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10)身代わり
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僕は悪いことをしようとしている。とても、とても悪いこと。
そそのかしているのは、エリカちゃんだ。
入れちゃえ。
彼女は僕に囁くのだ。ひなちゃんという幼い女の子に、挿入しろって。
だって入れたいんでしょ?
入れたら気持ちいんでしょ?
だったらやればいいじゃん。
エリカちゃんは僕をけしかけてくる。
そして僕はそれに乗っかろうとしている。
じゃあ、入れちゃおうかな。
僕はひなちゃんのお尻のほうにチラチラと目をやる。
彼女を前屈みにさせて、お尻を突き出させて、彼女の細い腰をしっかりと掴んで、そして自分の腰をぐっと前に突き出せば、挿入することは出来るかもしれない。
さすがに周りの女の子たちにばれてしまうかもしれないが、それがどうしたと言うんだ?
やりたい。
やるしかないだろ。
しかしそのときだった。
「何してるの? エリカちゃんとひなちゃん」
そんな声がした。
とても小さくて、ボリュームの抑えられていた声だったけど、僕とエリカちゃんはその声にビクリとする。
その声の主はゆかりちゃんだった。
ゆかりちゃんが他の女の子たちを掻き分けながら、こっちにやってきたのだ。
「エリカちゃん、何してるのって聞いてるんだけど?」
ゆかりちゃんが言った。
しかしエリカちゃんは気まずそうにするだけで、何も答えない。
あんたには関係ないでしょ、そんな態度。
「じゃあ、ひなちゃんに聞くわ。何してるの?」
「えっ? ・・・エリカちゃんが試してみるかって」
ひなちゃんが正直に言った。そんなところがまだ子供だ。
「た、試すって何?」
ゆかりちゃんは多分、ひなちゃんに尋ねるまでもなく、僕たちが何をしようとしているのか、とっくに感づいているようだ。
彼女の表情がそれを物語っている。
「うーん、よくわからないんだけど。まあ、多分、あれのことだと思うんだけど・・・」
「あれは規則違反でしょ? 駄目じゃない」
ゆかりちゃんの表情が、学校の先生のように厳格になる。
「でもお客さんがどうしてもって言うから・・・」
え? 僕はそんなこと言ってないぞ。
しかしやりたいことは事実だった。
僕の欲望が、顔にはっきりと書かれているのかもしれない。
ひなちゃんはそれを自分なりに読み取っていたのだろうか。
「で、何て答えたの、ひなちゃんは?」
少し呆れた様子で、ゆかりちゃんは言った。
「べ、別に、ありかなって・・・」
「ふーん、そうなんだ。ねえ、でもひなちゃん」
ゆかりちゃんはそう言ったかと思うと、ひなちゃんの耳元に口を持っていき、とても小さな声で何か囁いた。
何を囁いたのか、僕には聞こえない。
「ううん」
ゆかりちゃんに何か問い掛けられた、ひなちゃんが首を振る。
「じゃあ、駄目じゃない」
ゆかりちゃんが言う。
「え、そうなの?」
「ちょっとあんた、ひなちゃんに何を尋ねたのよ?」
次はエリカちゃんがゆかりちゃんにそう言った。
「何よ、エリカちゃん?」
ゆかりちゃんは挑戦的な視線でエリカちゃんを見返す。
「何よじゃないわ。この子に何を尋ねたのか聞いてるのよ!」
「濡れてるかって聞いたのよ」
ゆかりちゃんが少し間を置いてから、言った。
「え?」
僕とエリカちゃんは同時に言う。
「でも濡れてないって。だからひなちゃんは無理よ」
「そ、そんなの、しばらくいじってあげたら、ぬ、濡れるじゃない」
エリカちゃんが言い返した。
しかしゆかりちゃんの意外な言葉に驚き、彼女は動揺を隠せない様子。
「そうだけど。でもわざわざ濡らさないといけないんだったら、最初から濡れてる子のほうが良いんじゃないって思ったの」
ゆかりちゃんが更に言う。
「最初から濡れてる?」
「そうよ、だからお客さん、私がお相手します」
さっきからずっと僕のほうを見ることのなかったゆかりちゃんが、僕に向き直って、そう言った。
そそのかしているのは、エリカちゃんだ。
入れちゃえ。
彼女は僕に囁くのだ。ひなちゃんという幼い女の子に、挿入しろって。
だって入れたいんでしょ?
入れたら気持ちいんでしょ?
だったらやればいいじゃん。
エリカちゃんは僕をけしかけてくる。
そして僕はそれに乗っかろうとしている。
じゃあ、入れちゃおうかな。
僕はひなちゃんのお尻のほうにチラチラと目をやる。
彼女を前屈みにさせて、お尻を突き出させて、彼女の細い腰をしっかりと掴んで、そして自分の腰をぐっと前に突き出せば、挿入することは出来るかもしれない。
さすがに周りの女の子たちにばれてしまうかもしれないが、それがどうしたと言うんだ?
やりたい。
やるしかないだろ。
しかしそのときだった。
「何してるの? エリカちゃんとひなちゃん」
そんな声がした。
とても小さくて、ボリュームの抑えられていた声だったけど、僕とエリカちゃんはその声にビクリとする。
その声の主はゆかりちゃんだった。
ゆかりちゃんが他の女の子たちを掻き分けながら、こっちにやってきたのだ。
「エリカちゃん、何してるのって聞いてるんだけど?」
ゆかりちゃんが言った。
しかしエリカちゃんは気まずそうにするだけで、何も答えない。
あんたには関係ないでしょ、そんな態度。
「じゃあ、ひなちゃんに聞くわ。何してるの?」
「えっ? ・・・エリカちゃんが試してみるかって」
ひなちゃんが正直に言った。そんなところがまだ子供だ。
「た、試すって何?」
ゆかりちゃんは多分、ひなちゃんに尋ねるまでもなく、僕たちが何をしようとしているのか、とっくに感づいているようだ。
彼女の表情がそれを物語っている。
「うーん、よくわからないんだけど。まあ、多分、あれのことだと思うんだけど・・・」
「あれは規則違反でしょ? 駄目じゃない」
ゆかりちゃんの表情が、学校の先生のように厳格になる。
「でもお客さんがどうしてもって言うから・・・」
え? 僕はそんなこと言ってないぞ。
しかしやりたいことは事実だった。
僕の欲望が、顔にはっきりと書かれているのかもしれない。
ひなちゃんはそれを自分なりに読み取っていたのだろうか。
「で、何て答えたの、ひなちゃんは?」
少し呆れた様子で、ゆかりちゃんは言った。
「べ、別に、ありかなって・・・」
「ふーん、そうなんだ。ねえ、でもひなちゃん」
ゆかりちゃんはそう言ったかと思うと、ひなちゃんの耳元に口を持っていき、とても小さな声で何か囁いた。
何を囁いたのか、僕には聞こえない。
「ううん」
ゆかりちゃんに何か問い掛けられた、ひなちゃんが首を振る。
「じゃあ、駄目じゃない」
ゆかりちゃんが言う。
「え、そうなの?」
「ちょっとあんた、ひなちゃんに何を尋ねたのよ?」
次はエリカちゃんがゆかりちゃんにそう言った。
「何よ、エリカちゃん?」
ゆかりちゃんは挑戦的な視線でエリカちゃんを見返す。
「何よじゃないわ。この子に何を尋ねたのか聞いてるのよ!」
「濡れてるかって聞いたのよ」
ゆかりちゃんが少し間を置いてから、言った。
「え?」
僕とエリカちゃんは同時に言う。
「でも濡れてないって。だからひなちゃんは無理よ」
「そ、そんなの、しばらくいじってあげたら、ぬ、濡れるじゃない」
エリカちゃんが言い返した。
しかしゆかりちゃんの意外な言葉に驚き、彼女は動揺を隠せない様子。
「そうだけど。でもわざわざ濡らさないといけないんだったら、最初から濡れてる子のほうが良いんじゃないって思ったの」
ゆかりちゃんが更に言う。
「最初から濡れてる?」
「そうよ、だからお客さん、私がお相手します」
さっきからずっと僕のほうを見ることのなかったゆかりちゃんが、僕に向き直って、そう言った。
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