二人は束の間、見つめ合いました。
 さっきまであんなにも密着していた二人です。二人は本当にドキドキしていました。

 しかしこれをきっかけに何か展開があったわけではありません。
 ちょうどそのタイミングで、少女風呂の中で別の出来事が起ころうとしていたのです。

 「ちょっとダイゴ君を独占するの、ずるくない?」

 そんな声を上げた女の子がいました。光ちゃんと胡桃ちゃんです。
 少女風呂の年長グループの二人、この少女風呂のリーダー格です。

 しかし、ちかちゃんの友達でもありますので、その抗議に不穏な空気は感じられません。ちょっとあんたたち、私たちにもダイゴ君貸してよね。そのようなニャアンス。

 「えー、どうしようかな」

 ちかちゃんはわざとらしい演技がかった声で言いながら、ダイゴ君の身体を引き寄せてます。「やっぱり、駄目、ダイゴ君は私のものだもん」

 「えー、ケチだな」

 可愛い女の子が、ダイゴ君の取り合いをしています。あからさまに嬉しい顔は出来ませんが、ダイゴ君も満更ではありませんでした。
 それに、ちかちゃんにくいっと身体を抱き寄せられたので、ダイゴ君は今、ちかちゃんに後ろから抱きしめられるような格好です。

 ちかちゃんの豊満なおっぱいが、彼の背中に密着しています。ちかちゃんの甘い息も彼の耳の近くを過ぎていきます。
 しかしこれまでずっと、まなみちゃんの身体のどこかに触れていたダイゴ君の一部は、これをきっかけに離れ離れになってしまいました。
 それどころか、ちかちゃんにぐっと身体を引き寄せられたときに、ダイゴ君の身体も少し上のほうに持ち上がったのです。

 さっきまで女の子たちの身体の中に埋もれて隠れていた、ダイゴ君のあの部分が露出しました。
 すなわちダイゴ君の男性器が、少女風呂からプカリと浮かび上がるような格好になったのです。

 あれ、勃起しているのね。
 それが目の前に現れたからといって、少女風呂の女の子たちは今更そんなことを口にしたりはしません。
 男性の身体的な反応について話題にはしない約束があるのかもしれませんね。
 しかし女の子たちはそれを見て見ない振りをするわけでもありません。
 ちかちゃん、光ちゃん、胡桃ちゃん、そしてまなみちゃん、ダイゴ君の近くにいる女の子たちはみんな、ダイゴ君のその勃起したおちんちんに視線が吸い寄せられていました。

 (ふーん、なるほど。包茎さんなのね)と思ったのはちかちゃんです。

 (所詮、子供ね)光ちゃんはそんな感想。

 (この年齢でも女の子の身体で興奮するんだ、まあ、当たり前か)

 そんなことを思ったのは胡桃ちゃん。

 (や、やだ。この子、すごく、やだ)と顔を赤らめながらも、ダイゴ君の男性的一部ををじっと見つめてしまうのは、まなみちゃんです。

 (さっきからこれが私のお尻に当たっていたんだ・・・)

 ダイゴ君は自分の性器が視線を集めたことに気づいて、さりげなく手で隠そうとします。
 しかしそんなことをさせるまいと、ちかちゃんは背後からダイゴ君の手をホールドします。
 そしてそのまま、彼女は身体を後ろに倒しました。すると、ダイゴ君は仰向けになったカエルのように、更にその部分が目立つ姿勢になってしまいました。
 もう恥ずかしいったらありゃしません。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...