餓鬼の操者

assult

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契約

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その鬼は、“餓鬼”と呼ばれる鬼に似ていた。

真っ赤な体はやせ細っていて、なんとも醜い。額からは短い角が2本生えていた。

「あなた…餓鬼…?」

「アァ…」

「私の妖怪は、その、…あなたなのね?」

「アァ…」

すると餓鬼が何やら喋りだした。

「…スマン…」

「俺モ…オマエモ…生キルタメ…」

「シカタナカッタ…」

「アァアアァアァアァァァア!!」
強烈なうめき声をあげる

「血ヲ…クレ……」

「俺ト…契約ヲ…」

「血!?あげたくないよ…」

「ナラバ…オマエヲ…喰ウ。」

餓鬼は爪と牙をちらつかせる。
なんとも恐ろしかった。
「わかった!!ちょっとだけなら…」
私は恐怖に震えた。

血を取られたらどうなるのだろう、死を覚悟した。
その瞬間、餓鬼の姿がよりハッキリ見えたのがなんとも不思議であった。

餓鬼は爪で私の手首を切り裂き、そこから溢れる血を飲んだ。

「オマエノ番ダ…」

餓鬼は自らの手首を切り、血を私に差し出した。
私は言われるままそれを飲んだ。

酷い味だった。強烈に苦く、臭かった。

「契約…完了ダ…」

すると、私の心臓と餓鬼の心臓を繋ぐように、影で出来た血管のようなものが現れた。

「コレデ…俺モオマエモ…生キラレル…」
そう言うと餓鬼は、私の体の中に吸い込まれるように消えていった。
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