餓鬼の操者

assult

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操者探索

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校内はやけに静かだった。

生徒達は教室にこもって息を潜めている。

重い空気を感じた。

「ねぇ黄泉島、あの中に操者がいるとして、一般人に見えるタイプと見えないタイプ、どっちだと思う?」
暁吾が質問する。

「なに?色んなタイプがいるの?」
私は暁吾に質問を返す。

「力の強い妖怪は誰にでも見えるんだけど、力の弱い妖怪は取り憑かれてる人か操者にしか見えないんだよ。」

「みんなの妖怪はどっちなの…?」

黄泉島が説明する。
「俺のガシャドクロは小型化してる時は一般人には見えないけど、巨大化してる時は力が強いから見える。暁吾と凉さんのは一般人には見えない。秋月さんのも多分周りには見えてないはず。」

「そっか…じゃあこの中で1番力が強いのは黄泉島くん…」

「まぁ、そうなるね」

「でも、見えないタイプは非力と言っても、一般の人を殺めるぐらいの力は持ってる。一般の人にとってどっちが脅威だと思う?」

「見えない…ていうのも、なかなか脅威にはなりうるかもね。」

そう、見えないタイプは非力だが、見えない分攻撃は避けれないだろう。

「まぁ、黄泉島のは見える見えないが使い分けできるっていう点が強いよね」
暁吾が嬉しそうに褒める。

「ありがとう」


「ところで奴らはどこまで入ってきてる?」

「恐らく1階。」
私はキッパリ言い切る。

餓鬼が弱った人間の匂いを嗅ぎつけたので分かった。
つまり1階で誰かがやられたって事だ。

「被害はもう出てる。早く行こう。」

「4人で一斉に行っても多勢に無勢だ。まず操者を探そう。」
「凉さん、行って貰える?」
黄泉島が問いかける。

「え、1人?」
凉は不安そうだ。

そりゃそうだ。女子1人で行かせるなんてどうかしてる。

「凉さんにしかできないからさ。あの中に俺達が行ってもすぐに敵の操者に襲われる、でも凉さんなら大丈夫なはず…」

「わかった…。」

「奴等の中から、妖怪の匂いがする人が何人いるか調べてきて。」

「おっけー」

凉は1人で走っていった。

ほんとに1人で行かせてしまった。

妖怪の匂いを感じる距離まで1人で近ずけるのだろうか。
私は不安でいっぱいになったが、凉の健闘を祈るしかなかった。





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