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妖狐
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凉は3階の部室から東の階段を通って1階へ降りた。中央階段からは離れているからまだ不良達の姿は見えなかった。
凉は物音を立てずにゆっくりと昇降口付近の教室へ向かう。
「やめろ!!くるな!!」
「うぁあぁぁ…」
「キャー…」
悲鳴が近ずいてくる。
逃げ遅れたと思われる生徒が倒れていた。
近くで鼓動を確認する。
「死んでる………」
不思議な死に方だ。
凉はスマホで、双子の弟である暁吾にメールで連絡する。
「殺されている人がいる。なぜか傷も無く、意識だけが消えているみたい。」と。
返信が来る。
「殺されてるとなると操者がいる可能性は高いね。秋月さんによると被害者はどんどん増えてるらしい。餓鬼の嗅覚で把握出来る弱った人間の数は既に十数人。絶対無事に帰ってきてね。」
双子の姉が危険な状態なのだ。暁吾は心配でならないだろう。
凉は決意を固めていた。万一自分が危険になっても、絶対に操者の数とその特徴を仲間に伝えると。
「先生は何してるんだろ…」
教師の姿が1人も見えないのが不思議であった。
不良の姿が見えた。冷静に人数を確認する。
29…
1人足りない。
凉は物陰に潜んで妖怪を出し、能力を使う。
凉の姿が不良グループの一員の格好へと変わる。
見た目はガタイのいい男。服は長ラン。本来152センチの身長は175センチに変わった。
“妖狐”
それが凉の操る妖怪の名だ。
能力は変幻。姿を自在に化けさせることが出来る。
匂いや声も変わる。この能力によって妖怪の匂いを隠して操者に接近できる。
凉は不良グループの群れへと紛れ込んだ。
辺りを見回す。
さっきの死体とは違う。教室に倒れている生徒は皆、外傷により意識を失っていた。
恐らく操者による傷では無い。
そして、ここにいる29人の中に妖怪の匂いを放つ者は居なかった。
ここでひとつの存在に気がつく…。
“たった1人で行動する”者の存在に。
“外傷を負わせず殺す”操者の存在に…。
凉は物音を立てずにゆっくりと昇降口付近の教室へ向かう。
「やめろ!!くるな!!」
「うぁあぁぁ…」
「キャー…」
悲鳴が近ずいてくる。
逃げ遅れたと思われる生徒が倒れていた。
近くで鼓動を確認する。
「死んでる………」
不思議な死に方だ。
凉はスマホで、双子の弟である暁吾にメールで連絡する。
「殺されている人がいる。なぜか傷も無く、意識だけが消えているみたい。」と。
返信が来る。
「殺されてるとなると操者がいる可能性は高いね。秋月さんによると被害者はどんどん増えてるらしい。餓鬼の嗅覚で把握出来る弱った人間の数は既に十数人。絶対無事に帰ってきてね。」
双子の姉が危険な状態なのだ。暁吾は心配でならないだろう。
凉は決意を固めていた。万一自分が危険になっても、絶対に操者の数とその特徴を仲間に伝えると。
「先生は何してるんだろ…」
教師の姿が1人も見えないのが不思議であった。
不良の姿が見えた。冷静に人数を確認する。
29…
1人足りない。
凉は物陰に潜んで妖怪を出し、能力を使う。
凉の姿が不良グループの一員の格好へと変わる。
見た目はガタイのいい男。服は長ラン。本来152センチの身長は175センチに変わった。
“妖狐”
それが凉の操る妖怪の名だ。
能力は変幻。姿を自在に化けさせることが出来る。
匂いや声も変わる。この能力によって妖怪の匂いを隠して操者に接近できる。
凉は不良グループの群れへと紛れ込んだ。
辺りを見回す。
さっきの死体とは違う。教室に倒れている生徒は皆、外傷により意識を失っていた。
恐らく操者による傷では無い。
そして、ここにいる29人の中に妖怪の匂いを放つ者は居なかった。
ここでひとつの存在に気がつく…。
“たった1人で行動する”者の存在に。
“外傷を負わせず殺す”操者の存在に…。
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