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この世は金・マネーこそ命・金は儲けたモン勝ち2

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この世は金・マネーこそ命・金は儲けたモン勝ち2


「じゃぁ、どうやって金儲けすると?」

 香苗が興奮する中において、やや冷静な口調で疑問を放つ。

「そりゃぁやっぱりあれ、豊かな胸のふくらみが手に入りますよ! とって商品を売る。神さまに愛されていないような胸も、これを使えば優子みたいなふっくらやわらかいボリュームに満ちたふくらみが手に入りますよとガンガン攻めて売りまくる」

 香苗、それは詐欺なんじゃ……と言いかけたが、ミルフィーユに言わせればとんでもないらしい。

「詐欺じゃないよ香苗、夢を売るんだよ、ビューティフルドリーマーに」

「あぁ……なるほど」

「ではちょっとやってみようか」

 ミルフィーユ、突然にピンク色のノートパソコンをどこからともなく出現させる。それを香苗デスクの上に置くと、ちょいスマホを貸してと香苗に言う。そして受け取ったモノをパソコンの上にかざすと、あら不思議! 香苗スマホの中にあった画像がしっかり取り込まれている。

「うぉ……優子のふっくら巨乳! これは甘えてみたくなるねぇ」

 ミルフィーユは優子の画像を引っ張り出すと、優子の着衣巨乳って部分だけを画面いっぱいに拡大。それはもう悩め香しい絵が全面表示で映し出される。

「アホか! あんた女神のくせに恥ずかしいことするな」

 赤面状態の香苗、ミルフィーユのやっている事を批判。おまえは男子かよ! なんて事も言ってやったりした。とはいえ、画面いっぱいに映っているのを目にすれば、一回くらいは甘えてみたい……なんて内心思ったりはした。

「では、これより恵まれ巨乳女子、中野優子の画像を改造」

 なにやら作業を始めたミルフィーユ、優子の顔やら全体像にあるフォルムを少しチェンジさせていく。

「いまの優子って見た目で乳のボリュームだけ消してもイマイチ。だから、優子が乳の豊かさに恵まれそうで恵まれない女子だったすれば、だいたいはこんな感じだろうと考えた結果として……こんな感じかな」

 一度作業の手が止まったので、香苗はミルフィーユパソコンの画面に目をやる。そして思わず、おぉ! などと声を発してしまった。

「優子なんだけど……でもふっくらって言葉を削ってボーイッシュになったという感じに見える」

「そうそう、これなら乳のボリュームを消しても違和感とかウソが浮かんでこないはずだよ」

 言いながらミルフィーユが作業をちょこっと施すと、画面に映っている優子画像から大変に魅力的なふくらみ具合が消えた。

「こ、こんな優子って初めて見た……」

「で、この画像に以前のわたしという文字を入れて……」

「入れて?」

「元の巨乳女子たる優子の画像に、生まれ変わったわたしという文字を入れれば、多くの人に夢を与えられる」

「おぉ……たしかに……こんなの見たら、おっぱいが大きくなりますって商品を買いたくなる」

「でしょう! これが与えし夢であり、金を産む雌鶏ってやつだよ」

「雌鶏……で、何を売るの?」

「もちろんバッチグーなアイデアがあるよ」

「マジで?」

「香苗、徳用パックのラムネ買ってきて、多めに、どっちゃり」

「え?」

「いいから、そこでお金使っても後で何千倍にもなって返ってくる」

「何千倍?」

「そう、1000円が後で100万円になる」

「わたし、ちょっと買い物に行ってくる」

 香苗は大急ぎとばかり部屋から出て行った。もちろん手持ちに金があるわけではないから、母に土下座までして1000円をもらい矢のようなスピードで100均に飛んでいく。金のためなら土下座なんか楽勝。この世で何より尊いのは人の心などではなくお金! と興奮しながら自転車を走らせる。

「ただいま、買ってきたぞ!」

「おぉ、なんという速さ」

「で、この大量のラムネをどうすると?」

「こういう風にする」

 ミルフィーユが両手を広げ、さらに両腕を横に広げると部屋の床いっぱいに包み紙が登場。それは銅色、銀色、金色に分けられている。

「このちっちゃくてヘボイやつ。これは3個1セットにして銅色に包む」

「ふむ……」

「で、この銅色は効き目は65%くらいとうたう」

「65%?」

「そう、3人に1人の割合でハズレると正直にうたう」

「それで値段は?」

「3000円」

「ブッ! ぼったくり!」

「バカだねぇ香苗、人は基本ブロンズにすばらしさを感じない。だけど欲望が絡むと、ましてお金を出し惜しみするようなへぼったれは、銅色に願いを込めてに飛びつくんだよ。65人が巨乳になれるなら自分はハズレない! と信じられるんだよ」

「じゃぁ、この中サイズくらいのラムネは?」

「これは銀色に2つ1セットとして包む。効き目は85%とうたう。85%の成功率! しかも2つ入り! それでその値段はめっちゃ安いじゃんと飛びつく者多しだよ、うひひ」

「そのめっちゃ安い値段とは?」

「9000円」

「おい!」

「香苗、商売して儲けようって気はある?」

「も、もちろんある……お金が欲しい」

「だったらクールにならないとね」

「じゃぁこの一番大きいのは1個1パックとして金色で包み込むわけだね?」

「よくわかってるじゃん」

「値段は?」

「金色は成功率100%とうたうから別格」

「つまり?」

「ひとつ30000円」

「マジで? いくらなんでも高くない?」

「ダメだなぁ香苗は……この値段だからこそ金の価値が映える。それにだよ、金が欲しいけど買えないってしょぼったれは銀色の9000円がすごく安いと思って手を伸ばす。いわば二段構えだよ」

「ミルフィーユ……」

「なに?」

「あんたのどこが正義の味方なの?」

「あ、そういう言い方する? じゃぁお金はいらないんだ?」

「いります! 何よりもお金が欲しいです!」

「よろしい。ではラムネの包み直しをやろうか」

 こうして2人は安いラムネを魔法の粒として、ウソ八百な銅色とか銀色とか金色などで包みキュッとかわいくねじる。

「でもさぁミルフィーユ……」

「うん?」

「食べたのに巨乳にならないって言われたらどうする?」

「食べてすぐ巨乳になるよぉ! とか言うわけないじゃん。それは商売がへたくそな奴がやる凡ミス。1日待てばあなたもステキな巨乳! と言わなきゃダメ。それが鉄則」

「なんでよ」

「1日の間に購入者は夢を見られる。1日あれば売ったわたしらは余裕持って逃亡できる。これこそ真の持ちつ持たれつだよ」

「なるほど……すごいねぇミルフィーユは」

「えっへん!」

 こうして2人はラムネの包み直しという、地味でかったるい作業を苦もなく黙々とこなしていく。それは疑う余地なく、金を稼げると思うからできることだった。つまり金を稼げるという思いはすべての労力を跳ねのけられる。無償でもいいから奉仕したいなどと寝ぼけた精神ではとてもできない事だって、金を得られると思えばがんれるって話だった。
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